「導入しても使われない」
社内Wiki失敗の原因と、成功のコツ
2021年10月25日
ご相談・無料お見積り社内に散在するナレッジを集約し、共有するために有効な方法の1つである「社内Wiki」。情報が1ヵ所にまとまることによる業務効率化や、「特定のメンバーしか詳しいことがわからない」というようなナレッジの属人化を解消できるなど、様々な効果が期待される一方で、「導入したものの社内に浸透しない」と悩む企業も多いようです。なぜ導入が失敗に終わってしまうのか、その原因を紐解くとともに、社内Wiki活用を成功させるために押さえておきたいポイントを解説します。
社内Wiki導入は、なぜ失敗してしまうのか?
<原因1> 存在が認知されていない
社内Wikiの活用が進まない原因として、まず挙げられるのが「そもそも社内Wikiの存在が認知されていない」ことがあります。当然ですが、どんなに便利なものでも知らないものは使えません。導入したこと自体をアナウンスしても、何に使うのかがはっきりしなければ、認知度は低いままとなります。環境の用意に加え、導入の目的を明確にし、それに沿って周知、利用推進の取り組みをすることが欠かせません。
<原因2> 既存システムとの使い分けが不明確
もう1つ大きな原因となるのが、社内Wiki導入が混乱を招いているパターンです。特に、一気に大規模な導入をおこなう場合、既存のファイルサーバやグループウェアとの使い分けが不明確になりやすいものです。なかなか社内Wikiの用途が定まらないまま、使い慣れたファイルサーバなどを使い続けてしまい、結果、社内Wikiが定着しない状況に陥ってしまうのです。
社内Wikiを浸透させるためには、どうすべきか?
利用推進の取り組みは、実務担当者と上長の両輪で進める
社内Wiki導入にあたっては、事前に「Wikiを何に使い、どういった効果を期待するのか」といった目的を定めることが重要とされます。ただし、目的さえ定めればよいのではなく、あわせて利用推進を担うリーダーを決めておくことが大切です。業務によって使い方やWikiに記載する内容も変わるため、部門やグループ単位でリーダーを決めるとよいでしょう。各部門・グループごとに「どういった用途で使えるか」「どう展開すると使いやすいか」を考えるとともに、ほかのメンバーに利用を促してもらうことで利用定着につながります。
もう1つ、目的設定が重要とはいえ、事前に決めた目的に縛られ、「それ以外の用途は認めない」とするのではなく、社員からの「こういった使い方をしたい」といった要望を否定せず柔軟に受け入れることも必要です。利用を推進したいのに、このように利用したいという社員からの要望を否定するのでは本末転倒になってしまいます。こういったケースに柔軟に対応するためには、リーダーの承認がスムーズにできる体制が欠かせません。日々の業務で実際に活用しながら、利用推進・周知を担う若手と、新しい要望などの受け入れ可否を判断・承認できる権限を持つ上長の両輪で進める形をおすすめします。
一気に移行せず、既存の仕組みとの併用からスタート
ほとんどの企業において、ファイルサーバやグループウェアなど社内Wikiと用途が重なるシステムをすでに利用しています。これらから、社内Wikiへと一気に移行するのは難しく、まずは社内Wikiのメリットを活かしながら併用するとよいでしょう。最初の一歩として、新しい取り組みやプロジェクト、業務に社内Wikiを活用することも有効です。もしくは、社内/部署内のルールやアナウンスなど、社員が確認する機会が多い情報を社内Wikiに掲載する形もおすすめです。これにより、認知度が向上し、社内Wikiの利用定着にもつながります。
「テンプレートありき」ではなく、使いながらテンプレート化を
社内Wikiでは、よく使う内容についてテンプレート化することが勧められますが、最初から“テンプレートありき”で進めようとするのはNGです。実際の業務に合わないテンプレートになってしまうと、「使いにくいから使わない」となりかねません。
まずは実際に業務で使いながら、繰り返し使うフォーマットが確立した後に、それをテンプレート化する流れがおすすめです。こうすることで、違和感がなく使いやすいテンプレートを作成できます。
社内Wikiとファイルサーバの使い分けを意識
既存システムとの併用からスタートしても、社内Wikiの活用が進むと、どう使い分けるのかが課題になります。なかでも特に問題となるのがファイルサーバです。基本的にWordやExcelの表組は、すべて社内Wikiに移行できると考えてよいでしょう。ただし、社内Wikiでは計算ができないため、Excelでも関数や数式を利用しているものはファイルサーバに残す形となります。
ファイルサーバと異なる特長として、社内Wikiは共同編集機能を搭載するものもあるため、特に複数人で同時編集する情報の管理に有効です。議事録など時系列で管理するものや、ナレッジを随時追加していくような用途に適していると言えます。一方で、「最終的な資料がどれなのか」の管理は、社内Wikiが苦手とする領域です。内容の調整や編集は社内Wikiでおこない、マスターファイルの管理・保管はファイルサーバでおこなう、と使い分けるのがよいでしょう。
社内Wikiとファイルサーバは二者択一ではなく、それぞれの特性を活かして使い分ける形になりますが、その際は「どちらに必要な情報があるか」を意識しなくてもスムーズに求めている情報にたどり着けるよう、両者を横断して検索できる仕組みも用意することが望ましいです。
NRI事例に見る、社内Wikiの活用ケース
企業向けWikiツール「Confluence」を全社導入するNRIの事例より、実際の活用法を紹介します。
会議中に共同編集で議事録を作成
基本的な活用法の1つが、会議の議事録作成です。会議中にその内容をConfluence上に記録していくことで、会議の終了時に参加者で内容を確認して完了。顧客に提出する正式な議事録などは、別途フォーマットを整える必要があるケースもありますが、社内ミーティングなどでは、この議事録で十分です。議事録をまとめる工数を削減できるほか、共同編集機能を利用して参加者全員で編集しながら議事録を作成することで、認識の齟齬を防げます。
部署ごとのアナウンス用サイトとして活用
NRIでは、Confluenceを部署内での情報周知や、申請・提出物などを取りまとめるアナウンス用サイトとして活用しています。全社を対象とした、各種情報を掲載する社内向けWebサイトはあっても、部署ごとのWebサイトまでは用意できないケースも多いはずです。社内Wikiにより、部署ごと、グループごとなどのページも簡単に用意できるため、メールなどで都度連絡する必要がなくなり、情報を一元化できます。
会議申請を一覧化し、取りまとめ・管理
開発のフェーズごとにおこなう「設計会議」についても、開催申請をWiki上で実施しています。申請時に記載すべき項目などのルールもあわせてWiki上に掲載することで、必要な情報をまとめて確認でき、ルール変更時も確実に伝えることが可能に。申請内容は表として一覧化することで、情報を整理し、過去の情報や今後の予定もスムーズに把握できます。
グローバルスタンダードな企業向けWiki「Confluence」
数ある社内Wiki製品のなかでも、グローバルスタンダードとなっているのが、アトラシアン社が提供する「Confluence」です。Wordのような操作感で、使いやすいことが特長。また、情報を階層化して管理し、ツリー構造で表示されるため、情報を探しやすいほか、期間など細かな条件での検索も可能です。添付ファイルも、ファイルタイトルだけではなく、全文検索に対応しスムーズにナレッジにたどり着けます。
NRIは7年にわたって社内で「Confluence」を活用し、NRI社員・パートナー企業社員を含め1万8000名規模で利用しています。自社での活用を通じて蓄積してきたノウハウをベースに、社内Wiki導入後の体制構築や、テンプレート作成など利用定着の取り組み・運用までサポートする「プロフェッショナルサービス」を提供。さらに、エンタープライズサーチソリューション「aslead Search」と連携し、Confluenceから社内ファイルサーバや他システムまで横断的に検索する仕組みの構築も可能です。ナレッジの蓄積・共有を加速させるためにも、より使いやすい環境の整備は不可欠です。NRIでは利用定着まで視野に入れ、企業ごとのニーズや事情にあわせた社内Wiki導入をサポートします。
Confluenceの導入支援なら、asleadにお任せください
asleadではConfluenceを活用したサービスの開発・導入実績を豊富に持っています。お客様に合わせた最適なご提案をさせていただきますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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