セキュリティとは?意味や種類、基本のセキュリティ対策をわかりやすく解説
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aslead編集部
こんにちは。aslead編集部です。
最新ソフトウェア開発のトレンドから、AI・DXツールの効果的な活用法、企業のITガバナンスの強化、業務効率化やDX化を成功に導くソリューションまで、幅広い記事を提供しています。
企業が直面する課題の解決策として効率的なツールの活用方法を探求し、生産性の向上に繋がる実践的な情報をお届けすることを目指します。
現代のデジタル社会において、企業が直面する最大の課題のひとつが「セキュリティ」です。
情報技術がビジネスの根幹を成す昨今、セキュリティは単なる技術的な側面を超え、企業が顧客からの信頼や社会的信用を守り、存続するために不可欠な要素となっています。
しかし、「セキュリティとは何か?」と問われたとき、その全貌を的確に説明できる企業は意外と少ないのではないでしょうか。
この記事では、セキュリティの意味や基本概念、企業が取り組むべきセキュリティ対策について解説します。
セキュリティとはどんな意味?
セキュリティ(英語:security)は、「保安」「防犯」「警備」などを意味する言葉です。
「安全を確保し、危険や懸念から守ること」を指し、一般的に広く使用されています。
IT分野におけるセキュリティは「情報の保護」という意味で使われることが多く、「情報技術の健全な機能を維持すること」を指します。
不正アクセスやウイルス、スパイウェアなど、あらゆる脅威から情報資産を守るITセキュリティは、企業にとって重要な取り組みの一つです。
余談ですが、セキュリティの語源はラテン語の「secura」だと言われています。
securaは、「se(離れる)」と「cura(心配する)」を掛け合わせた言葉で、「心配ごとから離れて安らかな状態にあること」をあらわします。
IT分野におけるセキュリティの種類
IT分野のセキュリティには、主に以下の4種類があります。
情報セキュリティ
情報セキュリティとは、「機密性」「完全性」「可用性」という3つの主要な側面に焦点を当てた情報の保護を指します。
「機密性」を守るには、情報へのアクセス権限を設定し、許可されていない人が閲覧や書き換えができないようにする対策が必要です。
また「完全性」とは、悪意のある攻撃や侵入による不正な改ざんを防ぎ、情報が常に正確かつ完全であり続けることを指します。
「可用性」とは、必要なときにいつでも情報にアクセスできる状態を維持することを指します。例えば、システムのダウンタイムや緊急メンテナンスを最小限に抑える取り組みなども、情報セキュリティ対策の一環です。
関連記事:情報セキュリティ対策の種類と必要性、具体的な取り組みについて解説
サイバーセキュリティ
サイバーセキュリティとは、外部からの攻撃や脅威からコンピューターやネットワークを守るための総合的な取り組みを指します。
情報セキュリティと同じく「機密性」「完全性」「可用性」を確保することを目的としていますが、ウイルス侵入や不正アクセスの防止だけでなく、組織内部からの情報流出を防ぐことも含まれます。
そのため、サイバーセキュリティは単に技術的な防御措置に留まらず、組織の方針、プロセス、および人的側面を網羅する包括的なフレームワークとして捉えるべきと言えるでしょう。
コンピューターセキュリティ
コンピューターセキュリティとは、ソフトウェアおよびハードウェアを含むコンピューターシステムをさまざまな脅威から守ることを指します。
自然災害や犯罪による物理的な損害からの保護だけではなく、コンピューターそのものの記憶装置の大容量化や高性能化によりシステムに支障が出ないように努めることも、コンピューターセキュリティの一種と考えられています。
コンピューターセキュリティの目的は、システムの安定性と信頼性を維持し、使用者や組織に対して確実な情報技術サービスを提供することにあり、幅広い対策を通じて総合的な保護を図ることが重要です。
ネットワークセキュリティ
ネットワークセキュリティとは、外部からの悪意ある侵入や不正アクセスを防ぐための重要な取り組みです。
最近、多くの企業が顧客情報の流出という深刻な問題に直面しています。
日本では、不正アクセス禁止法(不正アクセス行為の禁止等に関する法律)が平成12年に施行され、平成24年に改定されるなど、法的な対策が強化されました。
しかしながら、法律だけでは不十分であり、技術的な防御手段の強化や、従業員への教育、監視体制の構築など、企業が事前に対策を講じることが求められています。
ネットワークセキュリティの確立は、犯罪の被害を未然に防ぎ、顧客の信頼を守ることにつながります。
企業にとってセキュリティ対策が重要な理由
セキュリティ対策は、企業の社会的責任のひとつです。
具体的な目的としては、以下の3つが挙げられます。
①企業の情報資産を守る
企業の情報資産とは、人や物、金銭に関する重要なデータを含みます。
重要な情報が外部に漏れると、企業の基盤自体が揺らぎかねない大きな問題に発展する可能性があります。
例えば、独自技術の流出や取引先情報の漏洩は、売上げに直接的な影響を及ぼしかねません。また、顧客情報などの流出は、個人情報保護法違反にあたることが多く、企業は法的な責任を問われることになるでしょう。
②企業の信頼を守る
企業の情報資産の流出は、顧客の信頼低下や社会的信用の損失に直結します。
例えば、個人情報の不正アクセスによる流出は、メディアを通じて大きく報道され、被害を受けた企業への責任問題として捉えられがちです。
顧客から「信用できない企業」と見なされてしまうと、残念ながら信用の回復は非常に困難な傾向にあります。
長期間にわたって築き上げてきた顧客との信頼関係を一瞬にして失いかねないため、企業はセキュリティ対策を徹底し、自社の社会的信用を守ることが重要です。
③企業を存続させる
情報資産の流出に限らず、何らかのセキュリティ事故が発生すると、その調査や復旧に膨大な時間とコストがかかるうえに、損害賠償や行政処分など、企業存続を脅かす可能性もゼロではありません。
事実、過去にはシステム障害が原因で業務改善命令を受け、長期にわたって企業の評価に影響を及ぼしたケースもあります。
セキュリティ対策は単に情報を守るだけではなく、企業の信頼、評価、そして最終的には存続そのものに直接的な影響を及ぼします。
適切な対策を講じ、あらかじめセキュリティリスクに備えることが、企業にとって不可欠なのです。
企業が取り組むべきセキュリティ対策とは?
企業が実施すべきセキュリティ対策は幅広く、その導入には多大な費用と時間がかかることがあります。
そのため、基本的かつ効果的なセキュリティ対策からスタートし、段階的に取り組むことをおすすめします。
ここでは、企業が最初に注力すべき基本的なセキュリティ対策を4つ紹介します。
ウイルス感染対策
IT分野におけるウイルスとは、電子メールや特定のウェブサイトからコンピューターへ侵入し、内部で増殖するプログラムを指し、「マルウェア」と呼ばれることもあります。
企業内のコンピューターがウイルスに感染すると、重要なファイルの消去やシステムの停止など、企業活動に深刻な影響を及ぼす事態が発生する恐れがあります。
また最近では、パスワードなどの重要データを外部に送信するウイルスも存在するため、注意が必要です。
ウイルス感染対策の具体的な方法は、以下の通りです。
- ウイルス対策ソフトの導入
- OS・ソフトウェアの定期的な更新
- Webフィルタリングの実施
- 怪しいメールは開封を避ける
- USBメモリ等を社内ネットワークに接続しない など
ウイルス対策ソフトの導入やソフトウェアを常に最新の状態にしておくなど、技術的な対策に加えて、「怪しいメールを開かない」「メッセージ内のURLをクリックしない」など、基本的な対策方法を社内で共有することも重要だと言えるでしょう。
不正アクセス対策
不正アクセスとは、許可されていない者がシステム内に侵入する行為です。
これにより、情報資産の流出やデータの改ざん、システムの停止など、企業の経営や社会的信用に大きな影響を及ぼす重大なセキュリティ事故が発生する恐れがあります。
不正アクセス対策の具体的な方法は、以下の通りです。
- アクセス権限等の正しい設定
- OS・ソフトウェアの定期的な更新
- SQLインジェクション対策
- ファイアウォールの導入
- ITデバイス&SaaS管理の徹底 など
特に、従業員が個人のモバイル端末を社内で使用していたり、企業や組織が許可していないソフトウェアをインストールしている場合、それがシステムの脆弱性に直結するリスクがあります。
これらは「シャドーIT」と呼ばれ、企業にとっては見えない脅威となるため、早急な対処が必要です。
情報漏洩対策
前述の通り、企業の重要な情報資産が外部に漏れることは、社会的信用の損失につながります。
情報漏洩対策の具体的な方法は、以下の通りです。
- アクセス権限等の正しい設定
- 定期的なセキュリティ研修の実施
- サーバールームの物理的セキュリティ確保
- セキュリティ監査と脆弱性評価の実施
- 故障・廃棄時のデータ完全消去 など
特に、リモートワークで業務用のPCや端末を使用する場合、推測されにくいログインパスワードや指紋認証などを設定して、第三者の不正利用を避けるようにしましょう。
情報漏洩のリスクについて、定期的な研修を行うことも有効です。
コンピューター機器の障害対策
地震や火災などの自然災害や停電などによるコンピューター機器の障害は、業務の停止を引き起こす可能性があります。
事前の対策としては、無停電電源装置(UPS)の設置や定期的なバックアップを行うことが有効です。
セキュリティとは情報資産や信頼を守ること!
企業におけるセキュリティとは、重要な情報資産(人や物、金銭に関する重要なデータ)を適切に保護することを意味します。
IT技術の進歩は目覚ましく、近年では企業や組織の情報資産を脅かす新たな威が次々と生まれています。
そのため、セキュリティ対策は「これをすれば万全」と一概に言えるものではなく、自社に合ったセキュリティ対策を継続的に行うとともに、従業員への教育や意識付けを徹底しすることが重要と言えるでしょう。
株式会社野村総合研究所(NRI)のasleadでは、さまざまなセキュリティ対策について、適切な製品やソリューションを提案しております。
セキュリティに関する課題改善、セキュリティ体制構築に向けて、asleadが一貫してサポートいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。