サイバーセキュリティの重要性、サイバー攻撃への対策をわかりやすく解説

サイバーセキュリティの重要性、サイバー攻撃への対策をわかりやすく解説
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aslead編集部
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こんにちは。aslead編集部です。
最新ソフトウェア開発のトレンドから、AI・DXツールの効果的な活用法、企業のITガバナンスの強化、業務効率化やDX化を成功に導くソリューションまで、幅広い記事を提供しています。
企業が直面する課題の解決策として効率的なツールの活用方法を探求し、生産性の向上に繋がる実践的な情報をお届けすることを目指します。

IT・デジタル技術の進歩が目覚ましい現代では、サイバー攻撃の手口がますます多様化しています。

ビジネスやプライベートの両方でオンライン活動が増えるなか、サイバー攻撃の脅威から身を守る「サイバーセキュリティ」の重要性も一層高まっている状況です。

この記事では、サイバーセキュリティの基本的な概念と重要性、具体的な対策方法についてわかりやすく解説します。

目次

サイバーセキュリティとは

サイバーセキュリティとは

サイバーセキュリティとは、インターネットやコンピューターネットワークを通じて発生する多様な脅威からデータやシステムを保護する技術や対策の総称です。

総務省では、サイバーセキュリティを以下のように定義しています。

インターネットやコンピュータを安心して使い続けられるように、大切な情報が外部に漏れたり、マルウェア(コンピュータウイルスなど電子機器に脅威となるようなプログラム)に感染してデータが壊されたり、普段使っているサービスが急に使えなくなったりしないように、必要な対策をすること。

引用:総務省「国民のためのサイバーセキュリティサイト

サイバーセキュリティが重要な理由

サイバーセキュリティが重要な理由

年々増加するサイバー攻撃の脅威に備え、企業が持続可能な経営を行うには、サイバーセキュリティ対策が必要不可欠です。

その理由は、以下の2つです。

IT・デジタル技術の進化

近年のIT・デジタル技術の進化は目覚ましく、私たちの生活やビジネスの在り方を大きく変えています。

スマートフォンの普及を皮切りに、クラウドやIoT(Internet of Things)などの技術が広まりました。

個人がスマートフォンを所有するのは当たり前となり、自宅に複数のIoT家電を持つ人も増えています。

企業や組織においても、電子メールでのやり取りや、Web勤怠管理システム、Web会議システムの導入が増えており、IT・デジタル技術はなくてはならない存在です。

企業はデータを活用して効率化を図り、消費者もオンラインサービスを利用する機会が増えているため、社会全体がIT・デジタル技術に依存している現代において、サイバーセキュリティの必要性は増しています

情報漏洩や不正アクセスは、個人のプライバシー侵害や企業の経済的損失につながるリスクの一つです。

サイバー攻撃の増加

サイバー攻撃は年々巧妙化・高度化しており、その被害も増加の一途をたどっています。

さまざまな手法が駆使され、個人情報の盗難やクレジットカードの不正利用被害、インターネットバンキングの不正送金被害など、甚大な被害が増え続けている状況です。

特に、企業の重要な情報や国家機関のデータが狙われるケースが増加し、社会全体に対する脅威となっています。

これらの攻撃は、単に金銭的な損害にとどまらず、信頼性やブランド価値の低下、法的なトラブルに発展することもあります。

持続可能な経営を目指すなら、サイバーセキュリティを強化し、適切な対策を講じるなどして、サイバー攻撃を防ぐことが重要です。

サイバー攻撃とは

サイバー攻撃とは

サイバー攻撃とは、インターネットを利用してコンピュータシステムやネットワークに不正なアクセスや操作を行い、情報を盗む、破壊する、または機能を妨害する行為全般を指します。

サイバー攻撃は多様であり、日々進化しています。サイバーセキュリティ対策に取り組むためには、サイバー攻撃の種類について正しく理解しておくことが大切です。

マルウェア

マルウェア(Malicious Software)とは、悪意のあるソフトウェアの略称です。

脆弱性や情報を利用して攻撃し、コンピュータやネットワークに損害を与えます

具体的には、以下のようなソフトウェアがマルウェアと呼ばれます。

ウイルス コンピュータに侵入し、意図的に何らかの被害を及ぼすように作られたプログラム
ランサムウェア 感染したパソコン上に保存しているファイルを暗号化して使用できない状態にし、復旧させることと引き換えに金銭や暗号資産を要求するソフトウェア
スパイウェア 利用者の使用するコンピュータから、インターネットに対して個人情報やコンピュータの情報などを送信するソフトウェア

参考:総務省「国民のためのサイバーセキュリティサイト(用語集)

フィッシング

フィッシング(Phishing)は、詐欺メールや偽サイトを使ってユーザーから情報を騙し取る手法です。

クレジットカード番号やアカウント情報が盗み出されています

フィッシング詐欺の主な種類は、以下の3つです。

電子メール 電子メールを悪用したフィッシング詐欺 銀行やオンラインショップなど、本物の企業や個人を装った詐欺メールから偽サイトに誘導する
SMS SMS(ショートメッセージサービス)を悪用したフィッシング詐欺で、スミッシングと呼ばれる 通信業者や宅配業者など、本物の企業や個人を装ったSMSから偽サイトに誘導する
SNS SNSの投稿サイトに本物に近いURLを掲載してクリックさせる

参考:総務省「国民のためのサイバーセキュリティサイト(フィッシング詐欺とは)」

一見するとわからないように巧妙に作り込まれた偽サイトもあるため、情報漏洩を防ぐためには、細心の注意が必要です。

DDoS攻撃

DDoS(Distributed Denial of Service)攻撃は、多数のコンピュータを使って標的のサーバーやネットワークに大量のトラフィックを送り、サービスを妨害する攻撃です。

攻撃により過負荷が発生し、サーバーが応答しなくなり、ウェブサイトやオンラインサービスが利用できなくなります

有名企業や政府機関のサイトがターゲットになることが多く、DDoS攻撃の標的にされた企業はシステム障害によってサービス停止に追い込まれる被害も発生しています。

企業の社会的信頼を守るためにも、適切な対策が必要です。

内部脅威

内部脅威とは、企業や組織の内部関係者による意図的または無意図的な情報漏洩の脅威を指します。

例えば、顧客情報の無断持ち出しや、情報システムの破壊などの事例があります

2024年1月にIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が発表した「情報セキュリティ10大脅威 2024」では、3位に「内部不正による情報漏えい等の被害」が、6位に「不注意による情報漏えい等などの被害」がランクインするなど、多くの企業にとって内部脅威は見逃せないものとして認識されていることが分かります。

内部脅威の主な種類は、以下の2つです。

意図的な情報漏洩 従業員が機密情報を盗み出して外部に売却する
非意図的な情報漏洩 従業員がセキュリティポリシーに違反して情報を漏洩する(誤って機密情報を含むメールを送信するなど)

SQLインジェクション

SQLインジェクションは、ウェブアプリケーションの入力フィールドに不正なSQLクエリを注入し、データベースに対して不正な操作を実行させる攻撃です。

SQLインジェクションによって、下記のような脅威が発生する可能性があります。

  • データベースに蓄積された非公開情報の閲覧
  • データベースに蓄積された情報の改ざん、消去
  • 認証回避による不正ログイン
  • ストアドプロシージャ等を利用したOSコマンドの実行

参考:IPA(独立行政法人情報処理推進機構)「安全なウェブサイトの作り方 – 1.1 SQLインジェクション

個人情報などの機密性の高い情報を、データベースに格納しているウェブサイトについては、特に注意しなければなりません。

サイバー攻撃から身を守るサイバーセキュリティ対策の方法

サイバー攻撃から身を守るサイバーセキュリティ対策の方法

サイバー攻撃の脅威が増加するなか、効果的なサイバーセキュリティ対策を講じることは非常に重要です。

ここでは、具体的な対策方法について説明します。

システムやソフトウェアの脆弱性を管理

システムやソフトウェアの脆弱性を放置すると、攻撃者に悪用されるリスクが高まります。

脆弱性は、コンピュータのOSやソフトウェアにおける、プログラムの不具合や設計上のミスが原因となって発生します。

脆弱性がまったく存在しないソフトウェアを作成するのは非常に難しいのが現状です。

脆弱性を管理するための主な対策は以下の通りです。

  • 定期的なアップデート
  • 脆弱性スキャン

オペレーティングシステムやソフトウェアに脆弱性が発見されるとメーカーが更新プログラムを作成します。

そのため、OSやソフトウェアは定期的にアップデートし、常に最新の状態にしておくことが大切です。

ただし、近年はメーカーが修正プログラムを開発する前に行われる「ゼロデイ攻撃」という脅威も発生しています。

ソフトウェアを更新していれば絶対に安全というわけではありません。

セキュリティ対策として脆弱性を自動で検知する脆弱性診断ツールを導入することも検討しましょう。

認証とアクセス制御の強化

認証とアクセス制御を強化することで、不正アクセスを防止することができます。

具体的な方法は、以下の通りです。

  • 多要素認証(MFA)
  • 最小権限の原則

多要素認証(MFA)とは、パスワードに加えて、SMS認証や生体認証など複数の認証方法を組み合わせてセキュリティを強化する施策です。

パスワードについても、強力で複雑なパスワードポリシーを実施し、定期的に変更するなど有効な対策を講じる必要があるでしょう。

ユーザーに必要最低限のアクセス権限のみを付与し、不正アクセスを防止する対策も必要です。

データの暗号化

データの暗号化は、情報が盗まれた場合でも攻撃者が内容を理解できないようにするための重要な対策です。

具体的な方法は、以下の通りです。

  • 通信の暗号化
  • データの暗号化

TLS/SSLなどのプロトコルを使用して、インターネット上で送受信されるデータを暗号化したり、保存されているデータを暗号化し、不正アクセスされた場合でも情報が守られるようにすることが、情報漏洩の防止につながります。

ネットワークセキュリティ対策

サイバー攻撃の多くはネットワークを介して行われるため、ネットワーク全体のセキュリティを強化することも重要です。

具体的には、以下の対策が有効です。

  • ファイアウォールの導入
  • 侵入検知システム(IDS)/侵入防止システム(IPS)
  • ネットワークセグメンテーション

ファイアウォールとは、不正なトラフィックを遮断し、ネットワークを保護するためのシステムです。

IDS・IPSは、ネットワーク内の異常な活動を監視し、攻撃を検出・防止するシステムです。

例えば、不正アクセスの疑いがあるログインを検知して、リアルタイムで管理者に通知します。

ネットワークセグメンテーションは、ネットワークを複数のサブネットワークに分割することを指します。これにより「信頼ゾーン」が確立され、サイバー攻撃による損害を封じ込めるのに役立ちます。

セキュリティ教育の実施

サイバーセキュリティ対策は、従業員一人ひとりの意識が伴わなければ実現できません。

企業としては、セキュリティポリシーや手順を明確にして従業員に周知するなど、セキュリティ教育を徹底することが求められるでしょう。

  • セキュリティ意識の向上
  • フィッシング対策の教育
  • インシデント対応マニュアルの作成

外部講師を招いた社内研修の実施や、発生したインシデント事例の社内共有など、あらゆる方法でセキュリティ教育を実施することをおすすめします。

また、万が一被害を受けた場合に備えて、インシデント対応マニュアルも作成しておくと安心です。

サイバーセキュリティを強化してサイバー攻撃を防御しよう

サイバーセキュリティを強化してサイバー攻撃を防御しよう

近年増加しているサイバー攻撃は、手口も多様化してきています。

企業が保有する機密情報や、社会的な信頼を守るためには、適切なサイバーセキュリティ対策を講じなければなりません。

サイバーセキュリティ対策に必要なのは、正しい知識と適切なツールの導入、従業員一人ひとりの高いセキュリティ意識です。

株式会社野村総合研究所(NRI)のasleadでは、企業のサイバーセキュリティ対策目的とした先進的なシステムやITツールの導入をサポートしています。

選定から導入に至るまではもちろん、運用についても専任の担当者がサポートいたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。