GitHub Copilotでレガシーコードを解読!保守・モダナイズを加速する解析テクニックを紹介

GitHub Copilotでレガシーコードを解読!保守・モダナイズを加速する解析テクニックを紹介
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aslead編集部
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こんにちは。aslead編集部です。
最新ソフトウェア開発のトレンドから、AI・DXツールの効果的な活用法、企業のITガバナンスの強化、業務効率化やDX化を成功に導くソリューションまで、幅広い記事を提供しています。
企業が直面する課題の解決策として効率的なツールの活用方法を探求し、生産性の向上に繋がる実践的な情報をお届けすることを目指します。

GitHub Copilotを活用したレガシーコードの解析は、保守やモダナイズを効率化する手段として注目されています。

長く運用されてきたレガシーコードは、設計意図や仕様が分かりにくかったり、誰が書いたのかが不明なことも多く、改修や機能追加の際に大きな負担となることも少なくありません。

GitHub Copilotを導入すれば、レガシーコードの解析だけでなく、モダナイズ(リプレース)への応用も可能です。

この記事では、GitHub Copilotを活用したレガシーコードの解析、モダナイズ(リプレース)の方法を紹介します。

目次

レガシーコードの解析を支援するGitHub Copilot Chatの活用術

レガシーコードの解析を支援するGitHub-Copilot-Chatの活用術

レガシーシステムの保守では、「この処理は何をしているのか」「なぜこのロジックが存在するのか」が分からず、コードを読み解く作業に多くの時間を費すことがあります。
特に長年改修が繰り返されてきたシステムでは、コメントや設計書が保管されておらず、コードそのものを手がかりに仕様を理解しなければならないことも珍しくないでしょう。

GitHub Copilot Chatを活用すれば、コードの役割や処理の流れを自然言語で説明させたり、リポジトリ全体を横断して関連箇所を調査することが可能です。
単にコード補完を行うツールとしてではなく、コード理解を支援する解析ツールとして活用することで、保守作業やモダナイズの効率を大きく高められるでしょう。

まずは、レガシーコードを読み解く際に特に役立つCopilot Chatの機能と使い方を紹介します。

「/explain」コマンド

まずは「/explain」コマンドを使い、理解したい関数や処理ブロックを1つずつ言語化していきましょう。

レガシーコードを段階的に説明させることで、ブラックボックス化したロジックを整理しながら理解できます。
難解なロジックや長い関数でも構造を把握しやすくなり、コードレビューや改修前の調査時間を短縮できるでしょう。

【「/explain」コマンドの使い方】
① VS Code上で解析したいコードをマウスで範囲選択する
② GitHub Copilot Chatのパネルを開き、/explain と入力して送信する
③ 対象コードの「目的」「データの処理方法」「エッジケース」「潜在的なバグ」が、自然言語で説明される

データフローの可視化

レガシーコードの解読において厄介なのが、「この変数がどこで何度書き換えられているのか分からない」という副作用の多さです。
グローバル変数がファイルをまたいで更新されていたり、共通モジュール経由でデータが連鎖的に渡される構造の場合、1ヶ所の修正が思わぬバグを生み出してしまうことがあります。

このような横断的な調査には、GitHub Copilot Chatのワークスペースコンテキストが役立ちます

現在のCopilot(Agent/Askモード)では、プロンプトを送るだけで自動的にリポジトリ全体が検索対象になるため、特別な操作は不要です。
より明示的にリポジトリ全体を対象に指定したい場合は、チャット参加者「@workspace」を使うか、コンテキスト変数「#codebase」をプロンプトに付け加えると良いでしょう。

「この変数が更新されている箇所をすべて列挙してください」「この関数が呼び出されている場所を調査してください」といったプロンプトを送ることで、複数ファイルにまたがるデータの流れを短時間で把握できます。
さらに「Mermaid形式の図として出力してください」などと補足すれば、処理の流れや依存関係を図として可視化できるでしょう。

生成された図は設計ドキュメントや技術共有資料としてそのまま活用できるため、レガシーシステムの構造整理やモダナイズ計画の立案にも役立ちます。

GitHub Copilotをレガシーコードモダナイズ(リプレース)に応用

GitHub Copilotをレガシーコードモダナイズ(リプレース)に応用

レガシーコードの解析が完了したら、次はどのようにモダナイズ(リプレース)を進めるのかを検討します。

長年運用されてきたシステムは、業務要件の追加や部分的な改修が繰り返されているため、コード構造が複雑化していることが少なくありません。
その状態で一度に書き換えを行うと、どの変更が原因で不具合が発生したのか特定できなくなり、元の正しい挙動を再現できなくなるリスクが高まります。

GitHub Copilotを活用したモダナイズでは、以下のサイクルを繰り返すことが重要です。

 ① 現状の挙動を記録する
 ② 小さく変換する
 ③ テストで確認する

Copilot Chatを使えば、コードの役割説明、依存関係の整理、テストコードの生成などをAIが支援してくれるため、レガシーシステムの段階的な移行を安全に進めやすくなります。
特に既存コードの理解・変換・検証を一連のワークフローとして整理できる点は、大きなメリットといえるでしょう。

GitHub Copilotを活用したモダナイズの進め方は、以下の通りです。

①コードをローカルに用意する

まずは「git clone」でリポジトリを取得し、コードをローカル環境で確認できる状態にします。

IDE(VS Codeなど)とGitHub Copilotを連携させておくことで、その後の解析やコード変換をスムーズに進められます。

②変換前の「正常な動作」を確認・記録する

変換後のコードと比較するため、現行システムの正しい動作を確認しておきましょう。

リグレッションテストの基準になる重要なステップです。

APIレスポンス、画面表示、ログ出力などを記録しておくと、変換後の検証が容易になります。

③Copilotにコードの全体像を説明させる

「/explain」コマンドを使用し、ファイルや関数の役割を整理します。

設計書が不足している場合は、Copilotに処理の目的や入出力データを説明させると、システムの構造を理解しやすくなるでしょう。

④データの流れをMermaid図で可視化する

@workspace を使い、処理フローや関数呼び出しの関係をMermaid形式の図として生成します。

図として可視化することで、複数ファイルにまたがるデータの流れや依存関係を直感的に把握できます。

⑤変換前の仕様をテスト計画として保存する

@workspace を活用して、既存のビジネスロジックをもとにテスト観点を整理します。

入力条件・期待結果・エッジケースなどをテスト計画として保存しておくと、変換後の検証作業を効率化できるでしょう。

⑥1ファイルずつ新しい言語に変換する

Copilotに変換対象ファイルを指定し、新しい言語やフレームワークへの書き換えを依頼します。

単純な言語変換だけでなく、古いライブラリの置き換えや構文の改善なども提案してくれるため、モダナイズとリファクタリングを同時に進めることが可能です。

一度に全ファイルを変換しようとせず、「1ファイル変換 → 動作確認 → 次のファイル」という形で進めるのがポイントです。

⑦変換したファイルを繋ぎ、アプリとして起動できる状態にする

変換が終わったら、package.jsonなどの設定ファイルを整備し、依存関係を解決しましょう。

その後、アプリケーションを起動して実際の動きを確認します。

期待どおりに動かない箇所はCopilotに原因分析を依頼しながら修正を進めてください。

⑧テスト計画をもとにテストコードを自動生成する

⑤で整理したテスト計画をCopilotに提示し、単体テストや統合テストを生成させます。

AIによるテストコード生成を活用することで、テストケースの作成時間を大幅に短縮できます。

⑨テストを実行し、失敗した箇所をCopilotと修正する

テストは反復的なプロセスであり、失敗すること自体は正常な工程の一部です。

エラー内容をCopilotに分析させ、「修正 → 再テスト」を繰り返すことで、コード品質を段階的に高めていきます。

⑩完成したコードをレガシーから切り離し、独立させる

すべてのテストをクリアしたら、新しいコードを別ディレクトリや新リポジトリに移動し、レガシーシステムとは独立したプロジェクトとして管理を開始します。

これにより、モダナイズ後の開発や保守をクリーンな環境で進められるようになります。

GitHub Copilotを活用したレガシーコードモダナイズは、コード理解、変換、テスト生成までをAIが一貫して支援するため、大規模システムの段階的なリプレースを安全かつ効率的に進められるでしょう。

レガシーコード脱却はGitHub CopilotのAI解析から始まる!

レガシーコード脱却はGitHub CopilotのAI解析から始まる!

レガシーコードを放置し続けると、社内で蓄積されてきたシステム資産を十分に活用できないだけでなく、障害対応の遅れやセキュリティリスクの増大といった問題につながる可能性があります。
特に長年改修を重ねてきたシステムでは、コードの構造が複雑化し、ベテランのエンジニアでなければ理解できない状態になっているケースも少なくありません。

レガシーシステムから脱却するには、適切な形でモダナイズ(リプレース)を進めていくことが大切です。

GitHub Copilotは、コーディング支援ツールとしてだけでなく、解読が困難なレガシーコードの解読・解析ツールとしても活用できます。
AIを活用してコードの意図や処理の流れを言語化し、システム全体の構造を整理することで、モダナイズ計画やリファクタリングの優先順位も立てやすくなるでしょう。

ただし、大規模なシステムの移行では、ツール活用のノウハウや影響範囲の慎重な見極めが求められます。

NRIは、記事内で紹介した「現行可視化・影響分析サービス」をはじめ、AIを活用した「AI再構築」や「AIテスト・移行」など、モダナイゼーション支援を拡充しています。

レガシーコードからの脱却を早急に進めたい、どこから手を付けるべきか迷っているという方は、ぜひ一度ご相談ください。