Atlassian Rovoエージェント活用術|設定方法から実務に効くAIアシスタントの作り方

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aslead編集部こんにちは。aslead編集部です。
最新ソフトウェア開発のトレンドから、AI・DXツールの効果的な活用法、企業のITガバナンスの強化、業務効率化やDX化を成功に導くソリューションまで、幅広い記事を提供しています。
企業が直面する課題の解決策として効率的なツールの活用方法を探求し、生産性の向上に繋がる実践的な情報をお届けすることを目指します。
JiraやConfluenceに蓄積された情報を横断的に活用できるAtlassian Rovoは、検索や要約だけでなく、業務に即したアクション提案まで行えるAIアシスタントです。
多くの企業に注目されていますが、「どう設定すればよいのか」「どこまで自動化できるのか」など、使い方に迷うケースも少なくありません。
この記事では、Atlassian Rovoエージェントの基本的な使い方や、実務に効く設計方法、チームに定着させるためのポイントまで、現場ですぐに使えるノウハウを分かりやすく紹介します。
Atlassian Rovoエージェントでできること

Atlassianが提供する「Atlassian Rovo(アトラシアン ロボ)」は、JiraやConfluenceなどに蓄積された情報を横断的に活用できる業務特化型AIアシスタントです。
主に、3つの機能を備えています。
横断検索(Rovo Search):複数ツールに分散したナレッジを自然言語で検索し、要点を整理して提示
対話型支援(Rovo Chat):要約・タスク整理・文章生成などを対話で実行
エージェント機能:部門や業務に合わせたAIエージェントをノーコードまたはForgeで拡張可能
Atlassian Rovoのエージェント機能は、JiraやConfluenceを中心としたチームの業務データに直接アクセスし、実際のワークフローの中でAIを活用できるのがメリットです。
ナレッジの検索や要約といった基本機能に加え、チケット作成の補助、会議内容の整理、ドキュメントのドラフト生成、問い合わせ対応の支援まで、業務の中で発生する「探す・まとめる・書く」の作業を効率化できます。
ナレッジの横断検索
Rovoエージェントは、JiraやConfluenceだけでなく、Slack、Google Drive、GitHub、Microsoft Teamsなど100以上の外部サービスと連携し、分散した情報を横断的に検索できます。
例えば、「この仕様の決定経緯は?」「過去に同様の障害は発生している?」といった質問に対し、関連チケット、議事録、チャット履歴、設計資料をまとめて提示することが可能です。
情報を探す時間を大幅に削減できるため、調査や確認にかかる工数を抑えられます。
さらに、検索結果は単なるリンク一覧ではありません。
AIが重要ポイントを抽出し、検索画面上に概要や関連情報をまとめたパネル(ナレッジカード)として表示するため、わざわざ個別のファイルやページを開かなくても内容をすばやく把握できます。
アクセス権限も自動で考慮されるため、ユーザーが閲覧可能な範囲のみが対象となり、セキュリティ面でも安心です。
定型業務の自動化
Rovoエージェントは、検索支援にとどまらず、日常的に発生する定型業務の効率化にも活用できます。
例えば、プルリクエストの要約作成、週次レポートの下書き、会議メモの整理、仕様変更点のまとめなど、繰り返し発生する業務を自動化できるのがメリットです。
必要な情報を取得したうえで文章化できるため、単なるテンプレート生成よりも実務に即したアウトプットが可能です。
また、社内問い合わせに対しても、過去のナレッジや解決済みチケットを参照しながら最適な回答案を自動生成できます。
担当者の負担を軽減しつつ、回答品質の標準化も可能です。
Atlassian Rovoエージェントの構築方法と使い方

Atlassian Rovoエージェントは、難しい初期開発をせずに導入できる手軽さが魅力の一つです。
JiraやConfluenceなどのAtlassian製品を利用している環境であれば、基本設定だけでAIアシスタントを業務に組み込めます。
一方で、部門横断の高度な自動化や外部システムとの連携まで実現したい場合は、拡張設計が必要です。
最初から複雑な構築を目指すのではなく、ノーコードでの活用範囲を確認しながら段階的に進めることで、失敗のリスクを抑えられるでしょう。
続いては、Atlassian Rovoエージェントの構築方法と、具体的な使い方を紹介します。
Rovo Agentの選択・構築(ノーコード・Forge)
Rovoエージェントの導入方法は、「既存エージェントを利用する方法」と、「自社専用のカスタムエージェントを構築する方法」の2つがあります。
まずは既存エージェントで基本機能を試し、次にRovo Studioでノーコード構築を行い、必要に応じてForgeで拡張する進め方が効率的です。
既存エージェントを活用する方法
Rovoには、Atlassianが提供する標準エージェントが20種類以上用意されています。
そのため、チケットの要約作成、会議メモ整理、ナレッジ検索支援、問い合わせ対応補助など、用途別に最適化されたエージェントをすぐに利用できます。
さらに、Atlassian Marketplaceからサードパーティ製エージェントを追加することも可能です。
特別な開発作業は必要なく、対象エージェントを選択しワークスペースに追加するだけで即座に業務支援を開始できます。
まずは既存エージェントを試し、業務改善効果を確認するのが現実的なスタートです。
自社専用のカスタムエージェントを構築する方法
業務により深く最適化したい場合は、Rovo Studioを活用しましょう。
ノーコードでエージェントを作成でき、具体的な指示(プロンプト)や、参照させたいConfluenceスペースやJiraプロジェクトなどのナレッジを紐付けることで、自社専用のAIアシスタントに仕上がります。
開発部門専用エージェント、人事FAQ対応エージェント、営業提案書作成支援エージェントなど、用途ごとに設計できるのも魅力です。
外部API連携やイベントトリガー処理など、より高度なワークフローを実装したい場合は、Atlassianの開発プラットフォーム「Forge」を活用します。
Forgeを使えば、独自ロジックの組み込みや他システムとの連携も可能です。
Rovoの有効化
Rovoエージェントを利用するには、有効化の設定が必要です。
以下の手順で行いましょう。
① JiraやConfluenceなどAtlassian製品のプランを確認
② 管理者がAtlassian Intelligenceを有効化
③ JiraやConfluenceの画面表示を確認
④ 権限設定と外部ツール連携の最適化
まずは、JiraやConfluenceなどのAtlassian製品について、Rovoに対応したプランに加入しているかを確認しましょう。その後、Atlassianの管理画面からAI機能(Atlassian Intelligence)の設定を開き、Rovoが使えるように有効化します。
JiraやConfluenceの画面にRovo SearchやRovo Chatが表示されていることを確認したら、Rovoに参照させたいConfluenceスペースやJiraプロジェクトの権限設定を見直し、必要に応じてSlackやGoogle Driveなどのコネクタを追加してください。
Rovo検索
Rovoエージェントの使い方は非常にシンプルです。
Rovoの検索バーに、「◯◯プロジェクトの最新仕様は?」「先月の障害対応の経緯を教えて」といった質問を、自然言語で入力してみてください。
JiraやConfluenceだけでなく、SlackやGoogle Driveなどと連携している場合は、すべてを横断して情報を検索できます。
単なるリンク一覧ではなく、関連するチケット、ドキュメント、チャット履歴などをまとめて提示するうえに、要点を整理した形で表示されるため、チームの「探す時間」を大幅に短縮できるでしょう。
Rovoチャット
Rovoチャットは、検索結果をもとに、次のアクションへつなげるための機能です。
見つけた情報を要約したり、タスクに落とし込んだり、文章化したりといった作業を、対話形式で進められます。
例えば、検索で表示された複数の資料をもとに「要点を3行でまとめて」「関係者向けの報告文を作成して」と依頼すれば、即座に下書きが生成されます。
情報収集からアウトプット作成までを一気通貫で行えるため、会議準備や報告業務の効率化に直結するでしょう。
操作も直感的で、検索画面からそのままチャットを開始するか、サイドバーからRovoを呼び出して指示を入力するだけです。
特別な設定を行わなくても使い始められるため、まずは試したい機能といえるでしょう。
【NRI aslead流】チームを加速させる3つの推奨エージェント

Atlassian Rovoエージェントは自由度が高い分、「ライブラリにある既存エージェントをどう使い分けるべき」「既存エージェントとカスタム構築のどちらを選ぶべきか」と迷ってしまうケースも少なくありません。
多様な現場でRovo導入を支援してきた株式会社野村総合研究所(NRI)のasleadでは、初期段階で効果を実感しやすく、かつチームに定着しやすい3つのエージェントパターンを推奨しています。
いずれも「検索→判断→実行」までを一気通貫で支援できる設計です。
Onboarding Agent(オンボーディング・エージェント
新しくプロジェクトに参加したメンバーが最初につまずきやすいのが、「社内情報がどこにあるのか分からない」「誰に聞けばいいのか分からない」という問題です。
オンボーディング・エージェントは、社内Wiki、設計ガイドライン、申請手順、プロジェクト履歴などを参照し、新メンバーの質問に即座に回答します。
「リリース申請の流れは?」「この機能の背景は?」と自然文で質問するだけで、関連ページを要約付きで提示してくれるのがメリットです。
さらに、Atlassianが提供するオンボーディング特化型のエージェントでは、AIが一次回答を行い、判断が難しい場合のみ人間の担当者にエスカレーションする仕組みも構築できます。
これにより、教育担当者の負担を軽減しながら、情報の属人化を防止できるでしょう。
結果として、「立ち上がり期間の短縮」「質問対応工数の削減」「ナレッジの再利用促進」という3つの効果が期待できます。
Readiness Checker(仕様書チェッカー)
仕様書や設計書の抜け漏れは、後工程での手戻りや品質低下の原因になります。
しかし、すべてを人手で厳密にレビューするのは現実的ではありません。
そこで有効なのが、Atlassianが提供する「Readiness Checker(準備状況チェッカー)」をベースにした、仕様書チェッカーです。
仕様書チェッカーは、Jiraチケットや関連するConfluenceページを読み取り、「要件が具体化されているか」「受け入れ条件が明確か」「依存関係は整理されているか」などの観点で自動評価します。
自社の設計ルールや成功事例と組み合わせれば、単なる形式的なチェックではなく、実務に即したフィードバックが可能です。
レビュー前の一次チェックをAIに任せることで、人間のレビューは本質的な議論に集中できます。
その結果、レビュー時間の短縮だけでなく、品質の平準化や手戻り防止という副次的効果も生まれるでしょう。
Slack FAQ Agent(Slack FAQエージェント
Slackなどのチャットツールでは、同じ質問が何度も繰り返され、回答する側の負担が積み重なるケースも珍しくありません。
RovoとSlackを連携させれば、過去ログやConfluenceのナレッジを参照し、自動でFAQ回答を生成できます。
使い方は非常にシンプルで、Slack上で@Rovoとメンションして質問を投げるだけです。
Rovoが直接スレッド内で回答を生成してくれるため、回答担当者の工数や手間を削減できるのはもちろん、質問した側も担当者のレスポンスを待たずに、その場で情報を得られるようになります。
コミュニケーションの待ち時間が減ることで、チーム全体のスピードが向上するでしょう。
Slack以外にも、Microsoft Teamsなどのチャットツールとも連携が可能です。
Atlassian Rovoは「チームの知性」を繋ぐハブになる

Atlassian Rovoエージェントは、分散したナレッジやプロジェクト情報を横断的に結びつけ、「探す・まとめる・書く」といった日常業務をAIで支援する機能です。
単なる検索だけで終わらず、要約や次のアクション提案まで行えます。
ただし、AI機能を有効化し、既存エージェントをそのまま利用するだけでは、自社業務に最適化された状態とはいえません。
部門ごとの役割に合わせたカスタムエージェントを構築することで、初めて生産性向上の効果を最大化できます。
asleadでは、多くの企業におけるAtlassian製品の導入支援で培った知見を活かし、Rovoの有効化から現場に定着するエージェントの構築まで、お客様の状況に合わせた伴走型支援を行っています。
導入して終わり、ではなく、Atlassian Rovoがチームの知性を繋ぐハブとして有効活用される仕組みづくりをサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。





