Snowflake Cortex AIとは:SQLの延長でAIを使える仕組みをわかりやすく解説

Snowflake Cortex AIとは:SQLの延長でAIを使える仕組みをわかりやすく解説
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aslead編集部
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こんにちは。aslead編集部です。
最新ソフトウェア開発のトレンドから、AI・DXツールの効果的な活用法、企業のITガバナンスの強化、業務効率化やDX化を成功に導くソリューションまで、幅広い記事を提供しています。
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目次

はじめに

生成AIへの関心が高まる中で、「自社データでAIを活用したい」というニーズは急速に広がっています。一方で、AIを使うにはモデルの実行環境やインフラの構築、機械学習の専門知識が必要という印象から、着手をためらう方も少なくありません。とりわけ、すでにデータをSnowflakeなどのデータクラウドにためているものの、その先の一歩を踏み出せていないケースは多く見られます。

こうした状況で鍵となるのが、Snowflake Cortex AI(コーテックス)です。Cortex AIは、Snowflakeの基盤に組み込まれたAI/機械学習機能の総称で、データを外部に移動させることなく、SQLやPythonから直接AIを呼び出せる点が最大の特徴です。この記事では、AI活用を検討し始めた情シス・データ基盤担当・データ分析部門の方を主な読者と想定し、Snowflake Cortex AIとは何か、何ができて、どう役立つのかを整理して解説します。なお、機能名や仕様は執筆時点(2026年7月)のものであり、最新情報はSnowflake公式ドキュメントでご確認ください。

全体像:Cortex AIは「データのそばで動くAI機能群」

まず、Snowflake Cortex AIの位置づけを押さえておきましょう。Cortex AIは単一の機能ではなく、Snowflakeがフルマネージドで提供するAI/ML機能の集合体です。大きくは、大規模言語モデル(LLM)を関数として呼び出す機能、自然言語でデータ分析を行う機能、社内ドキュメントを検索・回答する機能などに分かれています。

Cortex AIの本質は、「データのある場所でAIを動かす」という発想にあります。従来、AIを使うにはデータを外部のAIサービスに送り、結果を受け取る構成が一般的でした。Cortex AIでは、AI処理をSnowflakeの基盤内で実行できるため、データを持ち出さずにAIを活用できます。しかもGPUなどの計算資源はSnowflake側が管理するため、利用者はインフラ構築や運用を意識する必要がありません。以降のセクションで、代表的な機能を具体的に見ていきます。

Cortex LLM関数:SQLからLLMを呼び出す

Cortex AIの中でも最も基礎的なのがCortex LLM関数です。これは、大規模言語モデル(LLM)の機能を、使い慣れたSQLの関数として呼び出せる仕組みです。

何ができるかという観点では、テキストの要約・翻訳・感情分析・分類・文章生成といった処理を、通常のクエリと同じ感覚で記述できます。たとえば、問い合わせ履歴を格納したテーブルに対して「各行の内容を要約する」「ポジティブ/ネガティブを判定する」といった処理を、SQL一文で実行できます。どう役立つかという点では、データアナリストやデータエンジニアがすでに持つSQLスキルを、そのままAI活用に転用できることが挙げられます。機械学習の実装経験がなくても着手できるため、専門チームの新設を待たずに検証を始められます。一方で留意点として、利用できるモデルの種類はリージョンによって提供状況が異なる場合があるため、検証前に自社が利用するリージョンでの対応状況を公式ドキュメントで確認しておくことが重要です。

Cortex Analyst:自然言語でデータに問いかける

Cortex Analystは、自然言語による質問をSQLに変換し、データ分析を行える機能です。「先月の地域別売上を教えて」といった問いかけに対して、対象データを分析して回答を返します。

何ができるかでいえば、SQLを書けない業務担当者でも、自然言語でデータへ問い合わせられる分析体験を提供できます。どう役立つかという点では、分析リクエストがデータ部門に集中しがちな状況を緩和し、現場が自分でデータを確かめられるようになります。ただし留意点として、回答の精度は対象データの構造やメタデータ(項目の意味づけ)の整備状況に左右されます。どのデータを対象に、どの範囲で使うかを絞り込んでおくことが、実用的な結果を得る近道です。

Cortex Search:社内ドキュメントを対象にした検索・回答

Cortex Searchは、社内マニュアルやドキュメントなどの文書に対して、検索と質問応答を実現する機能です。いわゆるRAG(検索拡張生成)の基盤として活用でき、根拠となる文書をふまえた回答を得られます。

何ができるかという観点では、「社内規程について質問すると該当箇所をふまえて回答する」といった仕組みを、比較的少ない開発工数で構築できます。どう役立つかという点では、社内に散在するナレッジを検索可能な形で活用でき、問い合わせ対応や情報探索の効率化につながります。留意点として、回答品質は対象文書の網羅性と鮮度に依存するため、検証段階では対象範囲を明確に区切っておくことをおすすめします。

ベストプラクティス

Snowflake Cortex AIを活用する際に押さえておきたいポイントをまとめます。

身近なユースケースから試す: まずはCortex LLM関数による要約や分類など、SQLの延長で試せる処理から着手します。小さな成功体験が、次の展開の判断材料になります。

対象データと範囲を絞る: 精度は対象データの整備状況に左右されます。「どのデータで、どの範囲を検証するか」を最初に決めておくと、評価がぶれにくくなります。

リージョンの対応状況を確認する: 利用できるモデルや機能はリージョンによって異なる場合があります。検証前に自社リージョンでの提供状況を公式ドキュメントで確認します。

既存のSQL人材を中心に据える:新規の専門チームを立ち上げる前に、既存のデータアナリスト・エンジニアで検証を進めます。スキルの転用で着手までの時間を短縮できます。

ガバナンスを最初から適用する: Cortexで扱うデータにも、権限管理やマスキングなど既存のガバナンス方針をそのまま適用します。

よくある懸念とその対応方法

懸念①:「機械学習の専門知識がなくても使えるのか?」

    対応: Cortex LLM関数は、LLMの機能をSQLの関数として呼び出せる形で提供されています。SQLを書けるデータ人材であれば、機械学習の実装経験がなくても要約や分類などの処理を試せます。まずは身近なユースケースから始め、必要に応じて体制を段階的に整えるとよいでしょう。

懸念②:「データを外部に送るのがセキュリティ的に不安」

    対応: Cortex AIは、AI処理をデータが保管されている基盤の内側で実行できるため、データを外部に持ち出さずに活用できます。RBACやデータマスキングといった既存のガバナンス機能もそのまま適用できるため、セキュリティ部門の理解を得やすい構成です。

懸念③:「思ったような回答精度が出ないのでは?」

    対応: 回答品質は対象データやドキュメントの整備状況に大きく左右されます。検証テーマと対象範囲を絞り込み、データの意味づけ(メタデータ)を整えることで精度を高められます。まずは限定した範囲で有効性を確認し、段階的に広げる進め方が現実的です。

*懸念④:「どの機能から使い始めればよいか分からない」

    対応: 一般的には、SQLの延長で使えるCortex LLM関数が入り口として取り組みやすい機能です。自然言語での分析ならCortex Analyst、社内文書の検索・回答ならCortex Searchというように、目的に応じて選び分けます。まずは自社の課題に最も近い1つを選び、小さく試すことをおすすめします。


本記事では、Snowflake Cortex AIとは何か、そしてCortex LLM関数・Cortex Analyst・Cortex Searchといった代表的な機能について解説しました。いずれも、「データのある基盤の上で、SQLの延長からAIを試せる」という点に共通の価値があります。

もっとも、どの機能をどのデータに適用し、どのようにガバナンスやコストを設計するかは、各社のデータ環境や目的によって最適解が異なります。NRIのasleadでは、Snowflakeの導入支援およびデータ活用・AI活用のコンサルティングを通じて、Cortex AIを用いた検証の企画から本番展開までを一貫してお手伝いしております。「自社データでAIを試してみたい」「どの機能が自社に合うか相談したい」といった段階からで構いませんので、ぜひお気軽にお問い合わせください。