DXとは?必要される背景、実現するための6ステップを紹介
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aslead編集部
こんにちは。aslead編集部です。
最新ソフトウェア開発のトレンドから、AI・DXツールの効果的な活用法、企業のITガバナンスの強化、業務効率化やDX化を成功に導くソリューションまで、幅広い記事を提供しています。
企業が直面する課題の解決策として効率的なツールの活用方法を探求し、生産性の向上に繋がる実践的な情報をお届けすることを目指します。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術の力を借りて、ビジネスプロセスや企業文化の変革を実現する概念です。新たなビジネスモデルの創出や顧客満足度の向上により、最終的には企業の競争力を大きく高めることを目指します。
この記事では、DXが必要とされる背景、成功へ導くための具体的なステップを、初心者向けにわかりやすく解説します。
DXが求められるようになった背景
日本においてDXが注目されるようになったのは、経済産業省が「産業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進施策」を発表した後の2019年頃からです。
また、2020年に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が社会問題化し、「テレワークの推進」などの新しい生活様式が求められるようになったことも、企業のDXへの関心を再び高めるきっかけとなりました。
もちろん、DXが注目される背景はこれだけにとどまりません。
ここではDXが求められる理由を5つ挙げ、詳しく解説します。
競争優位性の確立
デジタル技術の急速な進化により、近年、消費者行動やビジネス環境は大きく変化しています。
従来のビジネスモデルを維持しているだけでは、持続的な経営の実現が難しくなってくるでしょう。
企業がこの変化に適応し、さらに先を行くためには、DXを積極的に推進し、革新的なアプローチで市場に挑む必要があります。
クラウドサービスやSaaSの普及
クラウドサービスやSaaS(Software as a Service)の普及は、企業がデジタル技術を導入しやすくなった大きな理由の一つです。
以前よりも低コストかつ迅速にシステムを導入できるようになり、業務効率化を図ることが可能になったことが、DX推進の流れを加速させています。
新型コロナでDX促進が加速
新型コロナウイルス感染症の流行は、テレワークやオンラインでのビジネス運営といった新しい働き方へのシフトを加速しました。
この状況が、多くの企業にDX推進の必要性を再認識させたことは言うまでもないでしょう。
慢性的な人材不足の解消
少子高齢化が進む日本社会において、労働人口の減少は社会問題になっています。
出生数は、2023年まで8年連続で減少しており、死亡数の半分以下になっているという現状をみると、今後も慢性的な人材不足が続く可能性は非常に高いでしょう。
限られた人員で効率的に業務を運営するためにも、DX化による業務プロセスの刷新が求められています。
「2025年の崖」問題
「2025年の崖」とは、経済産業省が指摘した、日本企業がデジタル化に適応できない場合に直面する経済的損失を指す用語です。
現状の課題を克服できなければ、2025年以降、最大12兆円/年の経済損失が生じる可能性が指摘されたのです。
企業はレガシーシステムからの脱却とビジネスモデルの変革を急ぐ必要があり、これを克服するには、ビジネスモデルそのものの変革が必要だと考えられています。
DXの実現に向けた課題
DXには多くのメリットが期待できますが、実現に向けてはいくつかの課題も存在します。
ここからは、DXの実現に向けて解決すべき主な課題を6つ紹介します。
社内文化や意識の変革
DXを進める上で最も重要かつ困難な課題の一つが、従業員や経営層の意識改革です。
新しいデジタル技術を導入しても、本来の目的である製品やサービス、ビジネスモデルそのものの変革につながらなければ、DXは形骸化してしまう可能性があります。
特に、従業員が既存の業務フローや慣習に固執している場合、まずは柔軟なマインドセットを育むことが求められます。
経営層も積極的にリーダーシップを発揮し、全社的なDX推進をサポートする姿勢が必要になるでしょう。
技術的スキル不足
DXを推進するためには、AIやデータ解析、IoT、クラウド技術など、先端技術を活用できる高度な人材が必要です。
しかし、日本国内では先進的な技術を持つIT人材が不足していることが大きな課題となっています。
全社的なDX推進には外部の専門家の協力を仰ぐとともに、長期的にDXを支える人材教育体制を構築することが求められます。
レガシーシステムの存在
多くの企業が直面するもう一つの課題は、古くから使い続けているレガシーシステムの存在です。
レガシーシステムは、老朽化や新技術との互換性の低さが問題となり、DX推進の障害となることが少なくありません。古い開発言語で構築されていたり、仕様書が存在しない、または担当者がすでに退職しているなど、モダナイズの難易度が高いケースも多いです。
DXを実現するには、既存のシステムを刷新するための計画的なアプローチや、段階的な移行が必要です。
セキュリティリスクの増加
DXを進めることで、デジタル化が進む一方、サイバー攻撃や情報漏洩のリスクも増加します。
特に、クラウドやモバイルデバイスを利用した業務が増えることで、セキュリティ上の脆弱性が拡大する可能性があるでしょう。
そのため、企業は適切なアクセス権限の管理やデータの暗号化といったセキュリティ対策を強化する必要があります。
また、セキュリティに関する従業員の意識向上や定期的なセキュリティチェックを実施し、組織全体でリスクに対応できる体制を整えることが重要です。
初期投資費用の増加
DXには多額の初期投資が伴います。システムの導入や人材育成、インフラの整備などには大きなコストがかかるため、その投資がどの程度のリターンを生み出すかを事前に見極めることが重要です。
特に中小企業の場合、無計画な投資は財務上のリスクを伴います。
投資回収計画を慎重に立て、継続的に成果を検証し、投資効果を最大化するためのアプローチが必要です。
業務プロセスの見直し
新しいデジタル技術を導入することは、従来の業務プロセスを見直す機会でもあります。
しかし、システムの導入が適切に行われず、業務フローが再設計されていない場合、新たなツールが業務を逆に複雑化させる可能性があります。
DXを実現するには、デジタル化に伴う業務プロセスの最適化が重要です。
新システムに適した業務フローを設計し、現場でのスムーズな運用を支援するためのトレーニングやサポート体制を整備するなど、企業全体での変革を受け入れる準備を整えることがDX成功への鍵となります。
DXを実現する6つのステップ
DX(デジタルトランスフォーメーション)を実現するには、段階的かつ体系的な変革が必要になるでしょう。
ここでは、DX推進を効果的に行う6ステップについて紹介します。
STEP①:目的・ビジョンを明確にする
DXの成功の鍵は、経営陣から従業員まで、全員が共有する明確な目標とビジョンを設定することから始まります。
ただ流行に乗るのではなく、企業として何を達成したいのか、DXを通じてどのような価値を創造するのかを明確にしましょう。
STEP②:現状を把握する
次に、組織の現状を正確に把握することが重要です。
社内の業務プロセス、ITインフラの状況、従業員のスキルなど、幅広い領域をカバーする分析が必要となるでしょう。
情報処理推進機構(IPA)の「DX推進指標」など、外部の自己診断ツールを利用するのも一つの方法です。
STEP③:組織体制の整備
現状の課題を把握できたら、次はDXを推進するための組織体制を整備しましょう。
DX推進チームの設置、デジタル技術に精通した人材の採用・育成など、組織全体が一丸となって変革を支える体制作りが求められます。
STEP④:適切なシステム・ツールの導入
DXに必要なシステム・ツールを選定し、導入します。
コストパフォーマンスや導入後の運用面を考慮し、企業の課題解決に直結する適切なシステム・ツールを選ぶことが成功の鍵となるでしょう。
STEP⑤:マイルストン設定・実行
企業におけるDX化の実現は、一度にすべてを変えようとすると逆効果になることがあります。
一気にすべてを変えようとせず、達成すべき小さな目標(マイルストン)を設定し、段階的に実行していくことが推奨されています。
STEP⑥:PDCAを繰り返す
システム導入から現場レベルの落とし込みまで完了したら、DX化した業務プロセスの効果を評価し、必要に応じて改善を重ねていきます。
このPDCAサイクルを繰り返すことで、DXは持続的な改善と成長を遂げることができるのです。
DX化のゴールはビジネスモデルの変革!戦略的に取り組もう
DXとは、ただ業務を効率化することを指すわけではありません。DXの最終的なゴールはビジネスモデルそのものの変革にあります。
少子高齢化の進む日本において、DXは避けては通れない課題です。
DXの実現が、従業員の働きやすさを向上し、深刻な人材不足問題に対する解決策ともなり得るでしょう。
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