Mattermostの便利機能5選:チームの生産性を高める使い方
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aslead編集部
こんにちは。aslead編集部です。
最新ソフトウェア開発のトレンドから、AI・DXツールの効果的な活用法、企業のITガバナンスの強化、業務効率化やDX化を成功に導くソリューションまで、幅広い記事を提供しています。
企業が直面する課題の解決策として効率的なツールの活用方法を探求し、生産性の向上に繋がる実践的な情報をお届けすることを目指します。
「社内のコミュニケーションをもっと活性化させたい」「チーム間の情報共有を効率化したい」「リモートワーク環境でのコラボレーションを強化したい」
このような課題を抱えている方は少なくないでしょう。特に昨今のハイブリッドワークの普及により、効率的なコミュニケーション基盤の整備は、多くの企業にとって重要な経営課題となっています。
本記事では、そんな現代のビジネス課題を解決するツールとして注目を集めているMattermostの便利機能を5つ厳選してご紹介します。これらの機能を効果的に活用することで、チームメンバー間のコミュニケーションがよりスムーズになり、業務効率の大幅な向上が期待できます。
Mattermostとは?
Mattermostは、企業向けに開発されたオープンソースのチャットプラットフォームです。直感的な使い勝手でありながら、高度なセキュリティ機能やカスタマイズ性の高さが特徴となっています。
特に、情報漏洩のリスクを懸念する企業にとって、オンプレミス環境での運用が可能なMattermostは、安全かつ効率的なコミュニケーションツールとして高い評価を得ています。また、APIを通じた外部システムとの連携や、豊富な拡張機能により、企業の既存システムとシームレスに統合できる点も、多くの企業から支持されている理由の一つです。
近年では、金融機関や医療機関、政府機関など、特に高度なセキュリティが求められる組織でも採用が進んでおり、ビジネスチャットツールの新たなスタンダードとして注目を集めています。
チーム生産性を高める5つの便利機能
①柔軟なチャンネル管理で情報を整理
Mattermostの強みの一つが、柔軟なチャンネル管理機能です。用途に応じてパブリックチャンネルとプライベートチャンネルを使い分けることで、効率的な情報管理が可能になります。
パブリックチャンネルは、全社的なアナウンスやプロジェクトの進捗共有、部署間の連携に関する議論など、広く情報を共有したい場合に適しています。例えば、「全社連絡」チャンネルで経営方針や重要な社内イベントの告知を行ったり、「プロジェクトA進捗」チャンネルでプロジェクトの最新状況を共有したりといった使い方が一般的です。
一方、プライベートチャンネルは、機密性の高い情報の共有や、特定チーム内での詳細な議論、人事や経理などの管理部門での利用に向いています。新製品の開発情報や、経営戦略の検討、人事評価に関する議論など、アクセスを制限すべき情報のやり取りを安全に行うことができます。
また、チャンネルのネスト構造を活用することで、より細かな情報の整理も可能です。例えば、「営業部」というメインチャンネルの下に「営業部_関東」「営業部_関西」といったサブチャンネルを作成することで、地域ごとの詳細な情報共有と、部門全体での包括的な情報共有を両立できます。
効果的なチャンネル運用のためには、明確なガイドラインの策定が重要です。チャンネルの命名規則、用途の定義、参加メンバーの基準、情報共有のルールなどを事前に決めておくことで、チャンネルの乱立を防ぎ、必要な情報に素早くアクセスできる環境を維持できます。
②スマートな通知設定で重要情報をキャッチ
Mattermostの通知機能は、個人の業務スタイルに合わせて細かくカスタマイズできます。この柔軟な通知設定により、重要な情報は確実にキャッチしつつ、不要な通知によって業務が中断されることを防ぐことができます。
キーワード通知機能は、特に効果的です。例えば、自分が担当する製品名や顧客名をキーワードとして設定しておくことで、関連する議論が行われた際に即座に気付くことができます。また、プロジェクトマネージャーであれば「緊急」「障害」「期限」といった重要度の高いキーワードを設定しておくことで、迅速な対応が必要な事態を見逃すリスクを低減できます。
チャンネル単位での通知設定も、業務の優先順位付けに役立ちます。例えば、自分が主担当のプロジェクトチャンネルは全ての投稿を通知する一方、参考程度に参加している他部門のチャンネルはメンションされた時のみ通知を受けるといった使い分けが可能です。
モバイルアプリとの連携も、Mattermostの通知機能の強みです。デスクトップアプリでの通知設定とは別に、モバイルでの通知条件を設定できるため、業務時間外は特に重要な通知のみを受け取るようにするなど、ワークライフバランスに配慮した運用が可能です。
③タスク管理機能で進捗を可視化
Mattermostのタスク管理機能は、単なるToDoリストの域を超えた、強力なプロジェクト管理ツールとしての性能を備えています。チームメンバー全員がリアルタイムで進捗状況を共有できるため、プロジェクトの遅延リスクを早期に発見し、適切な対策を講じることが可能です。
タスクの作成時には、担当者、期限、優先度、関連するドキュメントなど、詳細な情報を設定できます。特に便利なのが、タスクへのコメント機能です。タスクに関する質問や進捗報告、課題の共有などを、タスクに紐付けて行うことができるため、経緯や判断の根拠を後から確認することも容易です。
例えば、新製品のローンチプロジェクトでは、マーケティング施策の実施、営業資料の作成、技術サポート体制の構築など、多岐にわたるタスクを管理する必要があります。Mattermostのタスク管理機能を使えば、各担当者の進捗状況やボトルネックをリアルタイムで把握し、必要に応じて迅速なリソース調整を行うことができます。
また、定期的なタスクのテンプレート化も可能です。月次レポートの作成や定例会議の準備など、繰り返し発生する業務をテンプレート化しておくことで、タスクの作成・割り当ての工数を削減できます。
④ボット機能による業務の自動化
Mattermostのボット機能は、日常的な業務の自動化を実現する強力なツールです。特に、定型的な作業や定期的なリマインドなど、人手で行うには非効率な業務を自動化することで、チームメンバーの工数を本質的な業務に集中させることができます。
例えば、毎朝のスタンドアップミーティングでは、ボットが自動的に各メンバーに「昨日の成果」「今日の予定」「課題」を質問し、回答を集約してチャンネルに投稿するといった運用が可能です。これにより、ミーティングの時間を短縮しつつ、より実質的な議論に時間を使うことができます。
また、外部システムとの連携も、ボット機能の重要な活用シーンです。例えば、社内の勤怠管理システムと連携して、月末に未申請の勤務記録がある従業員に自動でリマインドを送ったり、CIツールと連携してビルドの成功・失敗を自動通知したりすることができます。
さらに、カスタムボットの開発により、より高度な自動化も実現可能です。例えば、社内の承認フローを自動化するボットを作成し、申請から承認までの一連のプロセスをMattermost上で完結させることもできます。
⑤シームレスなファイル共有と管理
Mattermostのファイル共有機能は、単なるファイルの受け渡しにとどまらない、統合的なドキュメント管理プラットフォームとしての機能を提供します。ドラッグ&ドロップによる直感的な操作性に加え、強力な検索機能やバージョン管理機能により、必要な情報への素早いアクセスと確実な履歴管理を実現します。
特に便利なのが、プレビュー機能です。画像ファイルはもちろん、PDFやOfficeドキュメントなども、Mattermost上で直接閲覧できます。これにより、ファイルをダウンロードして専用アプリケーションで開く必要がなくなり、特に急ぎの確認や移動中のレビューなどで効果を発揮します。
バージョン管理機能も、ファイル共有における重要な特徴です。同じファイル名で新しいバージョンをアップロードした場合、自動的に履歴が記録され、以前のバージョンにも簡単にアクセスできます。これにより、ドキュメントの変更履歴を追跡したり、必要に応じて過去のバージョンを参照したりすることが容易になります。
また、Mattermostの検索機能は、ファイル名だけでなく、ファイル内の文字列やファイルに関連するコメントなども検索対象とします。これにより、「あのファイルがどこにあったか分からない」という事態を防ぎ、必要な情報への素早いアクセスを実現します。
まとめ:Mattermostを活用したチーム生産性の向上
Mattermostの5つの主要機能は、それぞれが独立して価値を持つと同時に、相互に連携することでさらに大きな効果を発揮します。例えば、ボット機能によって自動生成されたタスクを、適切なチャンネルで共有し、関連ファイルを紐付けて管理するといった具合です。
これらの機能を効果的に活用することで、以下のような成果が期待できます:
- コミュニケーションの質と量の向上
- 情報の整理・検索時間の短縮
- タスクの進捗管理の効率化
- 定型業務の自動化による工数削減
- ドキュメント管理の効率化
ただし、これらの機能を一度に全て導入しようとすると、かえって混乱を招く可能性があります。まずは自チームの課題を明確にし、その解決に最も効果的な機能から順次導入していくことをお勧めします。
Mattermostは、単なるチャットツールではありません。適切に活用することで、チームの協働をより効率的に、より効果的にする総合的なプラットフォームとなります。本記事で紹介した機能を参考に、自社の環境に合わせたMattermostの活用方法を検討してみてはいかがでしょうか。
導入する際は、まず小規模なチームでパイロット運用を行い、その経験を基に全社展開のロードマップを策定することをお勧めします。また、定期的に利用状況を分析し、必要に応じてルールや運用方法を見直すことで、より効果的な活用が可能になるでしょう。