人事・総務でNotionを使いこなす:社内ポータルとオンボーディング事例

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aslead編集部
こんにちは。aslead編集部です。
最新ソフトウェア開発のトレンドから、AI・DXツールの効果的な活用法、企業のITガバナンスの強化、業務効率化やDX化を成功に導くソリューションまで、幅広い記事を提供しています。
企業が直面する課題の解決策として効率的なツールの活用方法を探求し、生産性の向上に繋がる実践的な情報をお届けすることを目指します。
はじめに:人事・総務部門の情報管理と引き継ぎでよくある課題
人事・総務部門では日々多くの社内情報を扱いますが、情報管理や業務の引き継ぎに関する課題が散見されます。例えば、社内規程や手続きの情報が各所に点在し、最新情報の周知に手間がかかるといった問題です。また、担当者個人のみにノウハウが蓄積される“属人化”により、担当者が異動・退職する際の引き継ぎが円滑にいかないケースも珍しくありません。これらの課題を整理すると次のようになります。
- 情報が散在・分断されている: 就業規則や福利厚生の案内、各種申請フローなどが紙のファイル、Excel、社内ファイルサーバ、メールなど複数の場所に保管されており、社員が必要な情報にたどり着きにくい。結果として人事・総務部門へ同じ質問が繰り返し寄せられ、対応負荷が高くなります。
- 情報更新や周知に時間がかかる: 人事制度の改定や新しい社内ルールの導入時に、全社員へ最新情報を周知徹底するのに手間がかかりがちです。古いマニュアルや通知メールが残っていると、どれが最新情報か分からず社員が混乱する原因にもなります。
- 業務手順の属人化・引き継ぎ不安: 年中行事の段取りや入退社手続きなど、担当者だけが知っている業務手順がブラックボックス化しがちです。その結果、担当交代時にノウハウが共有されず業務が滞るリスクがあります。特に新入社員の受け入れ対応(オンボーディング)は担当者の力量に頼る部分が多く、体系立てて共有されていない企業も多いようです。
以上のような課題を放置すると、社内オペレーションの非効率や社員体験の低下につながります。では、これらを解決するにはどうすればよいでしょうか。その鍵となるのが情報を一元管理できる社内ポータルの構築と、オンボーディングプロセスの見える化です。近年注目されるツール「Notion」を活用すれば、人事・総務部門の情報管理の悩みをまとめて解消できる可能性があります。本記事では、Notionを使った社内ポータルとオンボーディング事例をご紹介し、自社で再現するためのポイントを解説します。
Notionで実現する社内ポータルの整備
社内ポータルとは、社内のあらゆる制度や手続き、ナレッジを一か所にまとめて社員が閲覧できるようにしたWebサイトのようなものです。人事・総務部門が中心となり情報を整理・発信する「社内版ホームページ」とも言えます。Notionは社内ポータルの構築に非常に適したツールです。Wiki的にページを階層構造で管理でき、直感的なUIで誰でもコンテンツを編集・更新できるため、IT部門に頼らず人事・総務チーム自身で運用できます。「Notionを社内ポータルとして活用したら便利だった」という企業の声も多く、情報共有基盤としての有効性が注目されています。
社内ポータルで何が解決できるのか?
まず、社内ポータルを整備する目的と効果を整理しましょう。社内ポータルがもたらす主な効果は以下のとおりです。
- 情報の一元化: 社員が必要とする社内ルール・手続き情報を一か所に集約できます。これにより「どこに何があるか分からない」という混乱を防ぎ、社員自身が調べて自己解決しやすくなる環境を作れます。
- 最新情報の即時共有: Notion上で情報を更新すれば即座にポータル全体に反映されるため、最新の社内制度やお知らせを常に掲示できます。変更履歴も残るため、更新の追跡や担当者間の確認もスムーズです。
- 問い合わせ対応負荷の軽減: ポータルを見れば解決するFAQや手順書が充実していれば、社員から人事・総務への定型的な質問が減ります。結果として担当者の対応負荷が軽減し、本来注力すべき戦略業務に時間を充てられるようになります。
- 組織ナレッジの蓄積と継承: 業務マニュアルやナレッジがポータル上に蓄積されることで、個人依存から脱却し組織全体でノウハウを共有・蓄積できます。担当者が替わってもポータルを参照すれば業務を引き継げるため、属人化リスクの低減につながります。
Notion社内ポータルの構成例:どんな情報を載せる?
では具体的に、Notionで構築する社内ポータルにはどのようなコンテンツを載せれば良いでしょうか。以下は人事・総務系の情報を網羅したポータル構成例です。
- 会社トップページ(ホーム): 社内ポータルの玄関にあたるページです。会社概要やミッション・バリューの紹介、部署一覧、最新のお知らせ一覧などを掲載します。各種情報へのハブとして、詳細ページへのリンクをわかりやすく配置しましょう。
- 社内制度ハンドブック: 就業規則、勤怠ルール、福利厚生(休暇制度、手当、福利施設利用方法など)、評価制度、コンプライアンス指針など、社員が知っておくべき社内制度のまとめページです。従来PDFで配布していた社員ハンドブックをNotion上で閲覧・検索できるようにすると便利です。
- 手続きガイド(業務マニュアル集): 人事・総務手続きや社内手続きの具体的な手順書をまとめたページ群です。例として、「各種申請の手順」(経費精算、有給休暇申請、出張手配、備品購入申請など)、「トラブルシューティング」(PC故障時の連絡手順、社用携帯の紛失時対応など)のガイドを用意すると社員が自己解決しやすくなります。図解やスクリーンショット、関連リンクを交えて分かりやすく記載しましょう。
- 社内お知らせ掲示板: 全社員への通知事項や社内イベント告知、新ルールの導入発表などを掲載するお知らせページです。ブログ形式で新着順に投稿したり、月次の社報のようにまとめても良いでしょう。Slackなどのチャットで流れてしまう情報も、ポータルに蓄積してアーカイブすれば後から見返せます。
- FAQ(よくある質問集): 社員から人事・総務によく寄せられる質問とその回答を一覧にしたページです。例えば「○○申請書はどこからダウンロードできますか?」「慶弔休暇の申請方法は?」「社内システムのパスワードを忘れた場合は?」といった質問と回答を整理しておきます。FAQページを整備しておけば、問い合わせ対応時間の削減と自己解決の促進に役立ちます。
- 従業員名簿・組織図: 社員の基本情報や連絡先、所属部署が一覧できる社内名簿データベースや、最新の組織図を掲載することも可能です。人事システムからエクスポートしたCSVを貼り付けたり、プロフィール項目をデータベースとして管理しておけば、部署異動や新入社員入社時にも即時に更新できます。写真付きの名鑑にすれば社員同士の顔と名前の一致にも役立ちます。
- 各部署専用ページ: 必要に応じて、総務部門以外の各部署(営業、開発、カスタマーサポート等)が自分たちの情報を掲載できるスペースを用意してもよいでしょう。部署ごとの業務マニュアルや目標、ナレッジ共有の記事などを載せることで、全社的な情報共有プラットフォームとしてポータルが機能します。
→ ポータル構成は自社のニーズに合わせてカスタマイズできますが、上記のような内容を含めると、人事・総務に関する情報の大半はカバーできるはずです。社員目線で「こんな情報がまとまっていたら便利だ」という観点で洗い出し、Notion上に整理していきましょう。
ポータル運用のポイント:使いやすく継続的に更新する工夫
社内ポータルは作って終わりではなく、継続的な更新と改善が重要です。Notionならではの運用ポイントも踏まえ、社員にとって使いやすいポータルを維持するコツを紹介します。
- ナビゲーションを明確に: トップページにコンテンツへのリンクを分かりやすく配置し、アイコンや絵文字を活用して視覚的にアクセシビリティを高めます。目的の情報に3クリック以内で到達できる構造を目指しましょう。また、Notionのページリンクやデータベースビューを駆使して関連情報を相互に行き来しやすくすると効果的です。
- 検索機能の活用: Notionにはページ横断の検索機能が備わっているため、社員には検索の使い方も周知しましょう。キーワードで素早く社内情報を探せることは、ポータル活用を定着させる鍵になります。頻出質問はFAQページにまとめつつ、検索でもヒットするようキーワードを本文に盛り込むと親切です。
- 情報の鮮度管理: ポータル上の情報に更新日や担当者名を明記し、定期的に内容をレビューする仕組みを作ります。Notionでは更新履歴が確認できるため、内容のアップデート履歴を追いやすい利点があります。たとえば「社内制度ハンドブック」は年に一度、人事部で内容チェックを行う、といったルール化も有効です。
- 編集権限のコントロール: Notion Enterpriseプランでは権限管理が強化されており、部署ごと・ページごとに閲覧・編集権限を細かく設定できます。基本的に社員全員が閲覧可能としつつ、重要ページの編集は人事総務部内の限られたメンバーに許可するなど、情報の信頼性とセキュリティを担保しましょう。また、社員からのフィードバックを受け付ける仕組みとして、ページにコメント権限を与えるか、別途フォームを設置して更新要望を集める方法もあります。
- 段階的な導入と周知: いきなり全社ポータルを完璧に作ろうとせず、まずは「人事総務ハンドブック」や「FAQ集」など需要の高いコンテンツから着手すると良いでしょう。出来上がったコンテンツから社内告知し、社員の反応や要望を集めながら徐々に範囲を拡大していくことで、無理なくポータルを充実させられます。
以上のポイントを押さえれば、Notionを使った社内ポータルは社員にとって使いやすく、運用担当者にとって更新しやすい仕組みとして定着していくでしょう。
Notionで効率化する新入社員オンボーディング
次に、人事業務の中でも特に重要な新入社員のオンボーディングに焦点を当て、Notionを使って効率化・見える化する方法を見ていきます。新入社員にとって入社直後の体験は、その後の定着やパフォーマンスに大きく影響します。しかし、多くの企業では入社オリエンテーション資料が紙やスライドで渡されるだけだったり、担当者がマンツーマンで説明して回る非効率な運用になっていたりします。Notionを活用すれば、オンボーディングに関する情報提供と進捗管理を一元化し、関係者全員が状況を把握できる“見える”オンボーディングを実現できます。
オンボーディング情報の一元管理:ポータル化で迷子を防ぐ
新入社員向けの情報をNotion上に「新入社員ポータル」としてまとめることで、入社手続きから研修計画まで必要な情報を一元管理できます。例えば、ある企業では内定者(入社予定者)に対し、Notion上に専用ポータルページを作成して案内したところ、見るべき情報が集約され混乱が減ったという事例があります。具体的には、以下のような内容を新入社員ポータルに盛り込むと効果的です。
- 入社までの手続きリスト: 入社前に提出すべき書類(雇用契約書、身元保証書、マイナンバー提出等)や完了すべきタスク(社内システムアカウント登録、研修予習教材の閲覧など)をチェックリスト形式で掲載します。新入社員自身が完了状況をチェックできるようにすれば、自主的に準備を進められます。人事側もリアルタイムに進捗を把握でき、漏れがあればフォローが可能です。
- 初出社日の案内: 初日のスケジュール(集合時間、持ち物、当日のプログラム)や受付場所、担当者連絡先などを明記します。入社式やオリエンテーションの詳細が事前にわかれば、新入社員も安心です。Notionなら地図や写真も埋め込めるため、オフィスの入口写真や最寄駅からの道順マップなどビジュアルで伝えることもできます。
- 会社・部署紹介: 会社概要や沿革、経営理念の紹介ページ、配属部署の紹介、チームメンバーの顔写真入り名簿、メンターやバディの紹介コメントなど、新入社員が会社理解・組織理解を深めるためのコンテンツを用意します。動画メッセージを埋め込んで、社長からのウェルカムメッセージや先輩社員からの応援コメントを載せる工夫も可能です。
- 研修・OJT計画: 入社後の研修スケジュールやOJT計画をカレンダー形式やタイムラインビューで提示します。例えば、入社初週のオリエンテーション項目、1ヶ月目までに受講する研修一覧、3ヶ月間のOJT計画表などを時系列で表示し、新入社員自身が今後の予定を俯瞰できるようにします。Notionのカレンダービューやタイムラインビューを使えば視覚的にわかりやすく配置できます。
- ドキュメント集: 就業規則や入社手続きガイド、各種マニュアルなど、新入社員が読むべき資料へのリンク集を作ります。紙で配布していたものもNotion上で閲覧できるようにしておけば紛失の心配もなく、必要なときにすぐ参照できます。社内ポータルの該当ページへのリンクを貼っておき、新入社員ポータルがハブとなるようにするのがおすすめです。
このように情報を一箇所にまとめてポータル化することで、新入社員は入社前後に「何を見ればいいか」が明確になり安心感が生まれます。人事担当者側も「送った資料を見てくれたかな…」「あの案内メールちゃんと届いているだろうか…」と心配する必要が減り、双方にメリットがあります。
オンボーディング手順と進捗の「見える化」
Notionを活用すれば、オンボーディングの進捗管理もシステム化できます。ただ情報を渡すだけでなく、タスク管理の仕組みを取り入れることで、誰がどこまで完了しているかを一目で把握可能になります。
- チェックリスト・タスク管理: 先述の手続きリストや研修受講リストは、Notionのデータベース機能で作成すると便利です。例えば「項目名」「担当者」「期限」「ステータス(未着手・進行中・完了など)」といった項目を持つオンボーディングタスクリストを用意します。各新入社員用にフィルターをかけたビューを作れば、本人と人事双方が同じリストで進捗を更新・共有できます。人事担当は複数の新入社員の進捗を一覧でき、タスク漏れや遅延に早めに対応できます。
- スケジュール共有: オリエンテーション日程や研修スケジュールをカレンダー表示することで、当人も関係者もスケジュールを共有できます。研修担当講師や配属先の先輩社員にもNotionページを共有すれば、誰がいつ新入社員対応をするのかを全員が把握できます。変更があった場合も即座にアップデートされるため、最新スケジュールを各自確認可能です。
- オンボーディング進捗の見える化ダッシュボード: Notionの強みであるデータベースとビューを活用し、オンボーディング状況をまとめたダッシュボードページを作成することもできます。例えば「新入社員○名中○名が入社前手続きを全完了」「研修進捗○%」といった指標をグラフや数値で表示したり、未完了タスクのみをピックアップしたリストを置いたりできます。人事マネージャーはそのダッシュボードを見るだけで、全体状況を把握し適切なリソース配分やフォローを判断できます。
以上により、従来属人的だったオンボーディング対応をチーム全体で見守り支援できる体制に変えることができます。新入社員自身も、自分のやるべきことが可視化されていることで主体的・計画的に動きやすくなるでしょう。
Q&Aとフィードバックでオンボーディングを継続改善
オンボーディングプロセスをNotion上で運用する大きなメリットの一つが、新入社員との双方向のコミュニケーションを取り入れやすい点です。具体的には、質問対応やフィードバック収集をオンラインで完結でき、次回以降の改善に活かせます。
- 質問の受け付けと回答共有: 新入社員ポータル内に「質問コーナー」を設けたり、各ページにコメント機能をオンにしておくことで、新入社員は疑問点を気軽に質問できます。Notionのコメント機能を使えば、そのページ上で担当者が回答できるため、他の新入社員も含めてQ&Aを共有可能です。質問対応がメールやチャットの個別対応だと他の人には共有されませんが、ポータル上で行えば問い合わせ対応がナレッジ化します。
- FAQページの充実: 質問が増えてきたら、頻出するものを抜粋してFAQページに追記していきます。「入社前によくある質問」としてまとまったQ&A集があれば、新入社員はまずそれを見て自己解決を図るでしょう。実際にNotionでオンボーディングポータルを導入した企業でも、寄せられた質問を即時にQ&A集へ反映し、次の入社者に活かしているとのことです。このようにPDCAを回すことでコンテンツの質がどんどん向上し、問い合わせ自体も減っていく好循環が生まれます。
- フィードバックの収集: オンボーディング終了後に、新入社員から「ポータルは役に立ったか?」「追加してほしい情報は?」「オンボーディング全体の満足度」などのフィードバックをもらいましょう。Notion上でアンケートフォームを埋め込んだり、簡単な感想をコメントしてもらったりする形でも構いません。集まった声を基にコンテンツを改善し、次の新入社員受け入れに反映させることで、オンボーディング体験を継続的にブラッシュアップできます。
このようにNotionを使えば、新入社員への情報提供→質問対応→改善というサイクルがすべて一元管理できます。ある企業では「入社手続きのポータル化は成功です!見るべき情報がたくさんあると入社者は混乱するし、サポート側も大変。ポータルで一元化したことで双方が楽になった」と振り返っています。オンボーディングは一度作って終わりでなく、毎回改善していくもの。Notionを基盤にすれば、その改善サイクルを回しやすくなるでしょう。
既存の人事労務システムやチャットツールとの併用方法
社内ポータルやオンボーディングにNotionを活用すると言っても、「既に使っている他のツールとうまく棲み分けられるだろうか?」という疑問はもっともです。Notionはあくまで情報整理・コラボレーションプラットフォームであり、従来の専門システムやチャットツールを完全に置き換えるものではありません。ここでは、人事労務管理システムや社内チャットツールとNotionを使い分けるポイントについて解説します。
人事労務管理システムとの使い分け
勤怠管理や給与計算、社会保険手続きなどを扱う人事労務システム(HRIS)は、法定帳票の出力やワークフロー承認など専門特化した機能を持っています。これらは引き続き既存システムで行い、Notionは情報の取り扱い説明や結果の共有に用いる形が現実的です。
- 手続きの案内と結果の共有: 例えば、有給休暇の申請や残業申請は従来のワークフローシステムで行うとして、その申請方法やフロー図をNotionの手続きガイドに掲載します。社員はNotionで手順を確認し、実際の申請は専用システム上で行うという流れです。また、給与明細配布なども専用システムで処理しつつ、「給与明細は○○システムから各自ダウンロードしてください」とNotion上で周知するといった使い方ができます。
- データの一元閲覧: 一部の人事データをNotionに取り込んで見やすく整理することも可能です。例えば、組織図や社員名簿は人事システムからエクスポートしたCSVをNotionのデータベースにインポートし、写真やプロフィール情報を付加してわかりやすく提示できます。また社内アンケート結果や従業員サーベイの集計データをグラフ化してNotionに貼り付ければ、人事レポートの共有にも役立ちます。
- 権限管理とセキュリティ: 人事労務データには機密情報も含まれるため、Notion上には機微情報を載せすぎないのもポイントです。個人の給与額やマイナンバー情報などは従来システムに限定し、Notion側ではそれら詳細データへのアクセス方法や問い合わせ先を示すに留める、といった住み分けが考えられます。Notion Enterprise版ではIP制限やシングルサインオン(SSO)対応も可能なため、社内規定に合わせたセキュリティ設定を行った上で、安全に情報共有基盤として運用しましょう。
チャットツールとの併用・連携方法
SlackやMicrosoft Teamsといった社内チャットツールは、日常の業務連絡や気軽なコミュニケーションに欠かせません。一方で、リアルタイム性ゆえに情報が流れて消えてしまう弱点があります。Notionの社内ポータルとチャットツールを併用することで、「即時連絡はチャット、蓄積すべき情報はNotion」という使い分けが可能です。
- 通知と蓄積の使い分け: 例えば社内規程を改定した際、その周知はSlackの全社チャンネルで速報的に通知し、詳細はNotionの社内制度ハンドブックページを更新して参照リンクを付けます。こうすれば「まずチャットで知らせ、その後はポータルでいつでも確認できる」状態が作れ、重要情報の見落とし防止とアーカイブ化の両立ができます。
- チャットからNotionページへのアクセス: チャット内で業務手順や規程の話題が出たとき、「それはNotionの○○ページに載っていますよ」とURLを貼れば、他のメンバーも即座に詳細を確認できます。Notionのリンクはプレビュー表示も可能なので、チャットしながら必要情報をNotionで参照する流れがスムーズに行えます。また、Slackの場合はNotion公式連携アプリを使って、特定のキーワードでページを検索したり、更新を通知することもできます。
- 議事録や議論の集約: チャット上で決まったことやナレッジとなる議論は、Notion上に議事録ページやナレッジベースとして整理しましょう。ついチャットの履歴に埋もれてしまいがちな情報も、後でまとめてポータルに転記することで蓄積されます。人事総務部門なら、月次の全社朝礼での質問事項や回答をNotionにまとめておく、といった運用も有効です。
このようにチャットとNotionはリアルタイム連携しつつ補完関係にあります。双方の強みを活かして使い分けることで、社内コミュニケーションと情報管理の質が向上します。
その他のツールとの連携活用
Notionは他の各種ツールとも柔軟に連携・併用できます。埋め込み機能やリンク活用により、既存のITエコシステムに溶け込ませることが可能です。
- スケジュール・カレンダー連携: GoogleカレンダーやOutlook予定表の埋め込みを通じて、社内イベント予定をNotionポータル上に表示できます。人事部門の行事カレンダーや採用面接スケジュールなどを埋め込んでおけば、メンバーが予定を確認しやすくなります。
- ファイルストレージとの連携: GoogleドライブやDropboxのリンクを貼れば、関連ファイルにワンクリックでアクセスできます。例えば人事関連の様式集(Excel/PDF)をクラウドストレージに置いている場合、そのフォルダへのリンクをNotionにまとめておくといった使い方です。OneDrive上のOfficeファイルをNotionページに埋め込んで、Notion上でプレビュー・編集することも可能です。
- フォーム・アンケート収集: Notion公式のフォーム機能や、Googleフォーム等を埋め込んで社員アンケートを取ることができます。回収した回答をそのままNotionデータベースに蓄積することで、アンケート結果の分析から社内共有までワンストップで完結します。従業員満足度調査や入社後アンケートなどに活用できます。
- その他業務アプリとの統合: 最近のNotionは外部サービスとの連携が充実しており、Slack連携以外にも、TrelloやAsanaからのデータ取り込み、GitHubやZendeskとのリンクなど様々なインテグレーションが可能です。人事領域でも、応募者管理システム(ATS)やeラーニングプラットフォームとの連携を工夫すれば、採用から育成まで一貫してNotionで進捗を俯瞰することもできるでしょう。
既存ツールすべてをNotionに置き換える必要はありません。各ツールの得意分野を活かしつつ、Notionを情報ハブとして位置付けることで、社内のIT活用効率は飛躍的に高まります。
まとめ:まずは小さく始め、自社に合わせたNotion導入を
人事・総務部門でNotionを使いこなすことで、社内情報の一元管理による業務効率化、新入社員オンボーディングの質向上など多くの効果が期待できます。社内ポータルを整備すれば日々の問い合わせ対応に追われる時間が減り、社員も自己解決しやすくなります。オンボーディングを可視化すれば新入社員の不安を和らげ、定着率アップや戦力化の早期化にもつながるでしょう。
もちろん、新しい仕組みを導入する際には周囲の理解や慣れが必要です。しかしNotionは直感的に操作できるツールのため、社員からの抵抗も少なく受け入れられやすい傾向があります。まずは扱いやすい部分からスモールスタートし、たとえば「社内FAQページを作ってみる」「次の入社者からオンボーディングガイドをNotionで作成してみる」など、小規模なトライアルから始めてみると良いでしょう。実際に運用してみる中で、自社にフィットする形にカスタマイズしていけばOKです。
本記事で紹介した内容は再現性の高い事例とポイントですが、各社の業務フローや文化に合わせた調整も必要になります。「自社でもぜひ取り入れてみたいが、具体的にどう構築すれば良いか分からない」「Notionの導入から社員教育までまとめて支援してほしい」といったご要望がありましたら、ぜひお気軽に当社までお問い合わせください。Notion正規代理店として、豊富な導入支援実績をもとに貴社のDX推進をサポートいたします。まずは小さな一歩から、Notionを活用した社内ポータル・オンボーディング改革を始めてみませんか。担当者一同、皆様のお問い合わせをお待ちしております。