AI活用を全社展開するには何が必要か——Snowflake×Dataiku×NRIが示す最短ルート。JAL事例に学ぶ、全社で使えるデータ×AI基盤の作り方【セミナーレポート】

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aslead編集部こんにちは。aslead編集部です。
最新ソフトウェア開発のトレンドから、AI・DXツールの効果的な活用法、企業のITガバナンスの強化、業務効率化やDX化を成功に導くソリューションまで、幅広い記事を提供しています。
企業が直面する課題の解決策として効率的なツールの活用方法を探求し、生産性の向上に繋がる実践的な情報をお届けすることを目指します。
生成AIや基盤モデルの性能は、各社で大きな差がつきにくくなっています。一方で、Gartnerのグローバル調査では、企業の88%が何らかの形で生成AI・基盤モデルを導入しているものの、ビジネス上の成果を上げている企業は6%に満たないと報告されています。多くの企業が直面する「PoC止まり」の壁を越えるには、何が必要なのでしょうか。
2026年7月23日、野村総合研究所(NRI)はSnowflake、Dataikuとともに、特別セミナー「AI活用の民主化(全社展開)への最短ルート」を開催。本セミナーでは、Snowflakeのデータ基盤、DataikuのAI活用・民主化の仕組み、そしてNRIによる戦略・実行支援を軸に、AI活用を全社展開へ広げるための実践的なポイントが紹介されました。
さらに、日本航空株式会社様にもご登壇いただき、SnowflakeとDataikuを活用した具体的なユースケースや、実現までに直面した課題、その乗り越え方についてお話しいただきました。
本レポートでは、各講演のポイントを一部ご紹介します。

テーマ:さらなるAI活用のためのAI-Readyな基盤構築に向けて

株式会社野村総合研究所 AXイノベーションセンター aslead事業部 松浦 芳乃氏

多くの企業が「AI-Ready」になれていない、本当の理由
「先月、グローバルで特定のサプライヤーに支出した金額をすぐに答えられますか」「過去3年間のトップ10顧客への販売額と利益は把握できていますか」
これらの問いに多くの企業がすぐに答えられないのは、データが存在しないからではありません。課題は、部門やシステムごとにデータが分断され、経営判断に使える形でつながっていないことにあります。たとえば、製造部門と営業部門で異なるシステムを使っていれば、その状態でAIツールを導入しても、すぐに必要な情報にたどり着くことは難しいでしょう。松浦氏は、この「データの分断」こそがAI活用を阻む要因だと指摘しました。
単にAIツールを導入しただけでは、AI-Readyとはいえない
AI-Readyとなるための4要素
NRIの松浦氏は、AIを本格活用できる状態である「AI-Ready」を、単にAIツールを導入した状態とは明確に区別しました。AI-Readyとは、「人とAIが同じデータに信頼を持ってアクセスし、利活用できる状態」を指します。松浦氏は、この状態を実現するために必要な要素として、次の4つを挙げました。
- データの品質管理 — 複数の源流からデータを集め、整形し、AIに投入できる状態にする
- AI技術・ツール基盤 — 出口戦略を見据えた適切なAIサービス・ダッシュボードの選定
- 組織・人材・文化 — 業務設計と、現場社員がAIの価値を理解していること
- ガバナンス — 監査対応やデータ利用状況の可視化体制

多くの企業でAI活用が「PoC止まり」になる背景には、この4要素が揃わないままAIツールだけを導入し、期待した結果が出ないまま「AIは使えない」と判断してしまう構造があります。松浦氏は、AIツールの導入そのものではなく、データ品質、技術基盤、組織・人材・文化、ガバナンスを含めた基盤整備が重要だと強調しました。
こうした課題に対し、NRIではSnowflake・Dataikuと連携し、戦略コンサルタント、ITスペシャリスト、AIエンジニアの専門チームが一貫して伴走する体制を整えています。松浦氏は、こうした体制を通じて、多くの企業のAI-Readyな状態づくりを支援していると紹介しました。

テーマ:AI時代のデータ基盤:Snowflake – The AI Data Cloudの現在地

Snowflake 合同会社 パートナーソリューションエンジニアリング本部シニアパートナーソリューションエンジニア 髙橋 達矢氏

続いて登壇したSnowflakeの髙橋氏は、6月にサンフランシスコで開催されたグローバル年次イベント「Snowflake Summit」の様子を交えながら、同社の最新戦略を紹介しました。
今年のサミットのテーマは「Making AI Real for Business」 – ビジネスにおける AI 活用が現実となっているというメッセージです。また、基調講演では、「Agentic Enterprise」というキーワードも示されました。AIが企業データや業務システムの文脈(コンテキスト)を深く理解し、分析にとどまらず実際の業務アクションまで支援する。髙橋氏はこの変化を「System of InsightからSystem of Actionへ」と表現しました。

差別化の源泉は「データとコンテキスト」
GPTやGemini、Claudeといったモデルは、誰でも使える時代になっています。だからこそ、各社の差別化要素はモデルそのものではなく、業務システムやドキュメントに蓄積された、その企業固有のデータとコンテキストにあると、髙橋氏は指摘しました。構造化データと非構造化データ(音声・動画・文書)を横断し、精度高く検索・推論できる基盤を整えることが、AIを実業務に組み込む前提条件になります。この考え方は、前段でNRIの松浦氏が示した「AI-Ready」な基盤づくりともつながります。AI活用を全社に広げるには、モデルの性能だけでなく、社内に散在するデータをつなぎ、業務の文脈に沿って使える状態に整える必要があります。Snowflakeが語る「データとコンテキスト」は、AIを実業務に組み込むうえで欠かせない視点といえます。

Snowflake Summitの基調講演には、トムソン・ロイター、アンダーアーマー、サムスンといった企業が登壇し、AIを本番業務で活用する事例が紹介されました。なかでもトムソン・ロイターは、AI法務アシスタントを開発し、100万人を超える専門職が利用しています。髙橋氏は「もう実証実験ではなく、お客様は本番運用の中でAIを使っている段階に来ている」と強調しました。
データとコンテキストを、業務アクションにつなげる仕組み
髙橋氏は、AI活用が単なる分析や可視化にとどまらず、業務アクションまで支援する段階に進んでいると説明しました。その実現に向けてSnowflakeが重視しているのが、企業内にあるデータ、AIモデル、業務アプリケーションをつなぐ考え方です。
技術面では、大量の音声・画像・文書データを一括処理する「Cortex AI Functions」や、AIモデル、Snowflake上のデータ、Gmail、SAP、Salesforceといった業務アプリケーションを統合する「Agentic Control Plane」が紹介されました。これにより、AIはデータ分析にとどまらず、資料作成やメール送信、営業活動の準備まで支援できるようになります。
デモでは、SNS投稿のテキストや画像をAIが分析し、料理ジャンルの傾向まで抽出する様子が披露されました。構造化データに加え、画像や動画などの非構造化データも含めて活用できる点は、AI時代のデータ基盤としてのSnowflakeの特徴を示しています。

また髙橋氏は、Snowflake上に整備したデータを業務部門のAI活用へ広げるうえで、Dataikuとの連携にも触れました。Dataikuは5年連続でSnowflakeの「パートナー・オブ・ザ・イヤー」を受賞しており、次のセッションでは、その具体的な連携と活用方法が紹介されました。
テーマ:Dataiku + Snowflake データ民主化のその先へ 〜現場のビジネス専門家が自走するAI活用の新時代〜

Dataiku Japan株式会社 シニアパートナーセールスエンジニア 河原﨑 剛氏

Dataiku Japanの河原﨑氏は、「データ民主化のその先へ」をテーマに、AI活用をビジネス成果につなげるための考え方を紹介しました。
生成AIが登場した当初、多くの企業が「AIを業務に組み込めば生産性が上がる」と期待していました。しかし前述のとおり、実際にAI導入で成果を上げている企業は限られています。河原﨑氏は、成果につなげるためには「人」「オーケストレーション」「ガバナンス」の3つが重要だと説明しました。
- 人 — これまで属人的だったノウハウや業務判断のルールを、AIに正しく引き継ぐ
- オーケストレーション — 業務プロセス全体にAIを組み込み、どこを人が判断し、どこをAIに任せるかを設計する
- ガバナンス — 各部署が個別にエージェントを作ることによる統制不能なリスクを防ぐ
「基盤モデルの性能はどんどんコモディティ化していきます。これから重要になるのは、モデルにどんなコンセプトや文脈を埋め込むか、そしてエージェントをどう統制していくかです」と強調しました。

コードではなく「ビジュアルなフロー」で可視化する
Dataikuの特徴は、データパイプラインや機械学習モデルの構築プロセスが、すべてビジュアルな設計図として残る点にあります。近年注目されるコーディングエージェントは、要望を伝えればコードを生成してくれる一方、業務ユーザーがそのコードの妥当性を検証するのは容易ではありません。Dataikuでは、どのデータがどのように変換され、どのような結果が出たのかを、業務部門も含めて確認しながら構築できます。本番リリース前の承認フローも組み込めるため、ガバナンスを実務に落とし込みやすくなります。

Dataiku×Snowflake連携で、データ活用を業務プロセスに組み込む
DataikuとSnowflakeを連携させると、Snowflake上のデータを活用しながら、Dataiku上でデータ加工、分析、機械学習、エージェント活用までをビジュアルなフローで組み立てられます。Dataikuで定義した処理は、裏側でSQLが自動生成され、Snowflake上で実行されるため、データを移動させることなく、大量データを高速に処理できます。
さらに、Snowpark APIやSnowpark Container Services、Snowflake Cortex AI、Cortex Search、Cortex Analystとの連携にも対応しています。Snowflakeをデータ基盤として、Dataikuを業務プロセスの可視化・オーケストレーション基盤として位置づけることで、両者の強みを生かすことができます。

事例として、住友ゴムでは手作業で行っていたデータ連携・レポート比較を自動化し、異常データ検知や最適パラメータの自動計算で成果を上げています。また、Vポイント・マーケティングでは、約50名のデータサイエンティストがDataikuで生産性を向上し、自然言語でデータパイプラインを自動生成する新機能「Dataiku Cobuild(コビルド)」の活用に関する声も紹介されました。
日本航空様 事例紹介

本セミナーで特に関心を集めたのが、日本航空・JALデジタルによる事例紹介です。セッションの冒頭では、JALを支援するNRIの倉本氏が、JALとNRIの協業の歩みを紹介しました。

株式会社野村総合研究所 通信・サービスソリューション事業本部 倉本 和真氏

JALとNRIの6年間、データ基盤の変遷
JALとNRIは「どこかにマイル」などマイレージ領域での協業がよく知られていますが、NRIの倉本氏が担当しているのはデジタルマーケティング領域です。
JALとNRIはこの6年、デジタルマーケティング基盤を段階的に強化してきました。2020年にデジタルマーケティング領域の初期基盤を立ち上げた後、2023年にはDataikuを導入し、高度分析環境を整備。さらに2025年にはSnowflakeの活用を同領域にも広げ、大規模データをより柔軟に扱える基盤へと進化させています。
現在は、こうした基盤を活かし、AIによる顧客セグメンテーションの高度化に取り組んでいます。
倉本氏は、NRIの支援は「データ基盤を入れて終わり」ではないと強調します。基盤導入後も、Dataikuを使った機械学習によるデータ活用支援、業務部門横断でデータを使いやすくする「民主化(全社展開)」のためのデータソース整備、Streamlit(Pythonベースの画面UI)を使った業務効率化アプリの開発まで、継続に支援していることを紹介しました。
JALのデジタルマーケティング基盤のアーキテクチャ
倉本氏は、JALのデジタルマーケティング基盤について、複数の源流システムから集めたデータをCDPに蓄積し、分析・可視化を経て、メール配信やアプリ通知、Webサイトのレコメンドといった施策に活用する構成を紹介しました。
基盤の中核は、2020年から稼働する既存のデータ基盤から、より大規模なデータ活用に対応するSnowflakeへと段階的に移行しています。加えて、Dataikuによる機械学習分析やStreamlitを使った業務アプリを組み合わせることで、データを現場が使える形に整えてきました。
こうした基盤整備があったからこそ、JALは真にデータを活かせるようになり、機械学習やAIを使った高度な顧客セグメンテーションに取り組み、実際のマーケティング施策に生かす段階へ進むことができました。

テーマ:データ×AI活用と業務/システムの強固な共創

日本航空株式会社 Web販売部1to1マーケティンググループ主任 篠宮 奈央氏

複数のテーブルに散在するデータの課題
JALの篠宮氏によると、JALのAI活用は、一足飛びに始まったものではなく、まず取り組んだのは、AI活用の前提となるデータ整備でした。当初、JALのCDPには数百ものテーブルがあり、必要なデータを探し、抽出・結合するだけでも多くの時間がかかっていました。
そこでJALは、関連するデータを一つの「民主化テーブル」に統合し、誰もが使いやすい形に整備。あわせて、Web閲覧履歴をAIでタグ付け・クラスタリングする「WebTag趣味嗜好クラスタリング」にも取り組みました。こうしたデータ整備が、SnowflakeとDataikuを用いたAI活用の土台となりました。
AIによる顧客セグメンテーションの高度化
こうしたデータ整備を経て、JALはSnowflakeとDataikuを活用し、AIによる顧客セグメンテーションの高度化に取り組みました。初期段階では、Web閲覧履歴をもとにDataikuで趣味嗜好クラスターを作成し、顧客の関心領域を可視化。さらに、Snowflakeを含むCDP上の会員属性や搭乗履歴なども組み合わせることで、実際の施策で使いやすいセグメント抽出へと発展させました。
最終的には、マーケティング担当者がコンテンツ内容を自然言語で入力するだけで、AIが多数の顧客属性・趣味嗜好の組み合わせから最適なターゲットセグメントを提案する仕組みを構築。Dataikuで作成したクラスターやアプリ、Streamlitによる対象者選定・効果測定の仕組みを組み合わせ、SQLに頼らずマーケティング施策に活用できるようにしました。

結果:人間セグメントを上回ったAIセグメント
実際のマーケティング施策で、担当者が経験や過去の傾向をもとに設計した「人間セグメント」と、AIが提案した「AIセグメント」を比較した結果が紹介されました。
メールマガジン配信では、担当者が音楽フェス関連のカード決済履歴や該当路線の検索履歴などをもとに、対象条件を緻密に設計しました。一方、AIセグメントは、顧客属性や趣味嗜好の組み合わせから、コンテンツに反応しやすい層を自動で抽出しました。
その結果、メールマガジン、サイト内レコメンドのいずれにおいても、AIセグメントが人間セグメントを上回る成果を示しました。篠宮氏は、担当者が過去の傾向を踏まえて緻密に設計した条件をAIセグメントが上回った点を、「すごいところ」として挙げています。セミナー当日は、実際の効果を示す具体的な数値も共有されました。AI活用がマーケティング施策の成果につながることを示す、印象的な事例です。

意外な壁は「腹落ち感」
一方で、想定していなかった壁もありました。機械学習が導き出すクラスターは、担当者にとって馴染みがなく、直感的に理解しにくい名前になりやすいため、実務で活用するには「命名の難しさ」が課題になります。
JALはこの課題に対し、①クラスター数の微調整、②実務担当者が普段使う顧客セグメントの考え方の反映、という2段階で対応しました。「クラスターの命名に正解はない。実務観点を取り入れながら少しずつ乗り越えた」という言葉からは、技術だけでは解決できない実務上の難しさが伝わってきます。


JALデジタル株式会社 デジタルデリバリー部マイルライフグループ 渡邉 優宇人様

システムと業務、「ワンチーム」のつくり方
JALデジタルの渡邉氏は、業務部門とシステム部門が「発注・受注」の関係を超えて共創するためのポイントとして、次の3つを紹介しました。
- 目線を合わせる — HowではなくWhy(何のためにやるのか)から始め、KPIやCVRなど専門用語の定義を業務側とすり合わせる
- 全員参加型のプロジェクト推進 — あえて役割の境界線を曖昧にし、システム側も業務プロセス改善に踏み込む
- 点ではなく線での接点 — 定例やシステム障害時だけでなく、日常的な「フロアへの回遊」で現場ならではの課題を拾う

渡邉氏が強調したのは、システム部門は「依頼を受けるだけの開発・保守部門」ではないという点です。DXプロジェクトでは、まず「なぜこのプロジェクトを行うのか」「誰にどのような効果をもたらすのか」という上位目的を、業務側とシステム側でそろえることが重要です。
また、プロジェクト推進では、役割分担を明確にしすぎず、あえて境界線に余白を持たせることも大切だと説明しました。システム側は要件定義や開発だけでなく業務プロセス改善に踏み込み、業務側も仕様決定やテストに初期段階から関わります。こうした関係性があるからこそ、技術的な制約が出てきた際にも「どうすればできるか」を一緒に考えられます。
さらに渡邉氏は、定例会議や障害対応といった“点”の接点だけでなく、日常的に業務側のフロアへ足を運び、現場ならではの課題を拾うことの重要性にも触れました。こうした継続的な接点が、業務とシステムの共創を支えています。

JALデジタル株式会社 デジタル戦略部CX企画グループチーフ 豊田 瑛都様

新しいデジタル部門の姿
続いてJALデジタル戦略部の豊田氏は、こうしたワンチームの取り組みを一部の領域に閉じず、JALグループ全体に広げるための組織変革について紹介しました。かつてJALのデジタルIT機能は、JAL本体やグループ会社など複数の組織に分散しており、そのたびに調整や連携のコストが発生していました。
この課題に対し、JALは段階的な組織変革を進めてきました。その結果、JALデジタルは約1,300人規模のデジタル中核企業として、デジタル戦略の超上流から開発・保守までを一気通貫で担う体制を整えました。
一方で豊田氏は、JALグループ全体の未来を支えるには、内製だけでは量・質の両面でまだ足りない部分があるとも説明しました。そこで重要になるのが、JALの業務部門、JALデジタル、パートナー企業が重なり合う「三位一体の共創」です。AIやデータ活用を一部の成功事例で終わらせず、全社の競争力につなげるための組織づくりが進んでいます。

テーマ:SnowflakeとDataikuで「全社展開」につなぐ支援領域のご紹介

株式会社野村総合研究所 AXイノベーションセンター AIソリューション推進部 村田 輝行氏

最後にNRIの村田氏は、SnowflakeとDataikuのようなプラットフォームを導入しても、本番展開・全社活用に至らない企業は少なくないと指摘しました。その原因はプラットフォームそのものではなく、ツールの外側にある「業務適合性」「システム適合性」「運用・育成」の3つのギャップにあると説明しました。
- 業務適合性のギャップ — AIが高度化しても、現場の業務に合っていなければ価値は生まれない
- システム適合性のギャップ — PoCでは成果が出ても、本番システムに組み込む段階で連携制約や想定外の課題が発生する
- 運用・育成のギャップ — AIのアップデート速度に対し、システム運用や人材育成の体制が追いつかない
村田氏は、これらのギャップを乗り越えるには、戦略・システム・AIの専門性を分断せず、構想段階から本番運用・人材育成まで一貫して支援する体制が必要だと指摘しました。

さらに村田氏は、NRI自身がSnowflake・Dataikuを自社サービスで使い込んでいる点にも触れました。コネクションの一本化、データの早期フィルタリングといった標準化ルールを自社で厳格に運用しており、その知見を顧客支援にも反映しています。こうした実践知があるからこそ、PoCから本番への移行をスムーズに進められると説明しました。
最後に:技術は前提。鍵となるのは「現場への実装力」
今回のセミナーで繰り返し語られたのは、AIツールを導入するだけでは成果につながらないということでした。社内に散在するデータをつなぎ、AIが活用できる状態に整えることで、Snowflake・Dataikuのような技術基盤が実務上の価値を発揮します。
本セミナーには、オンライン参加を含め200名以上の方にご参加いただきました。なかでも、日本航空様の事例は参加者の関心も高く、AIセグメントが人間の経験知を上回った点に注目が集まりました。一方で、実務で活用するうえでは「腹落ち感」が課題になるという点も、現場のリアルな声として印象に残りました。
「AI-Readyな基盤構築」(NRI)、「データとコンテキスト」(Snowflake)、「人・オーケストレーション・ガバナンス」(Dataiku)、「ワンチームでの共創」(JAL)。各社の言葉は異なっていても、いずれもAIを現場で使える形にするための重要な視点です。AI導入はスタートラインに過ぎません。成果につなげるには、組織と現場を巻き込みながら、業務の中に実装していく必要があります。
NRIでは、戦略コンサルタント、ITスペシャリスト、AIエンジニアによる一貫した支援体制を提供しています。Snowflake・Dataikuを活用したデータ基盤整備やAI活用についてご相談がありましたら、野村総合研究所aslead事業部まで、お気軽にお問い合わせください。
本セミナーにご登壇いただいたDataiku様、Snowflake様、日本航空様、JALデジタル様に、改めて御礼申し上げます。




