データ化とは?具体例やメリット、デジタル化との違いを紹介

データ化とは?具体例やメリット、デジタル化との違いを紹介
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aslead編集部
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こんにちは。aslead編集部です。
最新ソフトウェア開発のトレンドから、AI・DXツールの効果的な活用法、企業のITガバナンスの強化、業務効率化やDX化を成功に導くソリューションまで、幅広い記事を提供しています。
企業が直面する課題の解決策として効率的なツールの活用方法を探求し、生産性の向上に繋がる実践的な情報をお届けすることを目指します。

現代のビジネス環境において、「データ化」と「デジタル化」は頻繁に耳にするキーワードですが、その違いや具体的なメリットを正確に理解している人は少ないかもしれません。

この記事では、データ化の具体例やそのメリット、デジタル化との違いについて分かりやすく解説します。

目次

データ化とは

データ化とは

データ化とは、アナログ情報をデジタルデータに変換するプロセスのことです。

これには、紙の書類をスキャンして電子ファイルにすることや、手書きのノートを文字認識ソフトでテキストデータに変換することが含まれます。

また、データ化は電子化とも呼ばれ、情報のデジタル化を通じてより効率的で管理しやすい形に変換することを目的としています。

データ化の具体例

データ化の具体例

データ化の具体例には、以下のものが挙げられます

  • 請求書、見積書、領収書などの電子化
  • 契約書の電子化
  • 会議資料、提案書、議事録などの電子化
  • 稟議書など社内資料の電子化
  • 申込書、申請書などの電子化

近年、請求書や見積書、領収書などのデータ化が進み、ペーパーレスなやり取りが広がっています。

電子署名を使用して契約を締結する電子契約書は、これまで紙への押印が必要だった契約手続きがインターネット上で完結するため、製本や郵送の手間を削減し、業務を効率化できるメリットがあります。

ほかにも、これまで紙媒体で管理していたさまざまな社内書類をデータ化する企業が増えています。

これにより、必要な情報へのアクセスが容易となり、利便性が向上します。

データ化が推奨される背景

データ化が推奨される背景

データ化が推奨される背景には、主に3つの要因があります。

  • テレワークの普及
  • SDGsの取り組み
  • 電子帳簿保存法の改正

2020年から流行した新型コロナウイルス感染症の影響で、多くの企業がテレワークを導入しました。
テレワークの場合、どこからでもアクセス可能なデジタルデータのほうが、紙の書類よりも業務遂行がスムーズになります。
例えば、自宅からでも迅速に見積書や請求書の処理ができ、契約書への捺印ができるため、業務効率化につながるでしょう。

また、データ化は、SDGsの一環としても重要な取り組みです。紙の使用を減らし、デジタルデータで管理することは、森林資源の保護やCO2排出量の削減に直結します。

さらに、電子帳簿保存法もデータ化が推奨される理由の一つです。
日本では1998年電子帳簿保存法が制定され、紙での保存が義務付けられていた国税関係の帳簿書類に対して、電子データ保存が認められました。
2022年1月の法改正により、電子取引が行われた書類や帳簿は電子データでの保存が義務付けられ、2年間の猶予期間を経て2024年1月より完全義務化されています。

データ化のメリット

データ化のメリット

データ化の主なメリットは、以下の通りです。

  • コスト削減
  • 環境負荷(CO2排出量)の削減
  • シームレスな情報共有
  • 業務効率化
  • 生産性向上
  • 災害時のリスク低減
  • スペースの有効活用
  • 紛失リスクの低減 など

ペーパーレス化によって紙の使用量を大幅に削減できるため、企業にとってはコスト削減を実現できるとともに、環境負荷の低減にもつながります。

また、データ化によって情報共有がしやすくなるのもメリットです。
検索機能により必要な書類を迅速に見つけられるため、作業時間の短縮と生産性の向上が期待できます。

さらに、デジタルデータはバックアップが容易な点もメリットだと言えます。災害時や紛失時のリスクを大幅に低減できるため、企業は経済的にも環境的にも持続可能な運営が可能となるでしょう。

データ化とデジタル化の違い

データ化とデジタル化の違い

データ化は、紙媒体を電子化することを意味する言葉です。
例えば、紙の書類をスキャンしてPDFファイルにしたり、ソフトウェアに入力し直したりすることが挙げられます。

一方で、デジタル化は、これまでアナログ手法に依存していた業務プロセスについて、デジタル技術を活用して自動化および効率化することを指します。

つまり、ただ単に紙の請求書を電子データとして保存するだけではなく、請求書の発行から送付、入金確認まで、従来のアナログ業務を一貫して変革するのがデジタル化の特徴です。

そして、デジタル化の先にあるものは、DX(デジタルトランスフォーメーション)です。

株式会社野村総合研究所(NRI)では、DXの定義を以下のように定めています。

DXとは、企業が、データとAIやIoTを始めとするデジタル技術を活用して、製品やサービス、ビジネスモデルそのものを変革するとともに、業務やプロセス、組織、企業文化、風土をも変革し、競争上の優位性を確立すること

出典:DX(デジタルトランスフォーメーション)| 用語解説 | 野村総合研究所(NRI)

DXは、企業の競争力を高めるための重要なステップであり、組織全体の変革を目指します。

データ化の具体的なやり方

データ化の具体的なやり方

ここからは、データ化の具体的なやり方を紹介します。

テンプレートへのデータ入力

WordやExcelで作成したテンプレートへのデータ入力は、特別な機器や技術を必要としないため、比較的容易に実現できるデータ化の方法です。
例えば、請求書や見積書のテンプレートを作成し、手元の紙書類を見ながら情報を入力します

データ入力は、中小企業や個人事業主にとって手軽にデータ化できる点がメリットですが、手間と時間がかかる点がデメリットです。
特に大量のデータを扱う場合は、作業者の負担が大きくなります

データスキャンによるPDF化

複合機やスキャナーを使って紙書類を読み込み、PDFにする方法は、物理的な書類を電子データに変換する基本的な手段です。
例えば、社内の会議資料や契約書をスキャンしてPDF化することで、デジタルデータとして保存し、いつでも閲覧できるようになります。

しかし、スキャンした画像の文字が読みにくくなる点や、PDFデータ内での文字検索ができない点はデメリットです。
そのため、PDF化した後にOCR技術を併用してテキスト認識を行うことが一般的です。

OCR・AI-OCRによるデータ化

OCR(光学文字認識)やAI-OCRを用いてデータ化する方法もあります。

OCRは基本的な文字認識技術であり、AI-OCRはさらに高度な認識精度を誇ります。
例えば、手書きのアンケートや紙の名刺をスキャンして文字データとして取り込むことが可能です。

最新のAI-OCR技術は、異なるフォントや手書き文字も高い精度で認識できますが、それでも文字認識の精度には限界がある点はデメリットです。
特に汚れがある紙書類や手書きの崩れた文字はエラーが発生することもあるため、事前にフォントや書式を整えることが、正確なデータ化の鍵となるでしょう。

外部サービスを利用する

大量の紙書類をデータ化する際は、アウトソーシングなどの外部サービスを利用することも検討しましょう。
例えば、数千枚の契約書や顧客情報を一度にデータ化する場合、専門業者に依頼するほうが、効率的かつ迅速に完了できることが多いです。

ただし、外部の業者にデータを預けることは、セキュリティリスクが伴います
特に、個人情報を含むデータを扱う場合は、厳格なセキュリティ対策が施された信頼できる業者に依頼しましょう。

データ化のデメリット・注意点

データ化のデメリット・注意点

データ化に取り組む際は、メリットだけではなく、デメリットや注意点も把握しておきましょう。

手動によるデータ化は非効率

手動でデータを入力するやり方は作業に時間と労力がかかるため、逆に非効率となる可能性があります。
業務効率化どころか、生産性を低下させる要因にもなるため注意が必要です。

例えばAI-OCR技術を導入することで、大量のデータ入力作業を迅速に行うことができます。
また、外部サービスを利用して一気にデータ化すると、その後の業務がスムーズになり、業務効率化を図れるでしょう。

データ化した文書の保存方法

ただ単に紙書類をデータ化するだけではなく、そのデータをどのように保存し、管理するかも重要なポイントです。不要なデータが膨大に蓄積されると、必要なデータを探すのに時間がかかり、かえって非効率になります

まずは、適切なファイル名の付与、フォルダ構造の整備を行いましょう。その後も継続的なデータの整理と定期的な見直しが必要です。

セキュリティ対策が必要

データ化に取り組む際は、セキュリティ対策を意識しましょう。

アクセス権限の設定や暗号化などのセキュリティ対策を講じることで、不正アクセスや情報漏洩を防止することができます。

また、バックアップ体制を整えることも重要となるでしょう。

デジタル化の取り組みが必要

企業の生産性向上を目指すには、データ化と並行して業務プロセス全体の見直しを行い、デジタル化への取り組みが求められます。

例えば、ワークフロー管理システムを導入して、データ化された文書の処理や承認プロセスを自動化すれば、業務のスピードアップを図ることが可能です。

データ化にとどまらず、デジタル化を目指すことで、業務全体の効率化と生産性向上が期待できるでしょう。

データ化・デジタル化におすすめのツール

データ化・デジタル化におすすめのツール

ここからは、株式会社野村総合研究所(NRI)のasleadが提供する、データ化・デジタル化におすすめのツールを紹介します。

Confluence

Confluence

Confluence」は、簡単な操作でドキュメントの作成と蓄積ができる企業向けwikiツールです。

ミーティングのアジェンダや議事録、プロジェクト計画書、要件定義書など、複数のテンプレートがあり、資料の作成にかかる時間を短縮し、簡単にデータ化することができます。

また、「スペース>親ページ>子ページ>孫ページ」など、情報を構造化して管理することも可能です。

これまで複数のファイルやフォルダで保管していたファイルをConfluenceに集約することで、マーケティング資料やマニュアル・手順書など、ナレッジやノウハウの蓄積ができます。

必要な情報にスムーズにアクセスできるため、必要な資料を探し回る時間を削減できるでしょう。

Miro

Miro

Miro」は、ホワイトボードに記載した内容を、そのままデータ化できるオンラインホワイトボードです。

従来のリアル会議では、重要なポイントはホワイトボードにマーカーペンで記載し、それをノートやPCで書き写すか、または写真に撮って保存するのが一般的な方法でした。

オンラインホワイトボードは、最初からオンライン上のキャンパスを用いるため、複数人で同時に編集することができ、作成したボードはそのまま保存したり、PDFで出力することも可能です。

MiroはシンプルなUIで誰でも使いやすく、その使い方は無限大です。

さまざまな機能性を備えているため、業務プロセスの効率化も強力にサポートしてくれるでしょう。

Elasticsearch

Elasticsearch」は、 データを一元的に格納し、超高速検索を可能にした検索・分析エンジンです。

様々な形式のデータを検索したり、組み合わせたりして扱うことができます。

昨今では、AWS(Amazon Web Services) やMicrosoft Azureのネイティブサービスとしても採用され、シェアを拡大しています。

「必要なデータを探すのに時間がかかる」「蓄積されたデータをうまく活用できていない」という企業のお悩みは、Elasticsearchで解決できるかもしれません。

aslead Search

aslead Search」は、ナレッジの共有と組織の活性化を実現するasleadのソリューションです。

Confluenceを活用し、既存システムの情報を組み込むことで、部署をまたいだ横断的な情報検索を可能としています。

また、最新の知識や知見をタイムリーに発信できる点も魅力です。

データ化・デジタル化はasleadにご相談ください

データ化やデジタル化は、現代のビジネス環境において不可欠なプロセスと言っても過言ではありません。

効率的にデータ化を行うことで、業務効率化、コスト削減、生産性向上、セキュリティ対策強化など、さまざまなメリットが期待できます。

しかし、データ化やデジタル化の実行には専門的な知識や技術が必要です。

asleadは、豊富な経験と最新の技術を駆使して、企業のデータ化・デジタル化をサポートしています。また、業務プロセス全体の見直しとデジタル化を通じて、さらなる効率化と生産性向上を実現します。

具体的な課題やご要望に応じて、最適なソリューションをご提案いたしますので、データ化やデジタル化に関するご相談は、ぜひasleadにお任せください。