生成AIとAIの違いとは?基本概念や分類、使い方をわかりやすく解説

生成AIとAIの違いとは?基本概念や分類、使い方をわかりやすく解説
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aslead編集部
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こんにちは。aslead編集部です。
最新ソフトウェア開発のトレンドから、AI・DXツールの効果的な活用法、企業のITガバナンスの強化、業務効率化やDX化を成功に導くソリューションまで、幅広い記事を提供しています。
企業が直面する課題の解決策として効率的なツールの活用方法を探求し、生産性の向上に繋がる実践的な情報をお届けすることを目指します。

生成AIとAIは、どちらも人工知能の一部ですが、その概念や使い方に違いがあります。

生成AIは、文章や画像、音声などのコンテンツを自動で生成する技術を指し、特にクリエイティブな分野での応用が注目されています。
一方で、一般的なAIは、決められた行為の自動化が主な目的であり、出力されるものは、数値データやテキストデータなど、構造化されたものが多いです。

この記事では、生成AIとAIの基本概念やそれぞれの強み、具体的な使い方についてわかりやすく解説します。

目次

そもそもAIとは

そもそもAIとは

AIとは、「Artificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)」の略称で、日本語に訳すと「人工知能」という意味を持ちます。
確立した定義はありませんが、「人間の知性行動をコンピューター上で模倣させる技術の総称」という意味合いで用いられることが多く、一般的に広く使われている言葉です。

その歴史は意外にも深く、「AI」という言葉は、1956年にアメリカの計算機科学研究者ジョン・マッカーシーによって初めて使われました。
Apple社のiPhoneに搭載されている音声認識アシスタントSiriの原型ともいわれる「ELIZA」も、1964年〜1966年にかけて開発されたものです。

現在では、AIは日常生活のあらゆる場面で利用されています。
前述のスマートフォンの音声認識アシスタントはもちろん、オンラインカスタマーサービス、車の自動運転機能などは、AIの代表的な活用事例です。

また、家電製品にもAIが活用されている事例は多くあります。
例えば、部屋を自動で綺麗にしてくれるロボット掃除機、部屋の温度を快適に保ってくれるAI調整機能付きのエアコンなどが代表的な事例です。

生成AIとAIの違い

生成AIとAIの違い

生成AIとは、「Generative AI:ジェネレーティブAI」とも呼ばれ、テキストや画像、動画など、さまざまなコンテンツを生成できる人工知能技術を指します。

AIと同様に厳密な定義はありませんが、「Generative」という単語には「生産または発生することができる」という意味があり、「さまざまなコンテンツを生成できるAI」または「さまざまなコンテンツを生成する学習能力があるAI」と言うことができます。

生成AIは、何かを生成するだけではなく、生成するために学習することができるのが特徴です。ユーザーからの質問や指示に応じて文章を作成したり、入力した新たなデータを学習して、より精度の高い文章を作成することも可能です。

一方で、従来からあるAIは「識別系AI」と呼ばれ、データの整理・分類を学習し、その結果に基づいて判別をしたり、予測や分析の結果を出力します。決められた行為の自動化が目的であり、新たなコンテンツの創造はしないことが大きな違いです。

それぞれのAIの特徴について、もう少し詳しく解説しましょう。

生成AI(Generative AI)

代表的な生成AIとして知られるは、アメリカのOpenAI社が2022年11月30日に公開したChatGPTです。

誰もが無料で利用でき、まるで人間と会話をしているかのような自然なチャット応答ができると話題になり、わずか5日で全世界におけるユーザー数が100万人を超えるという驚異的な記録を打ち出しています。

それ以降、生成AIはさまざまな分野で急速な発展を遂げています。

記事や文章を作成するだけではなく、物語を創作したり、リアルな写真風の画像を生成したり、アニメーションや結婚式のプロフィールムービーなどの動画を自動で生成することも可能です。

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認識系AI(Discriminative AI)

認識系AIとは、データやパターンを識別し、分類することに特化したAIの一種です。
画像認識や言語処理、感情分析など、入力されたデータを解析し、それが何であるかを認識することを得意としています。

例えば、スパムメールのフィルタリングや、入退室管理のための顔認証システムなどは、認識AIの活用事例の一つです。

データに基づいた正確な予測や分類を通じて、さまざまな業界で効率化と自動化を支援しています。

AIの分類パターン

AIの分類パターン

AIの分類パターンは、「生成AI」と「識別系AI」の2つだけではありません。
その機能や応用範囲に基づいて、さまざまな方法で分類されます。

ここでは、AIの代表的な分類を2つ紹介します。

強いAIと弱いAI

強いAI(Strong AI)とは、人間のような知能を持ち、自律的に思考し、問題を解決できるAIのことを指します。

人間の認知能力を完全に模倣し、理解や意識、いわゆる「心」をも持つとされていますが、現在の技術では実現不可能とされており、実現はされていません。

将来的に人間と同等、あるいはそれ以上の知能を持つ存在として期待されていますが、その実現にはまだ多くの技術的・倫理的な課題があり、「今後、強いAIを実際に開発できるかどうか」については、AIの開発に携わる学術機関やAI研究者たちの間でも議論が分かれています。
一方で、弱いAI(Weak AI)とは、特定のタスクや問題解決に特化したAIのことを指します。
現在広く実用化されているAI技術、生成AIや識別AIなどは、この弱いAIに分類されます。

弱いAIは、人間と同等の知性や心を備えているわけではなく、プロンプト入力などの指示が行われない限り、自発的に問題を処理することはありません。

特定の目的に応じて設計され、限定された範囲でのみ知能を発揮するのが弱いAIの特徴です。

特化型AIと汎用型AI

特化型AI(Narrow AI)は、特定のタスクや分野に特化して開発されたAIです。

特定の問題を効率的に解決するように設計されており、その分野においては非常に高い性能を発揮します。
生成AIや識別AIも特化型AIの一種で、顔認識システム、医療診断システム、ChatGPTもこれに分類されます。

特化型AIはその特定の用途においては非常に優れている一方で、他のタスクには対応できません。

一方で、汎用型AIは、特定の分野に限らず、さまざまなタスクを理解し、実行する能力を持つAIです。
人間と同等かそれ以上の知能を持ち、自己学習を繰り返して成長を続けていくAIとも言えるでしょう。

汎用型AIの実現はまだ研究段階にあり、特化型AIに比べて技術的な難易度が高いとされています。
汎用型AIが実現すれば、医療、教育、ビジネスなど、多岐にわたる分野で応用可能となり、社会に大きな影響を与えることが期待されていますが、現在の技術では実現されていないため、現在、汎用型AIに分類されるAIはまだありません。

生成AIの使い方・活用事例

生成AIの使い方・活用事例

生成AIの使い方や活用事例は、多岐に渡ります。

例えばビジネスシーンにおいては、以下のような活用事例があります。

  • ビジネスメール・各種資料の作成
  • 企画書・キャッチコピー等の作成
  • ブログ・コラム記事の作成
  • 外国語の翻訳
  • 音声の文字起こし
  • マーケティング分析
  • オリジナル画像・デザインの作成
  • オリジナル動画の作成
  • プログラミングの補完
  • ソースコードのデバッグ など

ビジネスメールや各種資料の作成、企画書の作成などの定型業務には、テキスト生成を得意とするAIを活用できます。
また、画像や動画などのコンテンツ作成にも、生成AIを活用できるでしょう。

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さらに、プログラミングの補完やソースコードのデバッグなど、開発現場で役に立つ生成AIもあります。

Cody

例えば、株式会社野村総合研究所(NRI)が日本初の正規代理店として提供している「Cody」は、最先端のAIコーディングアシスタントです。

Codyは、コードベース全体を理解し、コードの自動補完やチャットによる回答などを用いて開発現場の生産性向上を支援します
JavaScriptやTypeScript、Pythonなど、あらゆるプログラミング言語に対応し、設定ファイルやドキュメントにおいても自動補完をサポートする機能が備わっているため、開発現場のあらゆる業務を改善してくれるでしょう。

Eggplant

また、「Eggplant」も開発現場の支援に役立つAI自動化ソリューションです。
AIと機械学習を駆使することで、従来のツールとは比較にならないほど高品質のテスト自動化を実現してくれます

「自動テストではカバーできない部分があり、毎回手動テストが必要になる」「テスト結果の管理や分析が難しい」など、開発現場で起こる問題は、Eggplantの導入によって改善される可能性が高いです。

株式会社野村総合研究所(NRI)のasleadは、CodyおよびEggplantの導入サポートをご提案いたします。無料トライアルや初年度特別料金プランもご用意しておりますので、生成AIの活用にご興味があれば、ぜひご相談ください。

識別系AIの使い方・活用事例

識別系AIの使い方・活用事例.

識別系AIは、生成AIよりも以前より普及しているため、活用事例を目にする場面も多いでしょう。

  • 顔認識システム
  • 音声認識システム
  • 画像診断(医療)
  • 自動運転車
  • レコメンド機能
  • 文書管理(自動分類)システム
  • スパムフィルタリング
  • チャットボット
  • AIカスタマーサポート など

スマートフォンに搭載されている顔認識システムや音声認識システムも、識別系AIの一つです。
また、医療現場においても、画像診断に識別系AIを活用する事例が増えています。

生成AIとAIの違いを知って適切なツールを選定しよう

生成AIとAIの違いを知って適切なツールを選定しよう

生成AIとAIの違いを理解することは、ビジネスシーンにおける業務効率化や生産性向上に向けて、最適なツールを選定するために重要です。

特に生成AIは、文章や画像、動画などの新しいコンテンツを自動生成する能力を備えているため、企画やアイデアの補完、オリジナルコンテンツの作成において、強力なツールとなるでしょう。

また、開発現場における業務効率化には、プログラミング言語を理解してソースコードの作成やデバッグを補完してくれる、コード生成AIが有効です。

株式会社野村総合研究所(NRI)のasleadは、AIを活用した開発支援ツール「Cody」および「Eggplant」の導入をサポートいたします。
ほかにも複数の業務効率化ツールを用いて、企業が抱える課題に合わせて、最適な提案をさせていただきます。
AIツールを活用したITソリューションについては、ぜひasleadにご相談ください。