DevOpsに役立つツール10選!選び方やフェーズ別のおすすめを一覧で紹介
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aslead編集部
こんにちは。aslead編集部です。
最新ソフトウェア開発のトレンドから、AI・DXツールの効果的な活用法、企業のITガバナンスの強化、業務効率化やDX化を成功に導くソリューションまで、幅広い記事を提供しています。
企業が直面する課題の解決策として効率的なツールの活用方法を探求し、生産性の向上に繋がる実践的な情報をお届けすることを目指します。
DevOpsを実現するには、チームのコラボレーションを促進し、業務を効率化するためのツールが必要です。しかし、さまざまなDevOpsツールが存在するなかで、自分のプロジェクトに最適なものを選ぶのは容易ではありません。
そこで今回は、DevOpsに役立つツールを開発フェーズ別に厳選し、分かりやすく紹介します。
ツールの選び方や効率的な開発環境を構築するためのポイントも解説するので、DevOpsに取り組む開発現場の方は、ぜひ参考にしてください。
DevOpsツールの必要性
DevOpsは、「Development(開発)」と「Operations(運用)」を掛け合わせた概念で、開発チームと運用チームが密に連携することを目指しています。
DevOpsの実現により、リリースサイクルを短縮し、ソフトウェアの品質を高め、運用効率を向上させることが可能です。競争力のあるソフトウェアを迅速に提供できるようになるため、ビジネスの成功に貢献する重要なフレームワークとなります。
ただし、DevOpsを実現するには、組織全体がDevOpsの重要性を理解したうえで、開発担当と運用担当のコミュニケーション不足、プロジェクト管理の複雑性など、いくつかの課題をクリアしなければいけません。
そこで役立つのがDevOpsツールです。
DevOpsのライフサイクルに合わせて、開発フェーズに適したツールを導入することで、コミュニケーションの活性化やプロジェクト管理の効率化を図り、チームのパフォーマンスを向上させることが成功への近道となります。
DevOpsのライフサイクルとツールの役割
DevOpsのライフサイクルは、開発・運用をまたがる7~8つのフェーズで構成されています。
そのうち開発フェーズは、大きく分けて、以下の4つに分類できるでしょう。
DevOpsのフェーズ | DevOpsツールの役割 |
計画(要件定義・基本設計・詳細設計) |
|
実装(開発) |
|
テスト 【継続的インテグレーション(CI)】 |
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リリース(デプロイ) 【継続的デリバリー(CD)】 |
|
各フェーズごとに適切なツールを選択することが、DevOps実現の第一歩です。
ここでは、開発フェーズにおけるDevOpsツールの具体的な役割を紹介します。
計画
計画フェーズでは、要件定義や設計を行い、プロジェクトの方向性を決定します。
以下のDevOpsツールが特に役立つでしょう。
- コラボレーションツール
- ナレッジ共有ツール
- プロジェクト管理ツール など
ラボレーションツールとしては、ビジネスチャットツール、オンライン会議ツール、オンラインホワイトボードなどが挙げられます。
開発チームと運用チーム間のコミュニケーションや情報共有がスムーズになれば、コラボレーションが活性化するでしょう。
さらにプロジェクト管理ツールを使用し、タスクの進捗管理を効率化することで、プロジェクト全体の方向性を正確に維持しつつ、リソースの無駄を最小限に抑えることが可能です。
実装(開発)
実装フェーズでは、計画に基づいてソフトウェアの開発が行われます。
以下のDevOpsツールが役立つでしょう。
- ソースコード管理ツール
- AIコーディングツール など
Gitなどのバージョン管理ツールを使うことで、複数の開発者が同時に作業してもソースコードの整合性を保てます。
また、コーディング作業を大幅に効率化し、エンジニアの人材不足をカバーするには、AIコーディングなどの支援ツールが有効です。
テスト
テストフェーズは、開発されたソフトウェアが期待どおりに動作するかを確認する重要な段階です。
この段階では、次のようなDevOpsツールが有効です。
- テスト自動化ツール など
テスト自動化ツールを導入し、繰り返し行われるテストを自動化することで、エラーや人的ミスを防ぎつつ、作業時間を短縮できます。
また、次の開発工程であるリリース(デプロイ)を自動化するCIツールと組み合わせることで、テストプロセスが途切れなく進行し、品質が安定するでしょう。
リリース(デプロイ)
リリースフェーズでは、完成したソフトウェアを実際の環境で運用します。
この段階では、以下のDevOpsツールが有効です。
- CIツール(デプロイの自動化ツール) など
リリースプロセスを自動化することで、手動作業によるミスを防ぎ、デプロイのスピードを大幅に向上させることができます。
新機能や修正をユーザーに素早く届けることができるため、顧客満足度や市場での競争力が向上するでしょう。
DevOpsツールの選び方
DevOpsツールを選ぶ際には、プロジェクトの規模やチームの構成を考慮したうえで、目的に合ったものを見極めることが重要です。
続いては、DevOpsツールを選ぶときに確認したい4つのポイントを紹介します。
オールインワンかツールチェーンか
DevOpsツールには、すべての機能が1つのプラットフォームに統合された「オールインワン」タイプと、複数のツールを組み合わせて使用する「ツールチェーン」タイプの2種類があります。
それぞれの特徴を理解して、自分のプロジェクトに最適なものを選びましょう。
オールインワン | ツールチェーン | |
---|---|---|
メリット |
|
|
デメリット |
|
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オールインワンとツールチェーンは、メリット・デメリットを理解したうえで、プロジェクトの要件や予算に合った選択をすることが重要です。
クラウド・SaaS版かオンプレミスか
DevOpsツールの導入形態として、クラウド・SaaS型とオンプレミス型の選択も大きなポイントです。
それぞれのメリットとデメリットを理解して、自社に最適なものを選びましょう。
クラウド・SaaS型 | オンプレミス型 | |
---|---|---|
メリット |
|
|
デメリット |
|
|
クラウド・SaaS型とオンプレミス型どちらを選ぶかは、プロジェクトのセキュリティ要件や予算、柔軟性の必要度に応じて決定すると良いでしょう。
外部ツールとの連携
DevOpsツールを導入する際は、既存のシステムやツールとの連携のしやすさを考慮することも大切です。
例えば、SlackやMicrosoft Teamsなどのコミュニケーションツールと連携できれば、ワークフローが途切れることなく進行し、全体の作業効率を向上させることができます。
DevOpsツールのなかには、APIやプラグインを使って外部ツールと簡単に連携できるものもあります。
外部ツールとの連携については、必ず確認したいポイントです。
カスタマイズ性
DevOpsツールのカスタマイズ性も、選定時の重要なポイントです。
さまざまなプラグインを使用できるなど、プロジェクトやチームの成長に合わせて機能を拡張できるツールを選べば、初期導入後も柔軟に対応でき、長期間にわたって使用可能です。
特に、開発環境や要件が頻繁に変わるプロジェクトでは、カスタマイズ性に優れたDevOpsツールで、ニーズに合わせた環境を作り上げることが求められます。
DevOpsに役立つおすすめツール一覧【フェーズ別】
計画からリリースまでのDevOpsライフサイクルにおいて、ツールの選定はプロジェクトの効率化に直結します。
各フェーズで最適なツールを活用して、DevOpsを効果的に実現しましょう。
ここからは、DevOpsの各開発フェーズで役立つツールを紹介します。
1. Jira 【計画】
Jiraは、プロジェクト管理ツールとして非常に人気があり、世界中で65,000を超える企業が導入しています。
DevOpsの「計画」フェーズでは、プロジェクトの進捗を可視化し、タスクや要件の管理がスムーズになるでしょう。
Jiraの強みは、柔軟なカスタマイズが可能な点にあります。ワークフローやステータスの設定が簡単に変更できるため、プロジェクトの進行に応じた最適な管理ができます。
また、3,000種類以上のプラグインやアドオンを使った機能の拡張など、プロジェクトに合わせた柔軟な対応が可能です。
クラウド版とオンプレミス版の両方が提供されているので、プロジェクトの要件や自社の環境に合わせて最適な導入方法を選ぶことができます。
2. Miro 【計画】
Miroは、全世界で7,000万人以上が利用するオンラインホワイトボードです。
DevOpsの「計画」フェーズにおいて、チーム間でのリアルタイムなコラボレーションを実現します。
Box、Google Suite、Jira、Confluence、Slackなど、様々なツールと連携できるのもおすすめのポイントです。
リモートチームでもリアルタイムに情報共有できるため、ワークフローを効率化し、開発チームと運用チームのコミュニケーション促進に役立つでしょう。
3. GitLab 【実装(開発)】
GitLabは、ソースコード管理や継続的インテグレーション(CI)、継続的デリバリー(CD)など、DevOpsに必要なすべての機能を1つに統合したプラットフォームです。プロジェクト全体を一元管理し、各フェーズでの作業をスムーズに連携させることで、DevOps環境を強化します。
特にDevOpsの「実装」フェーズにおいて、GitLabはコードの管理とリリースプロセスを効率化するために欠かせないツールです。
クラウド版とオンプレミス版の両方に対応し、カスタマイズ性にも優れているため、プロジェクトの規模に応じて柔軟に使用できます。
4. Cody 【実装(開発)】
Codyは、AIを活用したコーディングアシスタントツールで、DevOpsの「実装」フェーズの効率化に役立ちます。PythonやJavaScript、Goはじめ、幅広いプログラム言語に対応し、リアルタイムでコードの自動補完が可能です。
AIによるコード補完はヒューマンエラーの防止に役立ち、品質の安定化と開発スピードの向上に最適です。
生成AIの選択や自作コマンドの登録など、高度なカスタマイズ性も備えています。
5. GitHub Copilot 【実装(開発)】
GitHub Copilotは、GitHubが提供するAI駆動のコーディング支援ツールです。
DevOpsの「実装」フェーズにおいて、開発者をサポートします。
コード補完やチャットベースの問題解決機能など、効率的なコーディングを支援します。
特に、GitHubを導入している開発現場では、重複作業や確認作業の無駄を削減し、迅速な開発と効率化を図れるでしょう。
6. Eggplant【テスト】
Eggplantは、AIと機械学習を活用したテスト自動化ツールで、DevOpsの「テスト」フェーズの効率化に役立ちます。
テストの全工程(テスト計画、テストケース設計、開発、管理、実行、結果分析など)にAIを導入することで、テストの自律性を高め、より効率的かつ正確なテスト実施を可能にします。
探索型モデルベースのテストで、バグ検出の精度が非常に高く、すべてのシステムやデバイスを自動でテストできる柔軟性も魅力です。
7. ATgo 【テスト】
ATgoは、次世代WEBシステムテスト自動化ソリューションとして、DevOpsの「テスト」フェーズに特化しています。
テスト作成から結果の検証までを効率化でき、短期間でのテスト実行を可能にします。
また、導入時の環境設定が不要で、パッケージダウンロード後すぐに利用できる点もメリットです。
8. GitLab Runner 【リリース(デプロイ)】
GitLab Runnerは、GitLabのCI/CD機能と連携し、ジョブの自動化と実行を管理するツールです。
DevOpsの「リリース(デプロイ)」フェーズで使用することで、ジョブの実行結果をGitLab上で簡単に確認でき、リリースプロセスを効率化します。
オープンソースで自由にカスタマイズ可能なのも魅力です。
9. Jenkins 【リリース(デプロイ)】
Jenkinsは、ビルドやデプロイを自動化するオープンソースの自動化サーバーで、1,790以上のプラグインにより、DevOps環境のあらゆるタスクに対応できます。
ビルド、テスト、リリース、デプロイに関連するタスクを自動化するほか、1,790ものプラグインがあり、拡張性が非常に高いのもメリットです。
10. Kubernetes 【リリース(デプロイ)】
Kubernetesは、コンテナの運用管理を行うためのオープンソースプラットフォームです。
スケーリングや自動デプロイを可能し、CI/CDプロセスと連携することで、リリースプロセス全体を効率化できます。
クラウドやオンプレミス、ハイブリッド環境で利用できる柔軟性も魅力です。
DevOpsツールの選定・導入はasleadにご相談ください
DevOpsの成功には、適切なツールの選定と導入が不可欠です。
しかし、豊富な選択肢のなかから、開発要件や自社に合った最適なツールを選ぶというのは、簡単なことではありません。
株式会社野村総合研究所(NRI)のasleadでは、ツールの選定から導入、運用までトータルサポートを提供しています。
DevOpsの導入でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。