開催レポート
成功事例、失敗談を3社が赤裸々にご紹介!
Miro×Atlassian×NRIが議論する、事業の成長に必須のアジャイルな組織とは。
「アジャイル」な組織は、変化に迅速に対応しながらビジネスを発展させ続けるために必要不可欠なものであり、
今後ますます重要性が高まっていくと考えられています。
一方、長らく続けてきた働き方や組織構成を変革することに苦労したり戸惑ったりして、なかなかアジャイルへの一歩を踏み出せない、
という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
本ウェビナーでは、アジャイルな組織・働き方を実現するために大事な考え方や具体的な方法・ツールについて、
Miro、Atlassian、NRIのそれぞれの専門家が、リアルな経験談や他では聞けない苦労話等を盛り込み講演させていただきました。
本記事では、講演内容をダイジェストでご紹介します。
下記Youtubeでは動画も公開しておりますので、是非ご覧ください。
イベントの詳細
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「アトラシアンの豊富な実績から探る、失敗を成功に繋げていくアジャイルな組織づくり。」
発表者:アトラシアン株式会社
野崎 馨一郎昨今、国内外においてアジャイルな組織の考え方が高まっています。経済産業省の「DXレポート(2022年7月)」では、 デジタルで収益向上を達成する特徴を「個別最適ではなく全社で」「継続的に実施する」「顧客思考を徹底する」というアジャイルにも共通する3つの観点で纏めており、 組織論としてアジャイルという考え方が高まってきていることが伺えます。
では、アジャイルな組織とはどのようなことでしょうか?
昨年創業20年を迎えたアトラシアン社は、「Jira」「Confluence」のプロジェクト管理ツールやコラボレーションの製品群の知名度が高いですが、 アトラシアン日本法人は「日本の組織・企業をアジャイル企業に!」との思いより、様々な製品群において製品拡大を進めています。
アトラシアン社ではこのアジャイルな組織を「徹底した顧客中心主義」と定義しており、 事業に関わる3つの組織機能である「開発」「運用」「ビジネス部門」の3つの部門が自立分散型で駆動することで、アジャイルを回しています。
具体的には、「ソフトウェア開発」「サービス運用とサポート」「ビジネスプロセス管理」の3領域において、自社が展開するツールを導入し、 IT部門以外のマーケティング部や他のビジネス部門など組織全体でアジェイルを実践しています。 しかし、ツールを導入しても部門の相違による社員の温度感が発生したり、ツール運用における共通認識や運用面でも課題が多くありました。
例えばタスク管理のチケット起票について、「起票タイミングが解らなかったり、手間がかかることがあるため、 起票の自動化対応をしましょう」といったような、組織における改善要望を発信しやすい環境づくりも必要と考えております。
アジャイルな組織への最適解は、企業の数だけある。ぜひ皆さまそれぞれの、組織のアジャイル化を実践してみませんか。
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Miroで実践する「アジャイルな仕事の進め方」
発表者:ミロ・ジャパン合同会社
宮津 一昌私たちが目指すアジャイルな働き方は、環境(ルール)とツールの仕組に分けて考えることができます。 環境面では「トライアンドエラー前提で失敗を恐れない」「done is better than perfect = 速さが命」、 またツール面では「状況が可視化されている」「声を上げ易く活動しやすい環境」という4点が必要と考えます。
このツール面において、コラボレーションツールのMiroがお役に立てます。 例えば、ビジネスで明確な答えなどなく何も確証がないといった状況では、失敗を恐れずトライする、 そして状況の可視化・透明性も保たれた環境である。これがMiroで実現できる世界です。
Miroは、オンラインで複数人が同時アクセスし共同編集が可能なワークスペースであり、 バーチャルオフィスやプロジェクトルームのように一体感を高める「働く場所」です。リモートワークや出社など、 その日の働き方で場所が違ってもMiroに集まれるため、ハイブリッドワーク時代でも取り残される人を作らないコラボレーション環境を提供します。
Miroは、部門・組織の垣根を超えたコラボレーションの促進やチームでのスピーディなコミュニケーションを叶えます。 オンライン会議で発言が苦手な方も、Miroのボード上の付箋に書き込み意見を発する事ができたり、 プロジェクトルームのホワイトボードをMiroへ置き換えることでリモート参加が可能になったりと、 プロジェクトルームのデジタル化も実現できます。
今回、Miroを活用したアジャイルな働き方について、製造業3社の導入事例を紹介しております。 各社様より「新しいアイデアを創出するには、自由に発信できる場が必要」「失敗を恐れなくなった」 「Miroは現在・過去の議論も全てボードに残すことが出来ので透明性の担保も可能となった」などの導入効果を伺いましたが、 各社様共通しているのは「組織の働き方が変わった」という点です。
ぜひ、Miroをベースにアジャイルな働き方を始めてみませんか。
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アジャイルはエンジニアだけのものじゃない!高速で価値を生み出し続ける、アジャイルな組織作りの体験談
発表者:株式会社野村総合研究所
森 一樹アジャイルはまだまだエンジニア部門の利用が多い印象ですが、 エンジニア以外でも活用できるアジャイルな働き方について野村総合研究所(NRI)の事例を用いてご紹介します。 アジャイルな組織の第一歩は「ふりかえり」と考えます。 アジャイルの強い組織の共通点は、自己組織化されている、レジリエンス(問題が起きた際に自立的に解決出来る)、 学習し続ける、この3つが実現できている事がアジャイルが上手く行っている組織の特徴です。 それらを継続するには、①目標目的を揃える②多様性を認め合い③関係性を作り続け④組織合った文化を作っていく ⑤これらを実施するにふりかえりをする、この5点を日常的に継続する必要があります。
では、これらの活動を実施するには、何から始めれば良いのでしょうか?まず、チームの中で今がどのような状態なのか、 どこが上手く行ってるのか、定期的に立ち止まり改善し続ける事が大切です。 ふりかえりは、チームビルディングと同様で「一度やっておしまい」ではありません。またSaaSも同様で導入すればおしまいでなく、 足りないものはSaaSで補うなど、アジャイルな強い組織を作っていくためには、ふりかえりを最大限利用することがポイントです。
私どものチームは、Miro・アトラシアン製品の販売やマーケティングといった事業企画から開発・運用まで、 また最上流~下流までのサイクルをまわしています。メンバーの中にはIT・アジャイル経験が無いメンバーも含まれておりますが、 「お客様を大事にする姿勢」、「お客様にとって一緒に歩いて行きたいプロダクトとそのチーム提供」というチームのマインドを持ち、 ふりかえり文化やSaaS活かしつつ日々アジャイルな働き方を実現しております。
例えば新メンバーが入った場合は、Miroを情報集約のダッシュボードとして活用しオンボーディングを実施したり、 開発フェーズにおいてはアイデア出しをMiroで行いバックログとしてJiraに連動する等、 SaaSを上手に使ったアジャイルな組織作りを推進しています。
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スピーカーによるパネルディスカッション
①AtlassiannとMiroの共通活用ポイントは「文字を書き込むこと」。文字の大切さをどのように考えますか?
· 会議で発言すると注目される、また言語化に慣れてない方は発言もし辛いなど心理的障壁がある。一方で、文章で書くことは、 書き直しが出来る点で、時間的障壁や心理的障壁も低くなる。また、記載内容が維持されることもメリットである(野崎)
· 文字コミュニケーションが非同期で行えることがメリットであるが、意見を汲みだす方法は音声でも付箋に記入でも良いと思う。 目的は、社員、メンバー、コラボレーションするパートナーなどの意見を汲みだし、それをみんなで共有し、そこから新しい何かを生み出す事が大事と考える(宮津)
②アジャイルの実践は、チーム単位では上手く行きそうだが、他のチームへ波及するのは難しい。日本で根本的に働き方を変えていくアプローチとは、どうのように考えますか?
· 日本人は外圧からの変化がないと変わらない傾向がある。3.11やコロナを含め、不可避のきっかけで変化を体験している。 今の成功体験が正しいと思わずに、若い層が組織・チームに入って来た時も、過去の成功拝見を 引きずらないカルチャーが大切と考える(宮津)
· 成功体験がポイントと考えており、変化に対し「今のままで良い」「今まで来れたのだから、変化はしんど い」と言ったネガティブな心理ではなく、変わると「こんなに楽しい」「メリットある」というような解像度を上げる必要があると考える(野崎)
· 文化を変えて行くには、トップダウンとボトムアップアプローチの両方が必要と考える。外圧と例えが出まし たが、上から「変えて行くそ!」というタイミングもあるが、徐々に変えて行くのは、下からの「変えて行きましょう!」 の両方の活用が大切と考える(森)
③アトラシアン製品やMiroを使うと、どのような世界観が来るのでしょうか?
· 徐々にフラットになって行くと思う。二つの製品に共通しているのはフラットにオープンなコミュニケーションをする事であり、 逆に階層構想で権力が上部に集中してるような環境では情報流通が上手くいかず、アトラシアン製品やMiroを使い倒すことは難しいと考える。 このようなツールが普及していくことで、フラットでオープンな世界が広がって行くと期待する(野崎)
· SssSサービスを利用することで、時間・場所や文化と言った障壁が無くなり、いつでもどこでも必要な情報に アクセス出来るようになる。将来はデバイスを含め、私たちが発想していないような、 意識してないような障壁をクリアする世界になるのではないでしょうか。(宮津)
· これまでは、オンラインとオフラインの溝があったと感じるが、今後はこの二つの距離感が縮まり、 オンラインにいてもオフラインで会話をしている、または、オフライン働いてもオンラインにいる、 同一空間にいるような世界感、働き方が出来ると思う。(森)