Columnコラム

サービスデスクの基本を解説。
導入メリットから活用事例まで

2022年1月28日

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システムやサービスが複雑化するなかで、ユーザからの問い合わせ対応の重要度が上がっています。そこで注目されているのが、問い合わせに一元的に対応する「サービスデスク」です。問い合わせ対応業務の効率化や、ユーザへのサービス向上(顧客満足度向上)などに効果があるとされ、改めて整備する企業が増えています。
本コラムでは、「ヘルプデスク」との違いや、サービスデスクとして担う役割や機能、そのメリットなどを解説するとともにNRIでの取り組み事例を紹介します。

問い合わせ対応だけではない、「サービスデスク」とは何なのか?

サービスデスクの役割と、ヘルプデスクとの違い

サービスデスクは主にシステムの利用について、ユーザからの問い合わせや各種申請に対応する窓口のことを指します。自社サービスの顧客を対象とした窓口、自社社員を対象とした社内システムに関する問い合わせを受け付ける窓口の両者が含まれ、その役割は大きく、「システムの不具合や不明点に対応し、トラブル解消へ導くこと」「各種申請を受け付け、必要な処理・手続きを実施すること」の2つに分けられます。
類似の存在に「ヘルプデスク」が挙げられますが、その違いは対応範囲にあります。ヘルプデスクは決まった問い合わせのみに対応して、対象外の内容を受け付けないのに対して、サービスデスクではあらゆる問い合わせを受け付け、関連部署と連携してクロージングするところまで担います。また、サービスデスクは問い合わせを受け付けるだけでなく、ユーザに必要な情報、役立つ情報などを能動的に発信する点も特長です。

サービスデスク2つのメリット、「サービスレベル向上」と「業務効率化」

サービスデスクのメリットとしてまず挙がるのが、ユーザへのサービスレベル向上です。ユーザは内容によらず、同じ窓口に問い合わせればよいため、“たらい回し”になることがありません。各種申請も、トラブルも、クロージングまで導くサービスデスクはユーザへのサービスレベル向上をサポートします。
一方、サービスデスク側にもメリットがあります。対応内容や拠点などによって問い合わせ窓口を分けるのではなく、すべてをサービスデスクに一元化することで、ナレッジの蓄積が可能になります。問い合わせ情報が集約されることで、過去の情報を参照しやすくなり、効率的な対応=業務効率化につながります。

サービスデスクの“設置場所”による4つの種類

サービスデスクは、「どこに設置するか」によって4種類に分類されます。

  • ローカルサービスデスク:ユーザの物理的に近い場所に設置するタイプです。例えば、国内の各拠点にサービスデスクを設ける場合などが該当し、現地対応が容易な点がメリットです。
  • 中央サービスデスク:サービスデスク担当者を1ヵ所に集めて対応するもので、本社やコールセンタに集約するイメージです。サービスデスクの人員最適化や情報共有が容易になります。
  • バーチャルサービスデスク:地理的に分散しているスタッフを、仮想的に中央サービスデスクのように見せる形を指します。スタッフの在宅勤務などにも対応可能です。
  • フォロー・ザ・サン:海外拠点を含めて、複数のサービスデスクを設置する方法です。24時間対応が可能になるため、グローバル企業などで多く採用されます。

ITILにおけるサービスデスクの位置づけとは

ITサービスマネジメントにおけるベストプラクティスをまとめたITIL(Information Technology Infrastructure Library)でも必要な要素としてサービスデスクが挙げられています。ITILでは、サービスデスクは専門組織である「機能」として位置づけ、ユーザからみたITサービスの一元窓口である「SPOC(Single Point Of Contact)」と定義されています。
また、サービスデスクでは、あらゆる問い合わせに一元的に対応するために、「インシデント管理」「問題管理」「変更管理」「構成管理」「リリース管理」など様々なITサービスマネジメントのプロセスと関わることが求められます。

NRI事例で解説する、サービスデスク導入で得られる効果

社内向け問い合わせ窓口の運用負荷が課題に

ここでは、サービスデスクの具体的な事例として、NRI社内での取り組みを紹介します。NRIでは、社内システムの問い合わせ先として、部署ごとに窓口を用意していました。そのため、情報を周知する際も、窓口ごとに対応しなければならず、運用負荷が高い上、窓口間での情報共有も難しく、「ある窓口で解決済みの内容なのに別の窓口に情報が伝わらず、対応に時間をかけていた」といったケースもあり、課題になっていました。

サービスデスクを整備し、効率的に対応できる体制を実現

そこで2年前に部署ごとの窓口を廃止し、一元的に対応するサービスデスクを整備、専用ツールとして「Jira Service Management」を導入しました。これにより、運用負荷の大幅な軽減、ナレッジの共有・蓄積が可能になり、社内で利用するシステムが増えても、人員を増やすことなく対応できています。
導入当初は「問い合わせ用ポータルが使いにくい」などの声も寄せられましたが、社員からの要望にあわせてわかりやすい構成を模索・改善。「困ったら、ポータルを見ればわかる」状況を実現することで、利用が定着しました。メンテナンス情報や新機能追加など各種アナウンスも1ヵ所で完結し、効率的な運用につながっています。

蓄積したナレッジを活かし、問い合わせせずに解決できるケースも

NRIではJira Service Managementと社内Wikiツール「Confluence」を連携し、ポータルはConfluenceをベースに作成しています。両者の連携により、Jira Service Managementの窓口から問い合わせをおこなう際に、入力した内容に該当するConfluenceのポータル内のドキュメントやFAQをサジェスト表示することが可能に。問い合わせ内容にマッチしたものがあれば、その場で自己解決できるため、「問い合わせしてから回答を待つ」リードタイムがかからず、スピーディな解決につながっています。また、サービスデスク担当者が回答する際も、蓄積したナレッジから問い合わせ内容に近いものを表示することで、効率的に回答できるようになりました。
そして、NRIのサービスデスクでは依頼内容ごとに回答までの目標時間を設定し(SLA)、問い合わせごとのページに表示しています。今まで管理できなかった回答期限の目安が明確になるほか、回答期限を超過した問い合わせのみを表示することもでき、回答の遅れを避け、より確実な対応をサポートしています。

お問い合わせ前に関連ナレッジからサジェスト表示する例

お問い合わせ前に関連ナレッジからサジェスト表示する例

サービスデスクに必要な機能をそろえた「Jira Service Management」

様々なシステムと柔軟に連携し、企業ごとの事情にあわせたサービスデスクを実現

Jira Service ManagementはAtlassian社が提供するITSM(ITサービスマネジメント)ソリューションです。サービスデスクで必要になる機能がそろっており、スムーズな問い合わせ対応・問題解決をサポートします。Webフォームからの問い合わせをベースに、メールでのやりとりにも対応、また、ITILに則った運用も実現できます。
サービスデスク担当者のライセンスのみで導入でき、問い合わせするユーザのライセンスは不要と、コスト面でも導入しやすいことが特長です。さらに、自動化機能を搭載し、「問い合わせの一次回答として決まった内容を送付する」「問い合わせ種別にあわせて、担当者に割り当てる」などの自動化も簡単に設定できます。各種Jira製品との連携はもちろん、豊富なアドオンによりMicrosoft Teamsなど様々な製品と連携し、企業ごとの事情にあわせた導入が可能です。

問い合わせに関する内部でのやり取りも一元管理できる「内部コメント機能」

もう1つJira Service Managementの便利な機能として挙げられるのが、内部コメント機能です。これは、ポータル内でのやり取りにおいて、問い合わせしたユーザに対しては表示しないコメントを投稿できるものであり、問い合わせ内容について、関係部署とやり取りする場合などに有効です。関係部署への確認は別途メールでおこなうケースが一般的ですが、これでは情報が分散し、回答の経緯がわからなくなってしまいます。情報をポータル内に集約することで、経緯を着実に追えるようになり、サービスデスクの業務を理解した、かゆい所に手が届く機能と言えるでしょう。

Jira Service Management の内部コメント機能

Jira Service Management の内部コメント機能

自社導入のノウハウを活かし、利用定着まで見据えた支援を

NRIでは、Jira製品をはじめとする様々なツール、システムとの連携を含め、Jira Service Managementの導入をサポートします。Atlassian Platinum Solution Partnerとして各種製品の豊富な知見、スキルを持つとともに、特別価格での提供が可能。このほかどこで躓くのか、なにがわかりにくいのか、どうすれば利用が定着するのかなどのポイントについて自社導入で培ったノウハウをベースにお客様の導入に併走します。

サービスデスクの導入支援なら、asleadにお任せください

asleadではJira Service Managementを活用したサービスの開発・導入実績を豊富に持っています。お客様に合わせた最適なご提案をさせていただきますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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