Columnコラム

テスト自動化のメリット・デメリット、
失敗しないための注意点を解説

2022年12月16日

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ソフトウェア開発におけるテストは、プログラムが正常に動作するか、バグはないか、セキュリティ上の問題ないかなどを確認するための大事な工程です。 しかし、テスト自体も人間が行う作業なので、ヒューマンエラーが起きてしまったり、作業の遅れが発生したりする場合もあるでしょう。 テスト自動化を取り入れることで、エンジニアの負担を軽減できるのはもちろん、正確性の向上を図ることが可能です。 そこで今回は、テスト自動化のメリット・デメリットや失敗しないための注意点について解説します。

テスト自動化とは

テスト自動化とは、テスト支援向けのツールを利用し、ソフトウェアテストにおける設計、実行、結果確認、レポート作成、進捗管理といった一連の工程の一部、または全てを自動化することを指します。

テスト自動化が注目される背景には、近年のソフト開発ビジネスの環境の変化が大きく影響しています。
従前のソフトウェア開発では、「ウォーターフォール」と呼ばれる手法が使われていました。
ウォーターフォール開発とは、「要件設定→外部設計→内部設計→コーディング→単体テスト→結合テスト→運用テスト→リリース」のように、順番通りに作業を進める手法です。
一つひとつの工程を完全に完了させてから次の工程に進むため、完成度が高いというメリットがある一方で、開発期間が長期化しやすく、仕様の変更がしにくいというデメリットがありました。

近年のソフトウェア開発では、より短期間でのリリースが可能な「アジャイル開発」という手法が取り入られるようになっています。
アジャイル開発とは、すべての開発工程を順番に進めるのではなく、機能単位で実装とテストを繰り返すスタイルで行われます。
開発単位を細かく分けることで、ユーザーの要望を素早く反映できるようになり、ビジネスチャンスを逃すことなくリリースできるようになりました。

しかし、アジャイル開発を進めるにあたって、最後にまとめてテストを行う従前のフローは適していません。
機能単位での継続的なリリースを行うためには、それに伴う頻繁なテストが必要です。
短期間で何度もテストを行う場合、手作業ではどうしても工数がかかり、ヒューマンエラーも起こりやすくなってしまうでしょう。

そのため、アジャイル開発において、テスト自動化は必須とも言える重要な要素なのです。

テスト自動化のメリット

テスト自動化には、主に以下のようなメリットがあります。

コスト削減と同時に品質向上

テスト自動化することで、アジャイル開発における作業工数を大幅に削減することができます。
作業時間の短縮によってコスト削減が期待できるのはもちろん、属人化を排除することで、テスト自体の品質や効率の向上にもつながります。

時間の制限を受けずにテストの実施が可能

マニュアルテストの場合、テストエンジニアが作業を行うのが一般的です。
しかし、エンジニアの勤務時間内にテスト作業を行わなければならないため、どうしても時間の制限を受けることになります。
テスト自動化を導入すれば、エンジニアの勤務時間に左右されることなくテストを実施することが可能となります。
休業日や終業後にもテストの実施ができるため、リリースまでの時間を短縮することができるのです。

ヒューマンエラーを防ぐ

アジャイル開発におけるテストをエンジニアが行う場合、短期間で何度も作業を繰り返すことになります。
いくら注意を払っていたとしても、ヒューマンエラーが発生する可能性はゼロではないでしょう。
一方、テスト自動化では、テストスクリプトに記載された作業が自動で忠実に実行されます。
そのため、作業頻度が高く、ヒューマンエラーが起こりやすいテストについては、自動化がしやすいと言えるでしょう。

複雑なテストの効率が上がる

複雑なテストや準備に時間がかかるテストについても、自動化が適しています。
テスト自動化を導入すれば、何度でも気軽に繰り返し実行できるため、複雑なテストであればあるほど、作業効率を高めることにつながります。

不具合を早期検出

CI(継続的インテグレーション)環境とテスト自動化を組み合わせて構築することも可能です。
プログラムのソースコードに改変が加わったことを検知し、自動テストが実行され、改変による不具合を即時に検知することが可能となります。

テスト自動化のデメリット

テスト自動化には数多くのメリットがあり、アジャイル開発とは切っても切り離せない関係です。
しかし、デメリットがないわけではありません。
テスト自動化を導入する際は、以下のようなデメリットを把握しておきましょう。

向き不向きの見極めが必要

テスト自動化は、すべてのテストに適しているわけではないため、見極めが必要となります。
例えば、プログラムの変更によって他の部分に影響が現れていないかを確認するリグレッションテストの場合、短期間で同じ作業を何度も繰り返し、ヒューマンエラーも起こしやすいため、自動化に向いていると言えるでしょう。
一方で、テストの手順が決まっていなかったり、実施する回数が少ないテストの場合は費用対効果が低いため、自動化には向いていない可能性があります。

一定のコストはかかる

テスト自動化を導入することで、作業時間の短縮によるコスト削減は見込めます。
しかし、自動化するためのツール導入費用など、一定のコストがかかることは理解しておきましょう。
そのため、自動化による作業効率化が低いテストを対象としてしまうと、導入コストのほうが高くついてしまうだけではなく、逆に作業量が増えてしまったということにもなり兼ねません。

運用・メンテナンスは必要

テスト自動化は、ツールを導入すれば終わりではありません。
継続して運用することで、その効果を最大限に発揮できます。
長期的に運用していくためにはテストコードの修正など、保守やメンテナンスが必要です。

※テスト自動化研究会では、テスト自動化を導入する前に留意しておくべき内容についてまとめた「テスト自動化の8原則」を公表しています。

  1. 手動テストはなくならない
  2. 手動でおこなって効果のないテストを自動化しても無駄である
  3. 自動テストは書いたことしかテストしない
  4. テスト自動化の効用はコスト削減だけではない
  5. 自動テストシステムの開発は継続的におこなうものである
  6. 自動化検討はプロジェクト初期から
  7. 自動テストで新種のバグが見つかることは稀である
  8. テスト結果分析という新たなタスクが生まれる

(引用:テスト自動化研究会 - テスト自動化の8原則)

テスト自動化においてどんな注意が必要なのかが分かりやすく説明されているため、導入する際は参考にしてみてください。

テスト自動化に失敗しないための注意点

テスト自動化は、上手に活用することでコスト削減や品質の向上、ヒューマンエラーの予防などにつながります。
その一方で、コストや作業負担が増えてしまう可能性もあるため、注意が必要です。
テスト自動化で失敗しないためには、以下のような点を押さえておきましょう。

導入する目的を明確にする

テスト自動化を導入するときは、目的や優先順位を明確にすることが大切です。
現状の課題を整理したうえで、自動化によって目的を達成できるのかどうかを、しっかりと検討しましょう。

テスト自動化の対象を限定する

ツールを導入すれば、魔法のようにすべてが自動化されるわけではありません。
前述の通り、自動化が向かないテストもあるので、何を対象とするかも明確にしておきましょう。

目的に合ったツールを選ぶ

テスト自動化を導入するときは、目的に合ったツールを選ぶことも重要です。 以下の点に注意して選ぶようにしましょう。

  • 適切な費用対効果が期待できる
  • マルチプラットフォーム対応
  • 導入作業、テストスクリプト作成が容易
  • CI/CDに組み込める
  • カスタマイズ可能
  • サポートが受けられる

おすすめのテスト自動化ツールATgo(エーティーゴー)の魅力

ATgoは、簡単かつ低コストで導入可能なテスト自動化ツールです。
WEBシステムのUIテスト及びAPI(REST/gRPC)テストを高度自動化することにより、品質向上、コスト削減を実現できます。
Windows、macOS、Linux、iOS、Androidと、マルチプラットフォームで主なブラウザを全てサポートしており、CI/CD統合も可能です。
ここからは、テスト自動化におすすめのツールATgoの魅力を紹介します。

日本語UI、日本語サポート

ATgoは、日本語でのGUIとマニュアルを提供していますので、初心者にとっても学習コストを抑えて利用を始めることができます。
また、ATgoの開発チームは日本在住チームで構成されており、日本語でのサポートを提供しています。迅速な問い合わせ対応によって取引先からも高く評価されており、より安心して導入することができます。

日本語UI、日本語サポート-1
日本語UI、日本語サポート-2

導入簡単、インストール不要

セキュリティルールが厳しい開発環境での利用を考慮して、ATgoは複雑な環境構築は必要なく、パッケージをダウンロードして解凍するだけで使用できます。

UIテストとAPIテスト機能一体化

ATgoは次世代WEBシステムテスト自動化ソリューションとして、WEBシステムのUIテスト及びAPI(REST API, SOAP, gRPC)テストを自動化することができます。
その他にも、ATgoにはDB操作やFTP操作、デスクトップ操作の機能も用意されており、様々なテストケースにおけるテストの高度自動化も実現可能です。

UIテストとAPIテスト機能一体化

ローコードのため、テスターとプログラマー両方にとって優しい

ATgoには、レコーディング機能が用意されています。レコーディング機能を利用することで画面の操作を行うと同時に、スクリプトが自動的に生成されますので、プログラミング経験がなくても、簡単にスクリプトを作成することができます。
また、ATgoのスクリプト構文は、とてもシンプルで読みやすく、短期間での修得が可能なため、テスターとプログラマー両方にとっても優しい設計となっています。コマンド自動補完機能及びコマンドに関するツールチップもあり、レコーディング機能を利用しなくても簡単にスクリプトが書けます。

ローコードのため、テスターとプログラマー両方にとって優しい-1
ローコードのため、テスターとプログラマー両方にとって優しい-2

マルチプラットフォーム、マルチブラウザ対応

ATgoはWindows、macOS、Linux、iOS、Androidとマルチプラットフォームに対応しています。また、IE、Edge、Chrome、Firefox、Safariといった主要なブラウザをサポートしており、クロスブラウザテストにも活用することができます。
各プラットフォームでサポートしているブラウザは以下の通りです。

プラットフォーム ブラウザ
Windows IE, Edge, Chrome, Firefox, EgdeのIEモード
macOS Safari
Linux ヘッドレスChrome
iOS Safari
Android Chrome

日本のSI現場に特化したエビデンス出力仕様

ATgoは日本のSI現場からのニーズに合わせて開発してきた経緯があり、他のツールと比べても、日本の開発現場に適したツールとなっています。
テストを実施する際には、画面のキャプチャ、HTMLソース、DBから取得したレコード、FTPで取得したログなどのエビデンスを自動で収集します。それらのエビデンスをファイルとして保存するのはもちろん、自動でExcelに貼り付けることもできます。

日本のSI現場に特化したエビデンス出力仕様

テスト結果自動検証が可能

ATgoはテスト結果の自動検証において、二つの自動検証方法を提供しています。
一つ目は新・旧比較機能で、レグレッションテストにおいては最適な手段と言えます。新・旧比較機能を利用することで、新しくテストを実施した際に収集した各種エビデンスと、前回テスト実施時に収集したエビデンスを自動的に比較して、レポートを出力します。このレポートでは、新しく実施したテストのエビデンスと前回のエビデンスに差分があるかを確認することができます。
二つ目はアサーション機能です。テストを実施すると同時に、画面上の項目が予想通りであるかどうかなどを検証することができます。テスト実施完了後には、アサーションレポートが出力され、アサーション結果を確認できます。

テスト結果自動検証が可能-1
テスト結果自動検証が可能-2

CI/CD DevOps対応

近年のシステム構築においては、「マイクロサービス」というアプローチが採用されることが増えてきており、単体テストの自動化はもちろん、連結テストも完全自動化する傾向があります。
ATgoはコンテナ環境を提供し、CI/CDに組み込むことができます。CI/CDを使用することにより、ソースコードの変更が発生するたびに自動でテストを行い、不具合を即時に検知することが可能になります。

CI/CD DevOps対応

リーズナブルな導入価格

世界中に広く知られているテスト自動化ツールと比べても機能面での遜色がなく、サポート体制も充実しており、リーズナブルな導入価格で提供しています。

バージョンアップ無料

ATgoは機能追加、不具合修正、新OS対応などに伴うバージョンアッププログラムを無償で提供しています。また、各ブラウザがバージョンアップされてから2週間以内に最新ドライバーも無償で提供しています。

テスト自動化ツールATgo(エーティーゴー)の導入に関するお問い合わせ

株式会社野村総合研究所(NRI)は、ATgoの販売代理店です。
NRI社内での利用実績に基づいた、豊富な知見・スキルをもとに、特別価格でATgoをご提供します。

https://aslead.nri.co.jp/products/atgo/

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