Columnコラム

ローコード開発とは?
メリット・デメリットや将来性
を分かりやすく解説

2023年9月1日

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近年、日本国内のIT市場は年々進化し続けており、ビジネスのデジタル化が進む中で、より迅速かつ効率的なアプリケーション開発が求められています。
このように企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を加速させる手段として、ローコード開発やノーコード開発といった、新しい開発手法に注目が集まっています。
この記事では、ローコード開発とは何か、メリットやデメリット、将来性について分かりやすく解説します。  

ローコード開発とは

ローコード開発とは

ローコード開発とは、ソースコードの記述量を最小限に抑えてシステム開発を行う手法のことです。
専用のプラットフォームやツールを用いることで必要最低限の記述で開発ができるため、作業工数を削減し短い開発期間で、高品質かつ安定したシステム開発を実現できます。

ノーコード開発との違い

ノーコード開発とローコード開発には、ソースコードの記述量に違いがあります。

ノーコード開発とは、言葉通りソースコードの記述をまったく行わない手法です。
プログラミング知識を有するエンジニアの手を必要とせず、ビジネスユーザーのみでも開発できるというメリットがあります。
ただし、ノーコード開発は専用のプラットフォームやツールに備わった機能の範囲内で開発を行うため、カスタマイズは難しく、自由度に欠ける点がデメリットです。

一方、ローコード開発は、エンジニアの作業量を大幅に削減しつつ、必要に応じてコーディングを行うことで、独自機能の追加といった高度な開発やカスタマイズが可能です。

ローコード開発が注目される背景

ローコード開発が注目される背景には、主に2つの理由が考えられます。

1つは、エンジニアの人材不足です。

経済産業省は、IT人材育成の状況について(※1)、2030年には40~80万人規模でのエンジニア不足が生じる懸念があると公表しています。
開発現場は業務多忙により人材育成が計画的・体系的に行われていないケースも比較的多く、若手社員の離職も問題視されています。
さらに、インターネットの黎明期にIT業界に就職したエンジニアたちが、2030年には引退を迎える年齢になることから、最大で80万人規模のエンジニアが不足するリスクがあると言われているのです。

※1:引用:経済産業省「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果

2つ目の理由は、よりスピーディーな開発、リリースが求められるようになってきたことが挙げられます。

近年、企業はDX (デジタルトランスフォーメーション)の推進により急速に変化するビジネス環境に対し、迅速かつ柔軟な環境変化への対応と企業変革が求められます。
あらゆる企業にとって、システムやアプリケーション開発のスピードアップが課題であり、昨今の開発現場では、これまでのように完成までに何年もの時間を要するシステム開発の需要は減少し、素早くリリースして柔軟に変更ができるアジャイル開発が主流となっています。
そこで、ITライフサイクル全体を加速させる手法の一つとして、コーディングにかかる作業工数を削減できるローコード開発やノーコード開発が注目を集めるようになりました。

ローコード開発のメリット

ローコード開発には、主に以下のようなメリットがあります。

開発期間の短縮・コストの削減

ローコード開発プラットフォームの多くは、必要最低限の簡素な記述のみでプログラムの構築が可能となっています。
作業工数が大幅に減ることで、開発期間の短縮はもちろん、これまでよりもエンジニアの人数が少なくて済むため、コスト削減につながるメリットもあります。

品質を一定に保てる

ローコード開発でエンジニアの手を必要とするのは、必要最低限のコーディングのみです。
人的ミスが軽減されるため、品質を一定に保つことが可能となります。
また、システム開発を外注している場合、社内で詳細を理解している人が誰もいないというブラックボックス状態に陥るリスクがあります。
ローコード開発プラットフォームは開発設計を可視化できるため、ブラックボックス化を防ぐことができるでしょう。

技術者以外の関与が可能

ローコード開発は、エンジニアだけではなく、ビジネスユーザーも開発、保守、管理に携わることが可能です。
ビジネスユーザーとエンジニアが共同で開発したり、ときにはビジネスユーザーだけで作業を行うこともできるため、より手軽かつスピーディーなシステム開発を実現できます。

既存システムとの連携が可能

ローコード開発プラットフォームは、既存システムとの連携が可能なものも多く、モナダイゼーション成功の鍵となると言われています。
モナダイゼーションとは、導入からかなりの期間が経過した既存の古いシステムをアップデートしたり、新しいシステムに置き換えたりすることです。
既存システムを長期間使い続けている場合、次第に最新デジタルテクノロジーとの規格が合わなくなる可能性は高いです。
特に導入から20年以上経過したシステムの場合、保守を担当するエンジニアが定年を迎える2025年以降に何らかの障害やトラブルが発生したり、保守管理費が高額になる可能性が示唆されています。(2025年の壁)
最低限の工数で技術者以外も携われるローコード開発は、既存システムのモナダイゼーションに適した手法として、導入する企業が増えているのです。

ローコード開発のデメリット

ローコード開発のデメリットは、通常のシステム開発と比較すると自由度が低くなることです。
何をどこまで自動化できるかは、どうしても導入するプラットフォームやツールの性能に依存してしまいます。
特に、UIやUXデザインに独自のこだわりがあったり、大規模で複雑なシステムの開発には不向きなこともあるでしょう。
そのため、ローコード開発ではプラットフォームやツールの選定がとても重要視されています。

ローコード開発ツールの選び方

ローコード開発を成功させるために重要なツール選びのポイントは、以下の通りです。

  • 目的に合っているか
  • 運用体制に適しているか
  • カスタマイズは可能か
  • セキュリティ対策が整っているか
  • サポート体制が整っているか

ローコード開発ツールを選定する際は、導入目的や運用体制に合うものを選ぶことが何よりも重要です。
例えば、社内で使用する基幹システムの開発と、市場にリリースするアプリケーションの開発では、必要な機能性が異なるケースが多いでしょう。
また、ツールのなかには操作が複雑で、初心者やビジネスユーザーには適していないものもあります。
せっかくのツールも使いこなせなければ意味がないため、ローコード開発に携わる人数や開発知識、技術レベルに合わせて、最適なものを選ぶことが大切です。
ほかにも、カスタマイズ性やセキュリティ対策はもちろん、何かあったときに問い合わせができるかどうかなど、サポート体制についても確認しておきましょう。

このような観点で比較した場合、ローコード開発ツールとして総合的な評価が高いおすすめのプラットフォームが「Mendix」です。
「Mendix」は、開発・運用ライフサイクル全体をオールインワンでサポートし、世界で4,000社以上で導入され、23万件以上のアプリケーション開発の実績を持つローコードプラットフォームです。
Mendixは、ドラッグ・アンド・ドロップなどのGUIベースの操作でソフト部品やデータ構造などを組み立てるように開発でき、そのほか、モバイルアプリ用コンテンツ、外部システム接続コネクター、サンプルアプリケーションなど、幅広い開発現場に対応できる機能が備わっています。
ビジネスユーザーとエンジニアの円滑な連携を実現し、要件定義や簡単な実装から高度な開発、カスタマイズまでカバーすることで、開発工数を削減するとともに、スピーディーで効率的な開発を可能とします。

Mendix

株式会社野村総合研究所(NRI)はMendixの正規代理店として、Mendixの特長であるモデル駆動開発(設計情報を登録することで、ソースコードを書くことなくシステムを開発することができる)を活用したサービス「aslead for Business」の提供を開始します。
本サービスは、スピード開発とシステムの変更容易性を確保することで、ビジネスのデジタル化を推進するとともに、業務改善のスピードの向上を目指します。

また、aslead for Businessでは、基幹システムやasleadのソリューション、SaaS、AIなどのクラウドサービスをMendixを用いて組み合わせることで、バックオフィス業務や非定型業務など、手間のかかっているにも関わらずシステム化が難しかった領域のデジタル化を迅速に実現することが可能です。また、技術の導入だけではなく、企業のデジタル化を推進するための人材育成も支援します。

製品の詳細は、こちらをご覧ください。

https://aslead.nri.co.jp/products/mendix/

ローコード開発の将来性

さまざまな業界・企業が注目するローコード開発は、その将来性にも注目が集まっています。
経済産業省は2018年のDXレポートにおいて「2025年の崖」問題を指摘するなかで、レガシーシステムの全面的な見直しや刷新を行わないままでいると、DXが実現できないばかりか膨大な額の経済損失(最大で12兆円)が生じる可能性に言及しています。
2025年の壁に向けた対策として、既存システムのアップデートや置き換えといったモナダイゼーションに取り組む企業も増え始めるなか、ローコード開発が今後のスタンダードな開発手法となる可能性も示唆されているようです。

ローコード開発プラットフォームの需要は世界規模で高まり、市場規模も拡大しています。
ガートナーの予測では、ローコード開発は、2024年までにアプリケーション開発全体の65%以上を占めると予想しています。(※2

日本でも、経済産業省が推進するDX(デジタルトランスフォーメーション)推進と合わせて、企業は、ビジネスをより活性化させるための業務アプリケーションを広範かつ迅速に開発するツールとして、ローコード/ノーコード開発プラットフォームに注目する企業が増えています。今後もその将来性は高いと考えられるでしょう。

ローコード/ノーコード開発市場規模推移および予測(2020~2026年度予測) ローコード/ノーコード開発市場規模推移および予測(2020~2026年度予測)"ローコード開発とは"

※2:(出典) ガートナー『Magic Quadrant for Enterprise Low-Code Application Platforms』By Analyst(s): Paul Vincent, Kimihiko Iijima, Mark Driver, Jason Wong, Yefim Natis 2019年8月8日発行

ローコード開発およびMendixに関するお問い合わせ

深刻な人材不足の解消、開発期間の短縮、コスト削減など、さまざまなメリットがあるローコード開発は、今後ますます需要が高まることが予想されています。
大手企業が取り組みを始めるモナダイゼーションにも役立つツールの一つです。

ただし、ローコード開発は導入するプラットフォームに依存しやすいため、ツールの選定は慎重に行うことが大切です。
NRIは、これまでの ローコード活用実績をもとに、コンサルティング・システム設計・開発・運用をワンストップサービスで 提供いたします。
また、技術の導入だけではなく、企業のデジタル化を推進するための人材育成も支援します。
Mendixの正規代理店として、日本語サポート窓口を用意しているため、海外製品の取り扱いも安心です。

ローコード開発およびMendixに関するお問い合わせは、NRIまでお気軽にお問合せください。

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