Columnコラム

Mattermost(マターモースト)とは?
特徴や使い方、
Slack(スラック)との違いを解説

2022年10月14日

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ビジネスチャットツールと言えばSlack(スラック)が有名ですが、SlackとUIが似た「Mattermost(マターモースト)」というツールも存在します。
そこで今回は、Mattermostとはどんなツールなのか、特徴や使い方、Slackとの違いについて解説します。
株式会社野村総合研究所(NRI)が自社導入で成果をあげた活用事例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

Mattermost(マターモースト)とは

Mattermostはオープンソースのチャットツールで、セルフホスティングでも、クラウドサービスとしても利用できます。
SaaSのチャットツールであるSlackの代替プロダクトとして利用することができ、使い方もSlackに似ているため、Slackを使用したことがあれば同じような感覚ですぐに使えるでしょう。
また、オープンソースのMattermostはカスタマイズなどの自由性があり、導入コストを抑えられる点も優れたポイントと言えます。

Mattermost(マターモースト)の特徴

Mattermostには、以下のような特徴があります。

Cloud版・Self-Managed版がある

Mattermostには、Cloud版とSelf-Managed版があります。
Cloud版には導入費用を抑えることができる、申し込みをしてすぐに使用することができるといったメリットがある反面、カスタマイズが自由にできない点はデメリットと言えます。
一方、Self-Managed版は、導入コストはCloud版と比較すると高くなる点はデメリットといえますが、オンプレミス環境で使用できるためカスタマイズなどの自由性が高く、自社サーバーの限られた空間での運用が可能なので、重要なデータを外部に晒すことなくセキュアなチャットシステムが構築できます。

無償版と有償版がある

Mattermostには、無償版の「Team Edition」と、高機能性を備えた有償版の「Enterprise Edition」があります。
無償版と有償版の機能の違いなどの詳細は、こちらをご覧ください。 

https://aslead.nri.co.jp/products/mattermost/price.html

NRIでは、NRIが用意する基盤にMattermostを構築した状態で、1ユーザ月額500円~ご提供しています。 またMattermostの有料プランについても、Slackの概ね半額の価格で利用することができます。 ※価格の詳細については、お問い合わせください

Slackライクで使いやすい

Mattermostは、UIや使い方もSlackに非常に似ています。
Slackに搭載されている以下の機能は、ほぼ同じように使うことができます。

  • チームやプロジェクトごとにチャンネルを作成する
  • チャンネル内をキーワード検索する
  • リプライ機能でチャットでの会話を抽出する
  • 履歴検索やメッセージ編集で情報を整理する

など

Web版・アプリ(Windows・iOS・Android)対応

Mattermostは、以下の環境に対応しています。

  • Web版
  • Windows版
  • iOS版
  • Andoroid版

Mattermost は、デスクトップアプリだけでなく、モバイル向けアプリを公式に提供しています。
これを使えば、外出先でもマルチデバイスで利用できるなど、コミュニケーションの効率化とともに業務効率もさらに向上させて、働き方を変えていくことができます。

カスタマイズも可能

オンプレミス環境で使用するSelf-Managed版のMattermost は、自社の環境やセキュリティポリシーにあわせた柔軟なカスタマイズが可能です。
そのため、コストをかけずに小さく始めることも、ユーザ認証にLDAP*を使ってPoC(概念実証)導入し、小さく成果を確認することもできます。

*LDAP(Lightweight Directory Access Protocol):ユーザやコンピュータの情報を集中管理する「ディレクトリサービス」へのアクセス時に用いられるプロトコル

ケーススタディから見るMattermostの使い方

Mattermost は、高いユーザビリティとともに大規模利用に耐えうるスケーラビリティ機能を持ち、オンプレミス対応の高いセキュリティとOSSによる柔軟なカスタマイズ性が、大きな魅力のビジネスチャットツールです。
この特性と実績からNRIでも自社のプロジェクトでMattermostを積極的に採用しており、その導入状況はアクティブユーザ数が8,300以上、月間アクティブユーザ率は90%を超えています。
ここでは、Mattermostを活用したNRI内での業務改善事例をいくつか紹介します。

大規模プロジェクトで朝会/ 夕会を削減し、業務を効率化

導入前、NRIではExcelでプロジェクトの障害(発生課題)を管理し、その日の進捗報告や状況の確認会などは、朝夕のオフライン会議で実施していました。
そのため、関係者(特に有識者)全員が集まる必要があり、担当の割当・初動・対応が迅速に行えないなど、プロジェクトの規模が大きくなればなるほど非効率性が課題となっていました。
これに対してNRIでは、MattermostとAtlassian社製のブロジェクト管理ツール「Jira Software」を組み合わせ、その連携機能を活用して管理をJiraに集約。
一方で、新規・更新情報をMattermostに通知することで情報共有を迅速化させ、プロジェクト管理業務の効率を向上させました。
これにより、障害発生の都度、その場で担当割当が可能となっただけでなく、対応開始までの時間も短縮され、情報共有のための時間(朝会/ 夕会)が不要となっています。

情報の見え方を統一し、ヘルプデスク運用担当者の業務負荷を軽減

ヘルプデスクでは、メールで申請などの通知を受け取り、通知を元に運用担当者が対応を行います。
しかし「メール振り分け設定」を個々の担当者で実施する必要があるだけでなく、振り分けルールの統一や更新が難しいことが、運用情報を煩雑なものにしていました。
また、通知情報を個々人が独自に扱うため、通知の見逃しが発生しやすく、それも業務変更の負荷を高める原因となっていました。これに対してNRIでは、通知情報をMattermostに集約し、全担当者共通の情報で業務情報の見え方を統一。
ユーザとのやり取りをチャンネルごとに整理できたことで、運用者の出入りの際に、複雑な「振り分け設定」が不要となっただけでなく、他業務領域の見通しもよくなって、通知の見逃しの減少やユーザへのレスポンスの迅速化を実現しました。

メールをMattermostに連携し、災害発生時のコミュニケーションを改善

つねにサービスを継続するためには、多拠点間の円滑なコミュニケーションが重要です。 特に、災害発生時は、携帯端末で連携をとりながら各拠点に出社しつつ、移動中も情報のキャッチアップ・判断・指示を随時実施しなければなりません。
また、既存システムはメールでしか通知できないものが多いため、取り纏め役を配置し、「携帯端末+メール」で多種多様な情報を迅速に多拠点・多チームで共有する必要がありました。
しかし、「携帯端末+メール」でのコミュニケーションは、大量の情報を処理するには不向きであり、振り分け機能が貧弱で、情報が分類できず処理しきれません。
この課題に対して、NRIのデータセンタを運用するデータセンタサービス本部は、RPA*とMattermostを導入して「メール+メール連携+Mattermost」体制を構築。
既存のメールを使った通知や既存システムからの通知を、RPAツールでMattermostが受け取り、一元化・整理して適切なチャンネルへ内容を連携することで、機動的なやり取りを可能にしました。
また、必要な情報連携をMattermostに移管することで、大量の情報のキャッチアップが容易になり、取り纏めによる情報中継なく、リーダーが現場の状況をリアルタイムで把握できるように改善しました。

* Robotic Process Automation:ソフトウェアロボットを活用した、オフィスでの定型業務を自動化する技術

Mattermost(マターモースト)の始め方

Mattermostの始め方、インストール方法やログイン方法を解説します。

インストールと初期設定

Mattermostには、Cloud版、Self-Managed版、Web版、アプリなどの形式があり、形式の違いによってインストールの方法が変わります。
インストール方法に関する詳細は、Mattermost公式サイトをご確認ください。

インストールが完了したら、初期設定を行います。

  1. Mattermostを開き、システム管理者のアカウントを作成します。
  2. 画面が表示されたら、「メールアドレス」「管理者の名前」「パスワード」を入力し、「Create Account」をクリックします。
  3. 「Create a new team」をクリックして、チームの作成を行います。
  4. 「Team Name」にチーム名を入力します。
  5. 「Next」をクリックして、チームURLを入力します。
  6. 「Finish」をクリックすると、チャットルーム画面が表示されます。
  1. 続いて、日本語設定を行います。画面右側にある設定「歯車」をクリックします。
  1. Displayの中にある「Language」をクリックします。
  1. 「Change interface language」の▼をクリックして、日本語に変更します。
  1. 「Save(保存)」をクリックすると、日本語設定が完了します。
  1. 次に、通知設定を行います。「デスクトップ通知」「メール通知」「モバイルプッシュ通知」「メンションのトリガーとなる単語」が設定できます。

Web版のログイン方法

Web版のログインの方法は、以下の手順で行います。

  1. 「インストールと初期設定」の手順⑤で入力したURLにアクセスします。
  1. メールアドレスとパスワードを入力して、ログインをクリックします。
  1. チャット画面が表示されます。

Mattermost(マターモースト)の基本的な機能の使い方

Mattermostの基本的な機能であるチャンネルの作り方とメッセージの送り方の手順を紹介します。

チャンネルの作り方

Mattermostのチャンネルは、以下の手順で作成します。

  1. チーム名の横の「+」をクリックし、「新しいチャンネルを作成する」をクリックします。
  1. 「チャンネル名」を入力し、チャンネルの公開設定を選択して、「チャンネルを作成」をクリックすると、新しいチャンネルが追加されます。

メッセージの送り方

Mattermostでメッセージを送る方法は、以下の通りです。

  1. 作成されているチャンネルの中から送りたいチャンネル名をクリックします。
  2. 画面の真ん中に表示されている部分が①で選択したチャンネル名に変わります。
  1. メッセージを入力して、送信ボタンをクリックします。

Mattermost(マターモースト)とSlack(スラック)の違い

MattermostとSlackの違いについて、以下のように表にまとめてみました。

Mattermost Slack
料金プラン
  • Team Edition(無償版)
  • Enterprise Edition(有償版)
  • フリープラン(無償版)
  • プロ/ビジネスプラン(中規模組織・チーム向け)
  • Enterprise Grid(大規模組織・チーム向け)
セキュリティ オンプレミス環境での運用が可能 クラウド環境でのみ運用可能
ストレージ容量 オンプレミス環境の場合は無制限
無償クラウド版の場合は制限有
無償プランの場合は制限あり
カスタマイズ 自由度が高い 自由度は低い

Mattermostは、無償版の「Team Edition」でも利用できますが、高機能性を備えた有償版の「Enterprise Edition」を使うことでセキュリティを強化することができます。
また、オンプレミス環境で運用する場合は、ストレージ容量の制限はなく、自社に合わせた柔軟なカスタマイズができる点も魅力です。

Mattermostを効果的に活用するNRIの「aslead Team Management」

Mattermostをさらに効果的に活用できるのが、NRIの開発現場から生まれたチームマネジメントソリューション「aslead Team Management」です。
aslead Team Managementは現在NRI内で約18,000名が利用しており、Mattermostをより効果的にご利用いただくために、次の4つの強みで、NRIならではの付加価値を持たせたサービスとしてお客様に提供しています。

1. コミュニケーション・チーム力最大化

aslead Team Managementは、柔軟でスピーディーなコミュニケーション・ツールにより、メールでは実現できなかったチーム内のナレッジ共有、コミュニケーションの円滑化を実現します。
メール量を大幅に削減できるだけでなく、Excel上での課題管理と違いスピーディーかつ深い議論ができるため、別拠点を含めたメンバーとの情報共有やコミュニケーションを向上させます。新規メンバーへのナレッジ共有も容易です。

2. デファクトスタンダードな基盤を採用した、3つのツールの5つの機能を統合

aslead Team Managementは、Atlassian社やMattermost社のデファクトスタンダードなツールを採用しています。
Mattermost(チャット機能)、Jira Software(進捗管理機能、品質管理機能、課題・QA管理機能)、Confluence(ナレッジ共有機能)の3つのツールの5つの機能とNRI独自の機能を統合し、チームワークを高めて生産性向上につなげます。

3. プロジェクトに関するすべての情報の蓄積・活用・共有を促進

aslead Team Managementは、プロジェクトに関するすべての情報が検索・共有可能な形式で蓄積されるため、情報の効率的な活用と共有を促進します。
また、優れた検索機能で情報検索に要する時間を削減するとともに、過去の知見や資産の蓄積を活用して、新規メンバーもスムーズにチームに参画できるようにします。

4. NRIのノウハウ取り込むことで、高品質・高生産性なシステム開発を支援

aslead Team Managementは、NRIの豊富な開発プロジェクト経験から得られた業務ノウハウを取り込むことで、リアルタイムなプロジェクト情報を参照可能にし、状況の分析を容易にしてPMO(Project Management Office)によるプロジェクトでの情報収集工数を削減します。
また、システム開発に必要な管理や生産性向上の機能が業務テンプレートとして提供されるため、PMOやライブラリアンの管理方法の検討・環境構築にかかる工数も削減して、高品質で高生産性なシステム開発を支援します。

Mattermost(マターモースト)に関するお問い合わせ

Mattermostは、Slackライクと言われるように、機能や使い方はほとんどSlackと変わりません。
その一方で、低価格に導入することができ、オンプレミス環境で運用できるため、カスタマイズの自由度が高いなどのメリットがあります。これまでSlackを使っていた企業やチームであれば、スムーズにMattermostへ移行できるでしょう。

株式会社野村総合研究所(NRI)では、Mattermostを効果的に活用するためにNRIならではの付加価値を持たせてお客様に提供しています。

https://aslead.nri.co.jp/products/mattermost/index.html

Mattermostに関する疑問やご相談は、メールまたは問い合わせフォームからお気軽にお問合せください。

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NRIは、スムーズな情報共有・課題の管理分析などを提供し、成果物の品質向上と業務効率化の双⽅をサポートするサービス「aslead」を提供しています。
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