Columnコラム

情報管理の重要性と
セキュリティリスク
対策のポイントを解説

2023年11月24日

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近年、業務の効率化やビジネスチャンスの拡大などの観点から、IT化・デジタル化が進められる一方で、不正アクセスによる情報流出などの問題が数多く発生しています。
そのため、企業にとって情報管理の重要性は年々高まっています。
この記事では、情報管理の重要性とセキュリティリスク、対策のポイントを解説します。

情報管理とは

情報管理とは

情報管理とは、企業にとって必要な情報を収集・保管するとともに、適切な維持・伝達・廃棄を行うことを指します。

情報管理において重要なのは、以下の2点です。

  • ①必要な情報に必要なタイミングでアクセスできること(情報共有)
  • ②不正アクセス等、外部からの侵入や情報流出を防ぐこと(セキュリティ対策)

企業活動において情報は大切な財産の一つです。
情報管理は、ただ単に収集した情報を保管するだけではなく、必要なタイミングでスムーズに取り出せるように管理をしなければいけません。

また、情報漏洩や紛失、流出が起こらないようにすることは、企業の社会的責任でもあります。

情報管理はなぜ必要?

情報管理はなぜ必要?

デジタル化が推進される現代において、情報管理およびセキュリティ対策は、企業にとって重要な経営課題の一つとなっています。
社会的責任という観点からはもちろん、企業の成長戦略としても鍵となってくるでしょう。

適切な情報管理を行うことは、以下のようなメリットをもたらします。

作業時間の短縮

情報を適切に管理することで、必要な情報を探すための時間が短縮され、業務効率や意思決定のスピードが向上するというメリットがあります。

近年、経験や勘だけに頼るのではなく、データやその分析結果に基づいて経営上の意思決定を行う「データドリブン」を重要視する企業も増えています。

情報データをもとに経営判断を行う場合、必要なデータをすぐに取り出せなければ意思決定が遅れてしまうため、情報管理の実施は不可欠です。

情報格差をなくす

情報管理や伝達の仕組みが確立されていない企業や組織の場合、一つのプロジェクトを進める同じチームのメンバー内でも、情報格差が生じてしまうことがあります。

必要な情報の共有が遅れたり、情報の属人化が起きてしまうことで、「最新の情報がどれなのか分からない」「古い情報のまま作業を進めてしまった」などのトラブルも起こりやすくなるでしょう。

情報管理が適切に行われると、必要なメンバーが常に最新の情報にアクセスできるようになるため、業務効率化が見込めます。

ナレッジ共有・蓄積

近年、属人化の解消を課題として取り組む企業が増えています。

属人化とは、特定のメンバーだけしか情報や業務を把握していない状態を指し、一般的にはマイナス要素として捉えられるものです。

多くの場合、属人化は共有不足によって起こります。
知識やノウハウを蓄積する仕組み、情報共有の仕組みが整っていないことが原因というケースが多いです。

企業における情報管理は、属人化の解消を目的としたナレッジ共有という観点でもメリットがあります。
知識やノウハウ、情報をスムーズに共有できる仕組みの構築は、属人化を防ぎ、業務効率化や品質の安定化につながるでしょう。

データの膨大化を抑制

情報管理が不十分な企業では、次々に新たなデータが作成されたり、同じ情報が複数ファイルに保存され、別々に保管されるなど、社内に大量のデータが溢れているというケースも珍しくありません。

データの膨大化は、必要な情報へのスムーズなアクセスの妨げとなり、管理コストの無駄にもつながってしまいます。

情報管理の仕組みを構築することで、データの新規作成や複製、破棄に関するルールも制定しやすくなり、データの膨大化を抑制することが可能です。

社会的信頼

前述の通り、適切な情報管理は企業の社会的責任でもあります。

情報の漏洩や流出が起きてしまうと、企業イメージを大きく低下させるだけではなく、損害賠償を請求されてしまうケースもあり、多額の損失につながるリスクもあります。

情報管理においてセキュリティ対策を講じることは、企業の社会的信頼を維持するためにも必要なことです。

情報セキュリティリスクとは

情報セキュリティリスクとは

情報セキュリティリスクとは、企業や組織、システムなどに潜む潜在的なリスクのことです。

情報漏洩や流出を引き起こし、社会的信頼を著しく低下させる可能性があるため、情報管理体制を構築するにあたっては、しっかりと対策を講じることが大切です。

ここでは、情報セキュリティリスクを発生させる主な5つの要因と対策について説明します。

意図的脅威

意図的脅威とは、何者かに悪意を持って引き起こされる情報セキュリティリスクです。

具体的には、不正アクセスやマルウェア感染、従業員や退職した従業員によるデータの持ち出し、情報漏洩などが、意図的脅威にあたります。

ランサムウェア、マルウェアの種類は年々増加し、企業における情報セキュリティリスクの上位に位置付けられています。

情報管理においては、技術的なセキュリティ対策はもちろん、適切なアクセス権管理、退職者のSaaSアカウント管理なども必要です。

偶発的脅威

偶発的脅威とは、ノートPCやUSBメモリなどの紛失・置き忘れ、システムの誤操作など、ヒューマンエラーによって引き起こされる情報セキュリティリスクです。

故意ではなかったとしても、流出した情報が第三者の手に渡り、悪用されてしまうと、被害が拡大するリスクがあります。

偶発的脅威を防ぐには、機密情報の管理状況の可視化、アクセスログの管理、社内のデバイス管理を一元するなどの対策が必要です。

環境的脅威

環境的脅威とは、地震や台風、落雷、火事などの自然災害によって引き起こされる情報セキュリティリスクです。

建物の崩壊や電気などのインフラ・ライフラインの停止により、システムの運用に支障をきたすケースが挙げられます。

発生する頻度は多くないものの、重大な被害につながるリスクがあり、適切な対策が必要です。

ソフトウェアの脆弱性

ソフトウェアの脆弱性とは、OSやソフトウェアにおいて、プログラムの不具合や設計上のミスが原因で発生するセキュリティホールのことです。

特に、ソフトウェアの開発現場ではスピードを求められることも多く、オープンソースソフトウェア(OSS)の利用は当たり前の時代になっています。

OSSの脆弱性情報は次々と出てきているため、ソフトウェア開発においては、OSSを含むすべてのコンポーネントを正確に把握、可視化するなど、セキュリティリスクを最小限に抑える対策が必要です。

情報管理体制の不備

企業における情報管理体制の不備が、情報セキュリティリスクを引き起こすこともあります。

例えば、適切なアクセス権限設定が行われておらず、誰でも自由に情報を持ち出せる環境であれば、それだけ情報流出のリスクは高まることになります。

まずは、情報セキュリティ責任者を選任し、適切な情報管理体制を構築することが大切です。

情報管理・セキュリティ対策のポイント

情報管理・セキュリティ対策のポイント

ここからは、適切な情報管理体制を構築するとともに、セキュリティ対策を徹底してくための具体的な方法を説明します。

ルールの制定と周知の徹底

まずは、情報管理におけるルールや情報セキュリティポリシーの制定を行います。

情報セキュリティポリシーとは、企業が実施する情報管理、セキュリティ対策の方針や行動指針を定めたものです。
適用範囲を設定し、基本方針や実施手順などを記載しましょう。

情報管理・セキュリティ対策の適用範囲を定めるためには、守るべき情報の洗い出しが必要です。
想定されるリスクを考慮したうえで、どんな情報をどのように管理していくのかを決定してください。

また、制定したルールや情報セキュリティポリシーは社内に周知し、徹底させていくことが重要です。

情報管理ツールの導入

情報管理体制の構築には、適切なツールの導入が不可欠です。

情報管理ツールにはさまざまな種類があるため、目的や使いやすさ、コストパフォーマンスやセキュリティ面など、複数の視点から総合的に選びましょう。

情報管理におすすめのツールは、後ほど紹介します。

技術的な対策

企業における情報管理とセキュリティ対策を徹底するには、技術的な対策も必要です。

情報セキュリティ責任者は、システムやツールの適切な管理・運用のためにも、以下のような対策を行いましょう。

  • ソフトウェアの更新
  • ウイルス対策
  • ネットワークの防御
  • 不正アクセスの対策
  • 社外持ち出し用端末の対策
  • サイバー攻撃への対策
  • 適切なアクセス権設定
  • バックアップの取得
  • ログの取得・保管
など

ITデバイス・SaaSの一元管理

情報管理・セキュリティ対策の一環として、ITデバイスやSaaSの一元管理も重要なポイントです。

リモートワークが普及した昨今、クラウドサービスやSaaSを導入する企業も多いです。
しかしその一方で、企業や組織の承認を得ずに従業員が個人の判断で使用している「シャドーIT」の存在が問題視されています。

シャドーITは、企業がその存在を把握していないため、せっかくのセキュリティ対策が行き届かず、情報セキュリティリスクを高める原因となります。

情報管理・ナレッジ共有におすすめのツール

ここからは、企業における適切な情報管理・ナレッジ共有に適したツールを6つ紹介します。
自社の情報管理における課題、目的やゴールを明確にしたうえで、複数のツールを組み合わせながら導入するのがおすすめです。

オンラインホワイトボード「Miro」

オンラインホワイトボードMiroは、世界中で7,000万人以上が利用するコラボレーションツールです。

Miroは複数の作業者と同時編集ができ、オンライン上であっても対面で作業しているかのような一体感を実現します。
シンプルなUIで使いやすく、初めての方でも直感的な操作ができるのも魅力です。

Miroを使ってプロジェクトの情報を集約すれば、チームの全体状況を把握・共有しやすくなり、チーム内のコラボレーションやコミュニケーションを活性化させることにつながります。
また、必要な人に必要なタイミングでボードやPDFの共有ができるため、議事録や報告資料などを別途作成する手間もかかりません。

Miroは、BoxやGoogle Suite、JIRA、Confluence、Slackなど、さまざまなビジネスツールとの連携も可能です。
高度なセキュリティも組み込まれているため、情報セキュリティリスクを低減しつつ、コラボレーションによる業務効率化を実現できるおすすめのツールです。

https://aslead.nri.co.jp/products/miro/

ナレッジ共有&共同作業ワークスペース「Confluence」

ナレッジ共有&共同作業ワークスペース「Confluence」

Confluenceは、リモートでも使いやすいナレッジ共有&共同作業ワークスペースです。
世界で約6,000以上の企業が利用しています。

社内のさまざまな情報を一つに集約できるビジネス向けWikiツールとして、情報の蓄積・活用・共有を促進します。

例えば、これまで複数のファイルで作成され、個々に保管されていた要件定義書や基本設計書、議事録やスケジュール表などは、すべてConfluenceに集約することが可能です。
Confluenceなら情報の検索・整理が容易にできるため、必要な情報にスムーズにアクセスできるというメリットがあります。

マーケティング資料やマニュアル・手順書などをConfluenceで管理すれば、ナレッジ共有のプロセスが大幅に改善されるでしょう。
WordやExcelのファイルをシェアするよりも短時間で共有ができ、最新の情報をリアルタイムで更新しながら共同作業ができます。
アクセス権限設定で、機密情報を保護しつつ、必要なメンバーには情報を共有するという使い方も可能です。

https://aslead.nri.co.jp/products/confluence/

プロジェクト管理ツール「Jira」

プロジェクト管理ツール「Jira」

Jiraは、アジャイルチームの利用実績 No.1 のプロジェクト管理ツールです。
世界で65,000以上の企業が利用するグローバルスタンダードなツールで、開発現場に限らず、営業現場やバックオフィスなど、あらゆるチームに導入されています。

複数のチームにまたがる大規模なプロジェクトの場合、すべての情報管理やタスク管理をExcelで行うのは困難です。
Jiraなら、ロードマップ機能で全体像をチーム全員に共有したうえで、カンバンボードやスクラムボードで個々のタスクの進捗状況、作業内容、スケジュールに遅れがないかなどを視覚的に把握することができます。

チームごとにリソースのキャパシティも確認できるため、計画の実現性を判断する際にも役立つでしょう。

ステータスの内容や文言、ワークフローなど、細かいカスタマイズができるので自社に合わせたプロジェクト管理を実現できます。
集計レポートも自由に設定でき、必要なデータや見たい情報をすぐに確認できるのはもちろん、作成したレポートをほかのプロジェクトに共有することも可能です。

https://aslead.nri.co.jp/products/jira/

ITSMを支援する「Jira Service Management」

ITSMを支援する「Jira Service Management」

Jira Service Managementは、ITSM支援するサービスマネジメントツールです。

サービスデスクを効率化するためのツールとして、社内外から発生するあらゆる問い合わせやさまざまな依頼を、効率的に一元管理することができます。

開発チームと IT 運用チームの連携を強化し、シームレスな連携を実現することで、社内外のカスタマーからのヘルプや、インシデントの対応・解決の迅速化が可能です。

Jira Service Managementはコラボレーションや共同作業を容易にするため、チームを横断する作業の視認性を高めています。

コラボレーションによるチームワークの強化、ナレッジ管理・共有にもおすすめのツールです。

https://aslead.nri.co.jp/products/jira-service-management/

ITデバイス & SaaS統合管理クラウド「ジョーシス」

ITデバイス & SaaS統合管理クラウド「ジョーシス」

ジョーシスは、アナログで行っているIT業務を自動化し、業務効率化やコスト削減、セキュリティレベル向上を支えるITデバイス & SaaS統合管理クラウドです。

従業員の入退社にともない発生するITデバイスとSaaSアカウントの管理を自動化し、管理台帳と自動連携することで、アカウント削除漏れをなくし、不要なデバイスやアカウントを可視化できるようになります。

これまで企業側で把握しきれなかったシャドーITも、ジョーシスが自動で検知するため、情報漏洩を未然に防ぐことができるでしょう。

また、ジョーシスは、セキュリティに特に重点を置いたツールです。
パスワード管理機能により、従業員が安全なパスワードを使用するようにサポートするため、企業の機密情報が安全に保護され、情報漏洩やハッキング攻撃のリスクを低減します。

グループセキュリティにも対応しているため、子会社、グループ会社などでバラバラになりがちなデバイス&SaaS管理もジョーシスで一元管理が可能です。

https://aslead.nri.co.jp/products/josys/

プライバシーガバナンスを支援する「OneTrust」

プライバシーガバナンスを支援する「OneTrust」

OneTrustは、世界で1万社以上の導入実績を誇るプライバシーガバナンス・プラットフォームです。

企業内の各事業部やプロジェクトなどで個別に管理しているITシステム、資産や個人情報等をOneTrustプラットフォーム上で一元管理できます。

事業活動におけるプライバシーリスクの評価結果やリスクの一覧を、レポート機能やダッシュボード機能で可視化でき、対応すべきリスクを一目で把握できるのが魅力です。

また、SlackやJiraなど、さまざまな外部ツールとの機能連携により、自社の利用シーンにあわせたプライバシーガバナンス構築・運用の自動化が可能です。

https://aslead.nri.co.jp/products/onetrust/partner.html

情報管理体制の構築はasleadにご相談ください

asleadは、環境構築や製品の導入からシステムの運用保守・技術サポートに至るまで、さまざまなソリューションをオールインワンで提供します。

今回紹介した情報管理ツールの導入支援はもちろん、株式会社野村総合研究所(NRI)独自のノウハウや技術的支援、運用支援も行っております。

情報管理体制を構築したい、適切なツールを導入したいという方は、ぜひasleadにご相談ください。

https://aslead.nri.co.jp/

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