Columnコラム

改めて整理したい
ビジネスチャットのメリットと、セキュリティ対策

2021年10月21日

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テレワークが普及するとともに、離れた場所にいるメンバー同士のコミュニケーション手段として注目されるビジネスチャット。個人向けチャットツールの業務利用には情報漏えいなど様々なリスクがあることから、ビジネス向けチャットツール(以下、ビジネスチャット)を導入する企業が増加しています。そこで、改めてビジネスチャットのメリットを整理するとともに、導入にあたって懸念されるセキュリティリスクとその対策について解説します。

ビジネスチャット最大のメリットは「効率的なコミュニケーション」

メールベースのコミュニケーションは限界に

ビジネスチャットは様々なメリットがありますが、その多くは「効率的なコミュニケーション」につながっています。
これまで主に利用されてきたメールですが、同じオフィスにいれば口頭で済むことまで、すべてメールでやり取りするとなると無理が出ます。また、基本的に社内・社外問わず、すべて同じメールアドレスを使うため、大量のメールから重要な情報を見逃してしまうリスクも懸念されます。さらにメールは、「冒頭に宛名や挨拶を入れる」など、ある程度形式が決まっていますが、リアルタイムでのコミュニケーションが想定されたものではないため、“気軽かつスピーディなやり取り”には適さないのです。
このようなメールが抱えていた課題を解決するのがチャットツールです。チャットツールは、リアルタイムなコミュニケーションを想定し、会話のようにメッセージをやり取りできることが特長です。より気軽なコミュニケーションにつながるので、特に在宅勤務など、離れた場所で業務を進める際のコミュニケーション活性化に効果的です。

ビジネスチャットのメリットとデメリット

チャットツールを業務利用することで、以下のようなメリットが得られます。一方デメリットもあるため、利用用途に合わせて工夫が必要です。

【メリット】

メールよりも気軽でスピーディー

メールは宛名や挨拶文を入れるなど、ある程度形式が決まっていますが、ビジネスチャットはチャット形式で気軽に送ることができます。

情報管理がしやすい

電話など口頭での会話では、”言った・言わない”問題が起こる場合もあります。一方ビジネスチャットでは、会話が文面に残るため証跡となり、そのような問題を防ぐことができます。またチャンネルごとに情報が集約されるため、メールよりも比較的情報が探し出しやすいでしょう。

コミュニケーション活性化

気軽に連絡がとることができるため、特にテレワークで起こりがちなメンバー間のコミュニケーション不足の解消にも期待できます。

【デメリット】

チャット記載や読むのに時間がかかる

要件を電話で伝えた方が早い場合もあります。メール・ビジネスチャット・電話など適切なコミュニケーション方法の使い分けが必要です。

情報が埋もれやすい

気軽にコミュニケーションが取れる反面、情報量が多くなりすぐに溜まりがちになります。重要な情報が埋もれてしまわないよう、対策として話題毎にチャンネルを使い分けたり、検索機能の活用が必要です。

自社の事情や要件にあったツール選定を

導入して終わりではなく、導入後の運用、定着支援などのサポートもチェック

ビジネスチャットは数多くの製品やサービスが提供されているため、ツール選定が重要です。短期導入が可能なもの、グループウェアの1機能として利用できるもの、ほかのシステムとの連携機能の有無、カスタマイズ可否など、コスト面とあわせて各ツールの特長が自社のニーズにマッチするかを見極めましょう。
また、ビジネスチャットを効果的に活用するには、業務にあわせたルールの整備や運用、利用定着支援などが必要です。環境構築だけで終わらず、その後の運用などのフォローアップも含めてサポートできるベンダかどうか確認することをおすすめします。

ツール選定時に気を付けるべき、セキュリティリスク

「データがどこに保管されているかわからない」と情報を守り切れない

自社の用途やニーズのほか、ツール選定時に重視すべきポイントが「セキュリティ」です。ビジネスチャットはクラウドサービスとして提供されるものが多く、データ保管場所が非公開のサービスも少なくありません。ビジネスチャットでやり取りした内容(データ)が、海外を含めどこに保管されているかわからない、保管場所を指定できない、保管場所を指定するには高額になる、といったケースも見られます。海外のデータセンタに保管される場合、現地の法律に則る形となり、現地政府の指示でデータ開示されるリスクを否定できません。
ビジネスチャットで営業や開発・研究などどういった情報を扱うのか、自社のセキュリティポリシーなどと照らしあわせ、国内データセンタを要件とするなどの対処が必要です。

データセンタ指定、オンプレミス構築などが可能な製品も

ビジネスチャットはクラウドサービスが多いとはいえ、国内データセンタを指定可能なサービスもあるため、製品選定時にはサービス基盤についてもチェックするとよいでしょう。オンプレミスで構築できるビジネスチャット製品もあり、こちらであれば、インフラも含めて自社のセキュリティ要件にあった環境を構築できます。さらに、特に厳格な管理が必要な場合は、インターネットには一切つながず、社内に閉じた環境での利用を要件とするケースもあり、オンプレミス対応の製品であれば実現可能です。
インターネット経由でどこにいてもコミュニケーションできることはビジネスチャットのメリットですが、情報の機密レベルにあわせて、セキュリティ要件を事前に検討し、それらをクリアした製品選定をおこなうことが重要です。

NRI事例:ビジネスチャットのメリットを活かした、使い方のコツ

NRIではビジネスチャットツールとして「Mattermost」を全社で導入しています。そのメリットを活かした使い方を紹介します。

小規模なグループを事前に用意し、コミュニケーション活性化

ビジネスチャットでのコミュニケーションを活性化するには、導入時に小規模なグループを用意しておくことをおすすめします。Mattermostの場合、「チーム」のなかに「チャンネル」がある階層構造になっています。NRIでは本部や大規模プロジェクト単位の「チーム」に、小規模プロジェクトなどの「チャンネル」を割り当てる形を基本としています。
全社員が所属する大規模チームもありますが、それは一方的なアナウンスが中心。あらかじめ小規模なチャンネルを用意することで、会話に参加するハードルが下がり、全員での双方向コミュニケーションがしやすくなります。

申請フローをビジネスチャットに移行し、利用する機会に

ビジネスチャットの利用を定着させるには、なによりも「まず使ってもらう」ことからはじまります。そこで、NRIではある申請フローをメールから「Mattermost」へ移行。だれもが申請時に利用するため、Mattermostを使うよい機会となりました。最初の一歩として、ビジネスチャットを使わざるを得ないよう、ルール化してしまうのも1つの方法です。
またMattermostでは、チャンネルごとで、常に最上部へ表示される「ヘッダー」部分に自由にテキスト入力できるエリアがあります。このチャンネルヘッダーに申請ルールへのリンクや、申請先の情報を記載。ルールや担当者が変わっても、最新情報をすぐに確認し、スムーズに申請できるようにしました。メールでの周知は見落としも多く、以前の担当者に申請してしまうケースもありましたが、その点も改善できました。

Mattermostの申請フロー

図:Mattermostの申請フロー

システム監視結果をボット化し、ビジネスチャットに投稿

ビジネスチャットをチェックする機会を作るためには、ボットによる自動投稿も有効です。NRIでは、システム稼働状況の監視結果を投稿するボットを作成。異常時のみ、チャンネル参加者全員宛てにメンションすることにより、異常を見落とすリスクを低減しています。メールでは、このような運用はできないため、この点もビジネスチャットならではの工夫と言えます。

システム監視結果をボットが自動投稿

図:システム監視結果をボットが自動投稿

必要な情報が流れないようピン留めやタスク管理を活用

気軽にコミュニケーションを取れることはビジネスチャットのメリットですが、やり取りが“流れて”いってしまうという難点もあります。Mattermostでは「ピン留め」機能で、必要な情報をまとめておくことが可能です。また、ビジネスチャットで届いた依頼やタスクを、そのままTodoリストに追加し、タスク管理することもできます。

国内クラウド、オンプレミスなど場所を選んで構築できる「Mattermost」

「Mattermost」はチャットツールに必要な機能をひととおりそろえ、オンプレミスにも構築できることが特長です。NRIでは、お客様の要望にあわせた環境構築をサポートしており、オンプレミスのほか、NRIが用意したクラウド環境にて提供することも可能です。もちろん、クラウドもデータ保管場所を日本国内などに指定でき、セキュリティ面の要件にも柔軟に対応します。
さらに、導入後の運用や活用のフォローまで幅広くサポートする「プロフェッショナルサービス」を用意。Mattermost社は日本支社がなく、問い合わせはすべて英語になります。そこで、NRIでは日本語でのサポートに加え、ベンダへの問い合わせ代行まで行います。

全社導入を検討するケースが多いビジネスチャットですが、スモールスタートでの導入が効果的です。部署やグループなど小規模から拡大することで、コストを抑えて効果を見極めながら進めることが可能になります。NRIでは自社で大規模に活用しているほか、小規模での導入実績もあり、社内展開のサポートも対応します。ぜひご相談ください。

Mattermostの導入支援なら、asleadにお任せください

asleadではMattermostを活用したサービスの開発・導入実績を豊富に持っています。お客様に合わせた最適なご提案をさせていただきますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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