Columnコラム

ユーザーストーリーマッピングとは?
基本の進め方やおすすめのツールを紹介

2022年6月29日

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アジャイル開発やスクラムで初期要件を整理する際、ユーザーストーリー/ユーザーストーリーマップを活用する企業が増えています。 ユーザーの行動を時系列で洗い出し、整理することで、プロダクトの全体像をつかみやすくなるほか、プロダクトバックログの洗い出しがしやすくなります。また、ユーザーストーリーの形式によって、価値にフォーカスしてプロダクトバックログを並び替えするのにも役立ちます。
そこで今回は、ユーザーストーリー/ユーザーストーリーマップとは具体的にどのようなものなのか、また、ユーザーストーリーマップを作成する「ユーザーストーリーマッピング」の進め方やおすすめのツールを紹介します。

ユーザーストーリーとは

ユーザーストーリーとは、プロダクトを実際に利用するエンドユーザーに何を提供するのか、そしてその目的は何かを簡潔に書く要件定義の方法の1つです。
目的や実現する価値を明らかにするために「〇〇(ユーザー)として、✕✕(行動)をしたい。それは、▲▲(目的)だからだ」の形式で表現すると書きやすくなります。

ユーザーストーリーマップとは

このユーザーストーリーを時系列に、優先順位順に配置したものがユーザーストーリーマップです。
エンドユーザーの行動とプロダクトに求める価値を時系列で整理し、それを実現するために必要な機能や要件をマッピングすることで、プロダクトの開発にかかわるすべてのメンバーが実現する価値の目的や優先順位を視覚的に捉えられるようになります。

ユーザーストーリーマッピングとは

ユーザーストーリーマップを書く手法のことをユーザーストーリーマッピングと言います。
話す人によっては、ユーザーストーリーマップとユーザーストーリーマッピングを同じ意味で捉えている方もいますが、マップそのものを指すのか、マップを書く行為を指すのか、の違いだけですので、厳密に区別しなくても文脈を読み解けば通じることでしょう。

ユーザーストーリーマップとカスタマージャーニーマップの違い

ユーザーストーリーマップと同じように、ユーザーの行動を視覚化する手法として、「カスタマージャーニーマップ」もあります。
カスタマージャーニーマップは、ユーザーの行動や思考・感情などを時系列に整理したもので、ユーザーの動きを分析しながら適切なアプローチをするために作成するものです。
実際に製品やサービスを利用する顧客をカスタマーとして設定し、性別や年齢、趣味、行動、生活スタイル、思考などを細かく洗い出しながら実施します。
カスタマージャーニーマップとユーザーストーリーマップは似ている部分もありますが、カスタマージャーニーマップではユーザーの行動を想像・トレースしたうえでプロダクトのタッチポイントを洗い出すのに対して、ユーザーストーリーマップではユーザーに提供すべきプロダクトの価値や開発の優先順位を整理するために使われるところが異なります。
そのため、ユーザーストーリーマッピングは開発の初期要件を整理する際に作成し、それをもとに基本設計やワイヤーフレームを作成するケースが多いでしょう。

ユーザーストーリーマッピングの必要性

アジャイル開発やスクラムにユーザーストーリーマッピングを取り入れることで、以下のようなメリットを得ることができます。

顧客の行動・生み出す価値を視覚化できる

ユーザーストーリーマッピングは、ユーザーの行動を軸に、サービスやプロダクトが実現したい・実現すべき価値(≒機能)を時系列・優先順位順に視覚的にわかりやすく可視化します。
可視化によりユーザーの行動の想定に漏れがあることに気づいたり、優先順位を並び替えたりすることがしやすくなります。

本当に必要な機能や要件を判断できる

ユーザーストーリーマッピングにより、顧客が本当に求めている機能や要件は何かを判断しやすくなります。
ユーザーストーリーを並び替えながら、ユーザーにとって価値のある最小限の機能セット(MVP:Minimum Viable Product)を定義することができ、初回リリースに必要な要件の一覧を洗い出すことに役立ちます。

開発順序や優先順位を定められる

ユーザーストーリーマップを作成することで、提供すべきプロダクトの開発優先順位を定めやすくなります。 
顧客や市場の反応を得るために最低限必要なものはなにかという観点で、ユーザーストーリーを1項目ずつ確認しながら優先順位を決めていきましょう。

プロダクト・プロジェクトの方向性が明確になる

システム開発やソフトウェア開発、サービス開発など、プロダクト開発において最も大切なことは、エンドユーザーに私たちが届けたいプロダクトの価値を感じてもらうことです。
ユーザーストーリーマッピングでユーザーの行動とプロダクトがもたらす価値を視覚的に整理することで、チーム全員がプロダクトの価値を理解でき、プロダクト・プロジェクトの方向性が明確になるでしょう。

ユーザーストーリーマッピングの進め方

ここからは、ユーザーストーリーマッピングの流れを紹介していきます。

ペルソナを設定する

はじめに、ペルソナを設定します。ペルソナとは、製品やサービスを実際に利用する顧客をイメージしたユーザー像のことです。
〇〇会社の✕✕部の人、という風に、プロダクトを利用するユーザーがどのような属性なのかを想像でいるようなペルソナを設定します。ペルソナが複数いる場合は、複数洗い出したうえで、ペルソナごとのユーザーストーリーマップを作成します。
より効果的にユーザーストーリーマッピングを進めたい場合は、顧客となるユーザーの性別や年齢、趣味、行動、生活スタイル、思考などを細かく洗い出し、より具体的な人物像の設定をしておくとよいでしょう。

ユーザーの行動・感情を時系列に並べる

次に、ペルソナとして設定したユーザーの大まかな行動、詳細な行動、そのときの感情などを時系列に書き出して並べていきます。
並べていくなかで、粒度の大きいものは詳細化してサブカテゴリを作成すると良いでしょう。 

必要な機能やプロダクトをマッピングする

ユーザーストーリーの整理ができたら、そこに必要な機能やプロダクトをマッピングしていきます。
ユーザーの各行動に対してもたらすべきプロダクトの価値や提供したい価値などを、自由に書き出していきましょう。 

開発の優先順位・MVPを決める

作成したユーザーストーリーマップを確認しながら、ユーザーにもたらすべき価値をあらためて議論します。
「顧客や市場の反応を得るために最低限必要なものはなにか」という視点で、1項目ずつ採用・見送りを決め、開発の優先順位や初回リリース時点で最低限必要な機能(MVP)を決めましょう。
MVPが決まったら、再度ユーザーストーリーと照らし合わせて、過不足がないかを確認します。 

プロジェクトの課題やタスクを整理する

ユーザーストーリーマッピングは、大まかな開発の優先順位やMVPを決めるために有効な手法ですが、詳細な要件定義やタスク設計までをカバーできるものではありません。
ユーザーストーリーマップが完成したら、それをベースに項目ごとにプロダクトバックログ(実施規模、課題、タスクなど)を整理して、改めて開発の優先順位を見直し、優先順位の高いものから要件定義や設計を行っていきます。

ユーザーストーリーマッピングに使えるおすすめのツール

以前はExcelで作成することが多かったユーザーストーリーマップですが、最近ではより簡単に作成できる便利なツールがたくさんあります。 特に、離れた場所にいる開発メンバーがオンライン上でコラボレーションしながらストーリーマッピングをする際におすすめのツールが、オンラインホワイトボードMiro(ミロ)です。

https://aslead.nri.co.jp/products/miro/function/miro-online-whiteboard.html

Miroには、ユーザーストーリーマップを簡単に作成できる「Use Story Map Framework」や「Use Story Map Basic」といったテンプレートがあります。

Use Story Map Framework

Use Story Map Framework

Use Story Map Basic

Use Story Map Framework

Miroのテンプレートを活用すれば、白紙の状態からユーザーストーリーマップを作成する必要はありません。
視覚的に分かりやすいマップを瞬時に作成できるため作業効率がアップするでしょう。
また、Miroには付箋機能やコメント機能などの便利な機能が備わっているため、テンプレートをベースに必要事項を追加したり、特定の人にメンションをつけてメッセージを送ったりという使い方もできます。
Miroの便利な機能については、ぜひ以下の記事もご覧ください。 

https://aslead.nri.co.jp/products/miro/column/miro-how-to-use.html
https://aslead.nri.co.jp/products/miro/column/miro-sticky-note-introduction.html

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